<解説③> 〜厚底シューズが齎した箱根駅伝の走り方&好走する条件〜
レース全体を観て感じたことの筆頭は、ナイキ厚底シューズの使用率だろう。区間走者全員がナイキ厚底シューズを履いていた区間があったことを思うと箱根駅伝を走る学生ランナー達から圧倒的な信頼を受けているのを証明したことになる。しかし、シューズ使用率は高いのに着用した選手全員が好走している訳ではないことから考えると、シューズを履き熟している選手が実力以上の好走をして上手くフィットしていない選手が逆に失速しているという印象を受けた。
失速してしまった選手の多くは、フォームが不安定。体幹の弱さが原因でシューズの性能を活かしきれていなかった。例を挙げてみると下記のような選手が失速していた。
・上半身と下半身の動きが連動していない選手。
・カラダを左右に揺らして(傾いて)走っている選手。
・踏み込み時間が長くバタバタ・ドタドタと走っている選手。
・左右の脚力差があるので地面からの反発力に差が生じて歩幅が噛み合っていない選手。
・前半にシューズのバネを使い過ぎてしまい、後半は脚へのダメージに耐えられない選手。
山下りでは、シューズの反発力を最大限に活かして「滞空時間を長くする」のがポイント。大きなストライドで一歩の距離を稼ぎながら走ると区間記録が良くなる。逆に山登りでは「滞空時間を短くする」ことで一歩一歩が速くなりエネルギーロスの少ない走りができる。それが、快走に繋がる。厚底シューズの出現により箱根駅伝の走り方も変わってきている。大きな反発力を受けられるというのが最大の武器となり選手に力を与えてくれている。その反面、シューズの性能を活かせる脚力を養っておかないとレース中盤以降に脚が止まってしまいフラフラな走りになってしまう。箱根の山上りや山下り区間だけではなく他の区間でもシューズの性能を活かした走りが出来ている選手と活かせていない選手との差が大きかったのは興味深い事実である。
厚底シューズの出現は、実績のある選手が好記録を出すことに役立つのは勿論のこと、実績などない選手が厚底シューズの力を借りて一気にレベルアップできることを証明している。
「トップレベルの選手と肩を並べて競い合える!」
「今まで憧れの存在だった選手に勝つチャンスがある!」
「このシューズを履けばエリート選手と同じように走れる!」
そう思える気持ちと「自分もやれるぞ!」という自信を全ての選手に平等に与えてくれた。それが厚底シューズが日本の長距離界に齎した最大の功労ポイントだ。速く走る為に必要な選手のモチベーションを高める効果があるシューズ。大きな歴史の転換期を一足のシューズが迎えさせた。この現象は、中学生や高校生の舞台でも確実に起こっている。厚底シューズが起こす奇跡の快進撃は、まだまだ続く。どんな記録が生まれるか期待して待ちたい。
レース全体を観て感じたことの筆頭は、ナイキ厚底シューズの使用率だろう。区間走者全員がナイキ厚底シューズを履いていた区間があったことを思うと箱根駅伝を走る学生ランナー達から圧倒的な信頼を受けているのを証明したことになる。しかし、シューズ使用率は高いのに着用した選手全員が好走している訳ではないことから考えると、シューズを履き熟している選手が実力以上の好走をして上手くフィットしていない選手が逆に失速しているという印象を受けた。
失速してしまった選手の多くは、フォームが不安定。体幹の弱さが原因でシューズの性能を活かしきれていなかった。例を挙げてみると下記のような選手が失速していた。
・上半身と下半身の動きが連動していない選手。
・カラダを左右に揺らして(傾いて)走っている選手。
・踏み込み時間が長くバタバタ・ドタドタと走っている選手。
・左右の脚力差があるので地面からの反発力に差が生じて歩幅が噛み合っていない選手。
・前半にシューズのバネを使い過ぎてしまい、後半は脚へのダメージに耐えられない選手。
山下りでは、シューズの反発力を最大限に活かして「滞空時間を長くする」のがポイント。大きなストライドで一歩の距離を稼ぎながら走ると区間記録が良くなる。逆に山登りでは「滞空時間を短くする」ことで一歩一歩が速くなりエネルギーロスの少ない走りができる。それが、快走に繋がる。厚底シューズの出現により箱根駅伝の走り方も変わってきている。大きな反発力を受けられるというのが最大の武器となり選手に力を与えてくれている。その反面、シューズの性能を活かせる脚力を養っておかないとレース中盤以降に脚が止まってしまいフラフラな走りになってしまう。箱根の山上りや山下り区間だけではなく他の区間でもシューズの性能を活かした走りが出来ている選手と活かせていない選手との差が大きかったのは興味深い事実である。
厚底シューズの出現は、実績のある選手が好記録を出すことに役立つのは勿論のこと、実績などない選手が厚底シューズの力を借りて一気にレベルアップできることを証明している。
「トップレベルの選手と肩を並べて競い合える!」
「今まで憧れの存在だった選手に勝つチャンスがある!」
「このシューズを履けばエリート選手と同じように走れる!」
そう思える気持ちと「自分もやれるぞ!」という自信を全ての選手に平等に与えてくれた。それが厚底シューズが日本の長距離界に齎した最大の功労ポイントだ。速く走る為に必要な選手のモチベーションを高める効果があるシューズ。大きな歴史の転換期を一足のシューズが迎えさせた。この現象は、中学生や高校生の舞台でも確実に起こっている。厚底シューズが起こす奇跡の快進撃は、まだまだ続く。どんな記録が生まれるか期待して待ちたい。