ランナーズ・ジャーナル JAPAN (Runners-Journal.Jp)

事実に基づいた「真実のコラム」を掲載しています。今だからこそ伝えたい「本当のこと」をありのまま伝えたいと思います。

カテゴリ:陸上競技指導 > 日本陸連長距離強化委員への提言

2019ボストンマラソンが終わった。結果は「予想通りの惨敗」。

一部のメディアへ問いたい。
何故、力の無い日本人選手を過剰にもてはやすのか?

現在、メディアを含めた陸上関係者と国民との感覚には大きなギャップがある。

「〇〇2世に期待!」
「ニューヒロイン誕生!」
「日本記録更新!1億円ゲット!」

などと煽ってみても国民は冷めた目で見ているのが分からないのだろうか。

日本には駅伝・マラソンファンは沢山いる。箱根駅伝も東京マラソンも人気は抜群だ。運動をしない人たちの間でも大会後は話題になるし注目もしている。しかし、メダルを期待しているかというと答えは”NO”だ。今のレベルで世界に通用するかどうかを国民は良く分かっている。

日本男子短距離陣には、多くの国民が期待している。その理由として、4×100mリレーが五輪と世界陸上の両方でメダルを獲得していること。そして、これまで見たことのない9秒台という世界を見せてくれていること。タレントが揃っているのも楽しみのひとつだ。

桐生祥秀、山縣亮太、サニブラウン・ハキーム、多田修平、飯塚翔太、ケンブリッジ飛鳥、そこへ、昨年のアジア大会200m優勝の小池祐貴が加わってくる。勢い的には、小池が一気に9秒台を出す可能性さえ感じられる。次に誰が9秒台を出すのかを考えただけでワクワクすると期待している国民は本当に多い。

しかし、マラソン選手への期待は、明らかに薄い。下記は、4月7日に行われたパリマラソンの結果である。

【2019 Paris Marathon Result】
    〜Men's Top10〜 
  1. 2:07:05 Abrha Milaw (ETH)
  2. 2:07:25 Asefa Mengistu (ETH)
  3. 2:07:29 Paul Lonyangata (KEN)
  4. 2:07:46 Morris Gachaga
  5. 2:07:58 Barselius Kipyego
  6. 2:08:14 Plat Arikan
  7. 2:08:31 Yitayal Atnafu
  8. 2:09:14 Morhad Amdouni
  9. 2:11:53 Hillary Kipsambu
10. 2:11:53 Nicolas Navarro

    〜Women's Top10〜 
  1. 2:22:47 Gelete Burka (ETH)
  2. 2:22:52 Azmera Gebru (ETH)
  3. 2:23:35 Azmera Abreha (ETH)
  4. 2:23:41 Clemence Calvin
  5. 2:23:53 Sally Chepyego
  6. 2:26:04 Pascalia Kipkoech
  7. 2:26:48 Zerfie Limeneh
  8. 2:42:44 Severine Hamel
  9. 2:46:40 Gabriela Trana
10. 2:47:53 Anais Quemener

飛び抜けて速い選手はいないが勝負強い選手達が複数人いることは良く分かる。パリもボストンも極めてタフなコースだ。ロンドンやベルリン・東京のような高速コースではない。しかし、男子では2時間7分台の選手はゴロゴロいる。女子も2時間22分~23分の選手は山ほどいる。

近年、日本国内のメジャー・マラソンのコースは、記録が出やすい高速コースに変更されている。その高速コースでも海外選手に圧倒されているのが現状だ。日本人が優勝する大会には、世界のトップクラスは出場していない。出場していたとしても「本気」では臨んでいない。ビジネスとしてお金を稼ぐために大会側からオファーを受けたから走っているだけである。

日本国内の大会は、市民ランナーのマラソン人気に便乗して大会が盛り上がっているように見せているだけと言っても過言ではない。

東京マラソンのように外国人選手がガチな勝負をすると1㎞以上の大差がつく。表彰式の際、小池都知事がポケットに手を突っ込みたくなるのも仕方ない。「市民ランナーの盛り上がりは大変素晴らしいけど、日本を代表するエリート選手達は全然歯が立たないじゃない。」そう内心思ったとしても、それは当然の感想である。同じ思いは多くの国民が抱いている。実際に全く歯が立たないのだから。

男子選手の中で唯一、世界と戦える力を持っているのは「大迫傑」ただ一人である。彼は、世界との差をリアルに感じられる環境でトレーニングをしているので自分が何をしなければならないのかを理解している。日本の実業団の「温室育ち選手」とは意識の高さが違う。

女子選手に至っては、今現在、世界レベルの選手は皆無である。今の選手達のメンタリティーと実力では到底世界の舞台で勝つことなど出来ない。有森裕子、高橋尚子、野口みずき、鈴木博美、千葉真子、渋井陽子、土佐礼子、これらの選手が活躍して以来、本物のスター選手は一人として現れていない。

大迫傑選手並みの潜在能力を持っている女子選手は、一人だけいる。世界レベルで走れる可能性がある選手、それは新谷仁美選手だ。彼女くらいのスバ抜けた素質がないと世界では戦えない。これも紛れもない事実である。新谷選手の可能性については別途記事にするが、兎に角、男女ともに力不足なのは、今となっては、どうにもならないだろう。

今の状態では、東京五輪マラソンレース当日、想像以上の猛暑となってアフリカ勢が完走を諦めてくれたら、やっと下位入賞が見えてくるかもしれない。しかし、それは期待できそうにない。欧米選手の中には、暑さにメッポウ強い選手がいる。また、アフリカ勢・中東勢にとっても生活環境が整っている日本での最終調整は「利点」になる。世界一、環境が整っていて、ストレスなく大会を迎えられる日本は、日本人だけではなく、世界中の参加者にとって「ベストな体調を作りやすい環境」であるのは間違いない。東京五輪で日本人だけが有利になることはない。

この20年、選手の育成が出来ていない根本的な理由は、勝たせることが出来る指導者がいないことだ。小出氏、藤田氏、鈴木氏のように世界で活躍できる選手を育成する指導力を持った指導者がいない。それが全ての原因である。

東京五輪の長距離種目では、アフリカ勢は勿論、ヨーロッパ勢も活躍するだろう。アメリカ勢も必ず上位争いをするはずだ。現状は、日本だけが置いて行かれている。この状況を、どれだけ真剣に考えているだろうか。

多くの実業団チームが、毎年同じようにアメリカで合宿をして、海外のレースに参戦して、所属企業には、なんとなくやっているように見せているだけで実際には数千万円の経費を使ったのに見合った結果は出ていない。のんびりと海外合宿をして「マイルを稼ぎ」「ゴルフ」をして「ショッピングモールで買い物」をしていては、危機感など感じられる訳がない。

長距離チームコーチ陣たちには、短距離チームコーチ陣の爪の垢を煎じて飲ませたいものだ。

日本長距離界は進化しているか? 〜その1〜 

不思議なことに、国際陸連がワールドランキング制度の導入をするにあたり、「対策が必要」と言っている陸上関係者やメディアがある。

何を今更言っているのだろうか。いかに今までの考えが甘かったか。世界との差は大きいという実情を見せないようにしてきたか。これを機に反省して欲しい。ワールドランキング制度の導入によって、出場できない種目や選手がいるなら、むしろ、それは日本の陸上界の発展に繋がるカンフル剤になるので喜ぶべきである。

「今の日本のレベルでは自国開催の五輪でさえも出場できない種目がある」という現実を日本の多くの陸上ファンに知ってもらった結果、一時的に陸上人気が低迷し、スポンサーが離れても仕方ない。今の日本の選手の大半は「世界との差は、想像以上に大きい」ことを認識できていないので、自分達の力では出場できないことを体験すれば、今まで感じなかった危機感を持てるはずだ。「これはヤバい」と感じたら、そこから這い上がれば良いだけである。

是非「2019世界クロカン結果」をもう一度読んで頂きたい。

本物の実力がなければ、五輪でも活躍できないのは当然のこと。それは、過去に五輪や世界陸上で活躍してきた日本人選手達の実績を見れば、それに値する実力があったのは言うまでもない。

日本の女子長距離マラソン界が世界で勝負できた時代、日本の選手達は、その年の世界ランキングで上位にいた。国内大会での記録と言っても、その時代の選手達の「実力」は本物であった。だから、五輪や世界陸上でも世界ランキング通りの結果が出ていた。

日本の長距離界は進化しているか?〜その1〜

近年の日本人選手の場合、短距離種目以外は、日本国内のレースでは記録が低迷している。先日、熊本で行われた日本グランプリシリーズ第一戦・熊本大会の結果を見ると良く分かる。気象条件に恵まれなかったにしても余りにも記録が悪い。運営側は精一杯大会を盛り上げようとしてくれている。いつも熊本の金栗杯は、とても雰囲気が良く、選手思いの大会である。しかし、選手の実力は「日本グランプリシリーズ」というには、お粗末な結果であった。

日本人選手は、海外の記録が出やすいレースで好記録を出すことが多い。これまでも、何のプレッシャーもない大学の記録会のような雰囲気のレースで湿度の低い気象条件の下で好記録を出してきた。そんな状況下での記録は「本当の実力」とは言えず、五輪や世界陸上などの大舞台では力を発揮できるはずがないのは、長年の歴史から分かっていることである。結局は、日本人選手がダイヤモンドリーグへ出場できるような実力をつけなくては、世界の舞台では到底活躍できない。

ワールドランキングを上げる為には、海外で行われる「格上大会」へ出場しなければならない。「格上大会」への出場資格を得られるだけの実力をつける取り組みは、所属企業任せでは過去20年と同様に何も進歩しない。組織を作る立場である陸連幹部の「本当の能力」も試されている。

間もなくカタール・ドーハで開催されるアジア選手権。今、勢いのある選手を日本代表としてドーハに送り込んだ短距離チームの活躍が期待される。しかし、日本陸連の関係者は、のんびりとスタンドの席に座って短距離チームの活躍に期待して微笑んでいる場合ではない。

東京五輪を前に、今、まさに大きな危機が目の前にあるのをリアルに肌で感じながらアジア選手権を終えて帰国して欲しいものだ。

マラソンを走るには、スピードが必要だ。

男子マラソンで日本記録を更新している選手は、いずれもトラックのスピードを活かした走りをマラソンでもしている。

元日本記録保持者の高岡寿成がトラック種目でも日本記録を持っていたのは周知のとおりである。彼には抜群のスピードがあった。現日本記録保持者である大迫傑もトラック種目で日本選手権優勝などのタイトルを獲得している。二人は海外のトラックレースで何度も「ハイスピードレース」を体験している。どれくらいのスピードがないと世界では通用しないかを肌で感じてきたからこそマラソンでも結果を出せた。

高校から大学時代に1500mと3000mの記録を世界基準に上げることが、その後、5000mと1万mで世界の舞台での活躍に繋がり、最終的にマラソンの好記録にも繋がる。

女子マラソンで日本歴代記録トップ3の野口みずき・渋井陽子・高橋尚子は、いずれもスピードには自信があった。特に渋井陽子の1万m日本記録は未だに破られていない。

American records and Japanese records(アメリカ記録と日本記録)

こんな話があるのをご存知だろうか。

高橋尚子がシドニー五輪で金メダル獲得する1週間前、現地で最終調整として行った10㎞走のタイムは、なんと、30分40秒台。特に狙ったのではなく調整の一環として走り、渋井陽子の日本記録を軽く上回ったという。そういうレベルで走る力があったから世界チャンピオンになれたのである。

もうひとつ、こういう話もある。

5000mの元日本記録保持者でアトランタ五輪5000m4位の志水見千子は、1500mを走っても4分13秒で走るスピードがあった。当時のチームメイトによれば、もし志水が1万mにチャレンジして海外のハイレベルなレースで走っていれば、間違いなく30分30秒を切ったという。では、何故、それにチャレンジしなかったのか。実際に当時のコーチ陣からは1万m挑戦を言われていたそうだが、志水は1万mを専門にしている先輩達に気を遣って走らなかったというのだ。五輪で4位になる力がある選手は、やはり、世界レベルのスピードとスタミナを持っていたということだ。


今、男子1500mに大いに期待できる雰囲気が漂っている。東海大学勢と中央大学勢がスピード強化に果敢にチャレンジして「記録に対する意識改革」が進んでいる。

 
今現在は、アメリカ選手との差も大きいが、数年以内に3分38秒を切る選手は4〜5人出てくるだろう。2024年のパリ五輪までには、3分35秒台まで更新されるとRJJ(Runners-Journal.Japan)は予想している。それだけの素質を持った選手は揃っている。あとは、指導の仕方だ。

RJJが期待している選手の一人に、今春東海大学へ進学した飯澤千翔がいる。入学直後の大会で自己記録を約3秒更新する3分45秒64で走っている。こういう伸び盛りの選手が、タレント揃いの東海大スピード軍団の中で揉まれたら大きく化ける可能性は大だ。



今まで中距離選手が育たなかった理由は、指導者のレベルが低いこと。今までの日本陸連や実業団中距離強化スタッフは、ハッキリ言って指導力が無い。中距離指導のノウハウを持ち合わせていないのに「上から目線」の指導をしてきた。「責任を持って日本記録を更新させる!」という気構えはなく責任も取らない。それでは選手は育たない。結果を見れば一目瞭然である。1977年に石井隆が出した3分38秒24を破った選手は、今日まで二人しかいない。女子に至っては、小林祐梨子が高校生の時(2006年)に出した4分07秒86が未だに残っている。



先週行われた日本グランプリシリーズ熊本大会。男女グランプリ種目である1500m優勝記録は、男子が3分44秒46。女子が4分21秒96。日本記録から遅れること7秒04(男子)と14秒10(女子)。男子は、条件さえ合えば、国内でも3分30秒台のレースが見られる日は近い。

2024年・2028年五輪を見据えて、現在10代の有望選手に海外での経験を多く積ませること。そして、スピードの強化と意識改革を徹底して行うこと。それが重要である。ドメスティックな選手ではなく、ワールドスタンダードな感覚を持った選手の育成こそが「未来のメダリスト育成」に繋がるはずだ。

結論から言うと、スピードだけ追い求めても日本記録は更新出来ない。

何故なら、スピードを追いかけ過ぎることにより、複数年、同じ筋肉を酷使し続けた結果、伸びやかな走りが出来なくなるからである。やたら力んで走るようになり大事なところでスピードアップが出来ない。

日本人がスピード練習をすると、どうしても走りが硬くなる。日本人は国民性というか生まれながらにして植え付けられている「力み癖」がある。頑張る時には頑張っているような顔をしないと「もっと頑張れるだろ!」とか「やる気がないのか!」と怒られてきた。顔をしかめて苦しい顔をしながら頑張ることが大事だと褒め称えられる文化であった。そういう根性論的な文化の中で育ってくるとレース中一番大事なところで「力み癖」が出る。多くの日本人は、持って生まれたこのような習性があるので、ある一定のレベル以上になると中距離種目には向いていないというのがひとつの考えである。

1500mの日本記録を更新して世界レベルに追いつくには、この中距離選手特有の「力み癖」を失くす必要がある。「力み癖」を失くすのに役立つのが「長距離走」である。

ある時期に徹底して長距離走をすること。それが日本記録をつくるカギだ。

男子1500mの日本記録保持者である小林史和は、高校時代国体5000m14分09秒という記録で走っている。長距離の実績を評価されて大学は小林の高校の先輩である米重修一氏が監督をしていた拓殖大学に進んだ。大学時代は、米重氏の指導方針に対する考え方の相違などがあり、思うような結果を残すことが出来なかった。しかし、4年間、箱根駅伝を走る為に長距離走を行ってきたことが、結果的に1500mのスピード練習にも耐えられる強いカラダを作ったのは間違いない。大学時代に中距離に専念し箱根駅伝用の練習をしていなければ、その後の1500mでの日本記録更新はなかったと当時の関係者は言っていた。

また、小林の高校時代の同級生に800mのインターハイチャンピオンがいる。高校駅伝の強豪校から中距離種目である800mでIH優勝者が出るのは、当時、大番狂わせだと大きな話題となった。高校時代に駅伝練習をしながらスピードにも自信のある仲間と一緒に練習してきたことも、無意識のうちにスピードに対する抵抗感がなくなった要因だと推察できる。

数年間に渡る様々な要因が重なり男子1500mの日本記録は達成されたと考えて良いだろう。

女子の場合は、どうだろうか。下記は、女子1500mの日本歴代10傑である。

  1.4:07:86 小林祐梨子(須磨学園高校)2006.9.24
  2.4:09:30 杉森美保 (京セラ)   2005.4.9
  3.4:10:00 吉川美香 (パナソニック)2007.5.5
  4.4:10:08 陣内綾子 (九電工)   2013.8.3
  5.4:10:39 田村育子 (グローバリー)2002.6.23
  6.4:11:10 弘山晴美 (資生堂)   1994.4.29
  7.4:11:85 藤原夕規子(グローバリー)2002.12.7
  8.4:12:41 飯野摩耶 (第一生命)  2016.9.24
  9.4:12:75 森川千明 (ユニクロ)  2016.9.24
10.4:12:86 早狩実紀 (京都光華AC)  2005.9.19

400m型の選手が3名。長距離型の選手が7名。それぞれ特徴がある選手達だ。

日本記録更新を狙うにあたって、一体、どれくらいの記録を目指すのかを考えてみる。日本記録を世界標準にするには「4分05秒00以内」が第一の目安となるだろう。そのペースで走る為のラップは下記となる。

200m   32秒65
400m      65秒30
800m   2分10秒60
1000m 2分44秒30
1200m 3分16秒00
1500m 4分05秒00

まず、考え方として自己記録が「800mを2分03秒以内」か「1000mを2分38秒以内」の選手であれば、このラップで通過することは可能である。

2分03秒00は、日本歴代8位相当の記録だ。現役選手でいうと800mを2分03秒以内で走れるのは、北村夢、塩見綾乃、川田朱美の3人。1000mを2分38秒で走れる選手は、公式記録上、現在一人もいない。

<4分05秒00を出す為の走力目安>
800m  2分03秒00(200m=30秒75)
1000m   2分38秒00(200m=31秒60)

<現在の日本記録>
800m  2分00秒45(200m=30秒1125)
1000m   2分41秒08(200m=32秒216)

<求められる日本記録>
800m  1分58秒00(200m=29秒50)
1000m   2分36秒00(200m=31秒20)

800mと1000mの日本記録を「1分58秒」と「2分36秒」まで更新させることが出来れば、1500mでの4分05秒00達成が見えてくる。ここで言っておくべきことは、1500mを強くするには、1000mの記録を短縮すること。それが一番の近道だ。勿論、選手のタイプにもよるが、800mでは、まだ半分に近い距離が残ってしまうので、そこからスピードを維持する力を養うのは精神的にもタフになる。たった200mの違いとはいえ、1000mを圧倒的に速く走れる力を持つことは、1500mの記録短縮には欠かせない要素となる。

男子1500m日本記録保持者の小林史和は、1500mを3分37秒42(200m=28秒989ペース)で走るのに対して、1000mは2分19秒65(200m=27秒930ペース)で走る力があった。1500mにおいて1000mのスピードは絶対的なアドバンテージとなる。因みに、小林史和の1000mと1マイル(4分04秒76:室内)、そして、2000m(5分07秒24)は、いずれも日本記録として現在も残っている。


<中距離種目・日本記録保持者の自己記録>
   〜小林祐梨子〜  〜杉森美保〜
100m            12秒02
200m            24秒65
400m            53秒97
800m   2分05秒78    2分00秒45
1500m 4分07秒86    4分09秒30
3000m 8分52秒33    9分17秒51
5000m  15分05秒37
1万m  31分59秒11

杉森は学生時代400mを専門としていてマイルリレーにも出場していたほどのスピードがあった。400mのスピードを活かして中距離種目にチャレンジして800mと1000mの日本記録を更新した。1500mも4分09秒30という記録で走っていることからも着実にスピードを活かした走りが出来ていたと言える。

ここで考えるべきことは、杉森のような400m型のスピードを持った選手と小林祐梨子のように長距離まで対応できる筋持久力のある選手との共通点だ。

杉森は、元々が短距離選手であったので、大学卒業後、駅伝チームである京セラというチームに加わった時点で「長距離走を行う」というポイントはクリアしている。実際に全日本実業団女子駅伝では3㎞区間を走っている。

小林祐梨子については、当時、まだ高校生だったこともあり800mと1500mをメインに走ることが多かった。しかし、高校駅伝で全国優勝を狙うために年数回3000mを走っていた。8分52秒33という高校記録も出している。高校駅伝を走ることによって長距離選手並みの距離を高校時代に踏んでいたことが1500mの記録更新に繋がったと言える。

それでは、いつ「長距離走」を行うかだが、長期的には3年計画の中の20ヶ月を長距離走に充てて、その後の4ヶ月でスピードに移行していく。25ヶ月目から28ヶ月目に実戦練習を繰り返し行いながら記録更新を狙う。

20ヶ月の長距離走メインの時期でもトラックシーズンは当然スピード強化期となるが、距離を走ることを怠ってはいけない。キツくなってからの「力み癖」を失くす訓練は数か月では足りない。ヒトの体は、そんなに器用には出来ていない。「意識しなくても出来る動きを無意識に出来るようになる」訓練は、それなりの期間が必要だ。24ヶ月掛けて「無意識下での力みのない動き」を脳にインプットして初めて実戦で出来るようになる。それが出来てからが記録挑戦へのスタートとなる。

中距離走の上達には、酸素運搬能力の向上、血中酸素飽和度の見極め、筋持久力の強化など様々な科学的な要素が必要なのは前提としてある。しかし、どんなに素晴らしい身体能力を持っていても、それ以前に「力み癖」がある選手は、それを活かすことが出来ずに勝負にならない。大事なのは、勝負所で力まない「行動習性の改善」である。

最後に見本となる選手を紹介したい。ゴール前でもバラバラなフォームにならずに「力みのない綺麗な走り」を実践している選手は、400mのォルシュ・ジュリアンと800mのクレイアーロンだ。

この二人の走りには「ガムシャラに動かしている」という印象がない。いつ見てもラストまで走りが「綺麗」だ。顔をゆがめてカラダを前後左右に揺らして走るような姿を見たことがない。ラストの100mを切ってもフォームを崩さずにゴールまで走り切れる選手。それが、ジュリアンとアーロンだ。この二人は、それぞれの専門分野で日本記録を更新をしてくれるはずだ。その力は十分にある。

1500mの日本記録更新を目指している選手達には、彼らの「メンタリティー」と「行動習性」を学んで欲しい。それが、日本記録達成への鍵となるはずだ。









大迫傑選手が言うように、日本陸連には「お気に入りの選手」がいるのは間違いのない事実。強化委員が監督を務めるチームの選手が優遇措置を受けるのは、これまでも当たり前にあったことだ。

例えば、こんな例がある。平成25年の日本選手権での出来事だ。

この年は、世界陸上モスクワ大会が開催されるため日本選手権は世界陸上代表選考会となっていた。日本陸連は、強化委員が指導している強化指定選手と所属チームの選手数名を選抜して、スタッフ・選手総勢数十名で春からアメリカ・ボウルダーで強化合宿を行った。

約2ヶ月に渡る強化合宿の後、すぐに日本へ帰国せずに、そのままアメリカ西海岸へ移動。パロアルトに滞在して「平地馴化」を目的としたレースに出場してから日本へ帰国した。数か月に渡るアメリカ遠征を行い、数千万円の予算を費やして世界陸上代表選考会への準備をしたのである。

日本選手権の結果は、惨敗。1万mにおいては、陸連の強化合宿に参加せず日本で調整していた新谷仁美選手にまるで歯が立たたない有様。新谷選手は、二位以下の選手全員を周回遅れにするという圧倒的な強さを見せた。派遣基準記録もクリア。新谷選手は世界陸上モスクワ大会の代表選手になった。

問題は、そのあと起こった。女子5000mを走った「陸連の強化合宿に参加した」選手は誰一人として派遣記録を突破出来なかったのだ。陸連が大金を費やして行ったアメリカ遠征。しかし、結果は、一人も成果を出すことが出来なかった。なんという指導力の無さ。計画の甘さ。一般企業なら必ず責任を取らされるような事態である。それなのに・・・である。

莫大な費用を投じて合宿と遠征を行いながら、A標準を一人も突破出来なかったことへの責任を取るどころか、自分達のメンツを保つために、B標準しか突破していない選手を代表に選んだのだ。「B標準記録しか突破していない選手は代表に選ばない」というルールを作った側が、堂々とルールを破るという暴挙に当時は怒りがこみ上げた。その体質は、今も変わっていない。

現在の長距離強化委員幹部も、かつては「こんな陸連の体質ではダメだ。組織の在り方を変えなくてはいけない。」と言っていた。「俺が陸連を変える!」と豪語していた、ある実業団チームの監督も、今は、自分達の利益だけを考える旧態依然の体質と何ら変わらないことをしている。「〇〇さん、あの時の言葉を忘れてしまったのですか?」と声を大にして言いたい。

今のままでは大迫選手だけでなく、他のトップ選手からの信頼も失ってしまう。もう誤魔化しが効かない時代であることを心して組織の運営をして欲しい。身内びいきの組織ではなく「頑張っている選手が正しく評価される組織」であって欲しい。

余談として・・・日本の陸上界には派閥がある。筑波、早稲田、順天堂。現在は、筑波派が力を持っている。日本陸連専務理事、長距離マラソン強化部長(ディレクター)、そして東京マラソンのチーフ・ディレクターは、全て同時期に筑波大に在籍していた極めて親しい関係だ。東京マラソンが盛り上がるのは、日本陸連の協力があるから。スポンサー探しに困らないのも、日本陸連のお墨付きがあるからである。スター選手を参加させることが出来るのも、このトライアングルがあるからに他ならない。今の陸上界において、筑波派は強固な力を持っている。

「早稲田派には苦しい時代となっている」とは、早稲田出身の監督・コーチ陣の弁。その影響が、大迫選手に及ばないことを願いたい。(つづく)

MGC出場選手発表記者会見。瀬古利彦、高橋尚子、野口みずき、神野大地が出演。

「なんでお祭り騒ぎにするのだろうか?」そう思っているマラソンファンは多い。

MGCの功罪〜マラソン界が抱える問題〜にも書いたように、何の知恵も工夫もないままでは、東京五輪での惨敗は目に見えている。代表になった選手が可哀想な思いをするだけだ。瀬古リーダーは、相変わらずお気楽な雰囲気で、負けた時には、その職を降りればいいと考えているだけのように見える。河野ディレクターも同じ。誰からも「日本のマラソン界を何とかして世界レベルに戻すぞ!」という気迫を感じない。「俺が責任を持って強くする!」という気概を感じない。

世界レベルの選手に育てる方法を知らない。世界レベルの選手にするためのロードマップも描けていない。知らないというのは本当に恐ろしいことだ。すべては所属企業と選手任せ。

男子は、森下公一や高岡寿成が現役で指導をしているので、自分達がやってきたことを様々な場面で取り入れることが出来る。しかし、女子マラソンは、時の流れと共に貴重な財産が失われていく。

敢えていうが、日本陸連の強化委員は、有森裕子、高橋尚子、野口みずき、鈴木博美、浅利純子などメダリストの10年分の練習計画を見たことがあるのだろうか。どのようにして強くなっていったのかを知ろうとしたのだろうか。練習日誌の提出を求めて、それをデータ化し「メダリストになることが出来た理由」を分析してみたのだろうか。

あるAIの研究者は「AIを用いて、過去の日本代表選手のデータを読み込ませれば、メダリストになるための”ある法則”にたどり着ける。今までは、監督の頭の中でしか見えていなかったものが、AIの力で可視化できる。みんなが活用できるようになる。」と言っている。

DeNAやGMO、パナソニックなどの一流企業が協力してAI開発すれば、ごく短時間で、余計な強化費を使わなくても「選手をメダリストにする方法」が分かるはずだ。

極端なことを敢えて言えば、メダリストの10年分の練習日誌を1億円出して買えばよい。日本記録更新の報奨金が1億円なのだから、メダルを獲得するために必要なものすべてが入っているメダリストの練習日誌は、同等以上の価値がある。知的財産には大きな価値がある。本気でメダル獲得を目指すなら、それくらいの覚悟と意気込みがないと女子マラソンの復活はない。

元女子実業団選手で日本代表として活躍したある選手は、こう言っている。

「高橋さんも野口さんも、他人事のようにしか思っていないし、本気で日本の女子マラソンを復活させたいなどと思っていないんじゃないかと思う。メディアに出る表情を見て素直にそう感じる。あの二人が本気で日本女子マラソンのことを考えているなら今の状況を見て怒りに震えるはず。私達が成し遂げたことが全く後世に引き継がれていないと怒るべき。」

また別の元日本代表選手は、皮肉を込めて、こう言う。

「あの二人は、自分達が金メダリストだから、心の中では、今の選手達を見下しているんですよ。笑顔で励ましの言葉をかける姿を見ると、見ているこちらが腹が立ってくる。だって本気でそんなこと思っていないから。もし、今、自分達を超える力を持った選手がいたら、あんな風に笑顔で振る舞っていない。もし、2時間10分台を連発するような選手がいたら、顔は笑っていても瞳の奥にはメラメラと燃えるものがあると思う。今は、自分達の実績を脅かす選手がいないから、ああいう余裕の表情をしていられるんです。」

言葉はキツイが素直に本音で語ってくれた。

二人だけではなく、多くのメダリスト達の頭には、メダル獲得に必要なものが入っている。メダリストになるためのノウハウが詰まっている。それを頭の中に隠したままでは、勿体ない。日本の陸上界に育ててもらったのだから、自分達が得たモノすべてを日本の陸上界のために返して欲しい。後輩が育たないことを自分達にも責任があると考えて、今こそ、後輩たちに”勝ち方”を教えて欲しい。

自分達がやってきた練習を1ヶ月でいいから、今の選手達にやらせてみればいい。当時の練習メニュー、当時の設定ペース、当時の自分達の走力を生の言葉で伝えて欲しい。半端な練習ではなかったことを身を持って体験させて欲しい。

自分達が恩師によって見出されたように、今は、まだ実績のない選手でも、将来メダリストになる可能性を持ったダイヤの原石を自分達の目で見出して欲しい。

それが出来たら、あとは、自分達がやってきたように二人三脚で面倒を見ればいい。自分のためにすべてを懸けて全身全霊で指導してくれた恩師のように、今度は、自分が選手と向き合って世界一を目指す挑戦をして欲しい。それが出来ないなら、知識のすべてを譲るつもりでナショナルチームに協力して欲しい。自分達にしか出来ないことを日本の陸上界のために活かして欲しい。

日本のマラソンメダリスト達は恵まれている。収入面でもステイタス面でも、他競技と比べると得たモノは遥かに多い。そうであるからこそ、この二年間は、自分達に出来ることを最大限行って欲しい。特に小出門下生は、亡き小出監督が残してくれたモノを、夢と希望を、夢の実現を、東京五輪でのメダル獲得を、受け継いで成し遂げて欲しい。

「君ならできる」ことを教えて欲しい。それが、今のマラソン界に必要なものであるから。

この現実を多くの国民は知らない。知る由もない。金メダルを獲ろうと獲るまいとマラソンが好きな日本人は沢山いる。「何で金メダルを獲らないんだ!」と怒る国民は殆どいない。みんな温かく見守ってくれる。だからこそ、余計に関係者は甘えてしまう。寛容な目で見てくれる国民と上昇志向を失ったマラソン選手。このサイクルがあるうちは、下記ランキングを見ても危機感を感じることはない。MGCのあと、ランキング入りする選手は増えることが予想される。しかし、だからといってメダル圏内に入る選手は現れないだろう。スーパースターが現れることを期待する雰囲気が高まらない限り本物のワールドクラスランナーは出現しない。

【現在の世界ランキング】

<女子マラソン>※100位内 8人
(順位) (記録)  (名前)(スコア)
 34位 2時間23分52秒  岩出  1194
 40位 2時間24分09秒  福士  1191
 42位 2時間24分19秒  上原  1189
 54位 2時間25分25秒  前田  1178
 55位 2時間25分28秒  谷本  1178
 62位 2時間25分46秒  小原  1175
 71位 2時間26分07秒  池満  1171
 88位 2時間26分47秒  安藤  1165  

<男子マラソン>※100位内 1人
(順位) (記録)  (名前)(スコア)
 85位 2時間08分42秒  山本  1185

日本長距離界は進化しているか?〜その1〜

日本長距離界は進化しているか?〜その2〜

<MGCを最大限に活かす方法>
MGCを開催するなら、同時にインビテーショナルレースを開催し、欧米のランナーとアフリカ勢を招待して試走を兼ねたレースにするのがベストな方法だ。五輪本番のコースを走るメリットがあれば海外選手はやってくる。五輪コースでガチ勝負をして、例え、日本人選手が惨敗に終わっても、相手の強さを知り、自分達との力の差を肌で感じたら、一年後の巻き返しに闘志を燃やす選手が出てくるかもしれない。東京五輪を考えた場合、いきなり本番で惨敗するよりも一年前に惨敗した方が、五輪本番へ向けては、遥かに良い結果を生むだろう。これは、”損して得取れ作戦”だ。それくらい大胆な発想で東京五輪の予行演習をすれば様々なメリットが得られる。最大のポイントは、コースへの適性を見極められること。五輪コースに強い日本人選手が出てくる可能性はある。走りやすい東京マラソンのコースとは違い、レース後半にジワジワとキツさがやってくる五輪コースは、現在、国内で行われているマラソン大会の中で最もタフなコースだ。30㎞を過ぎてからやってくる、あの坂を勢いよく駆け上っていくような、五輪コースに、めちゃくちゃ強い選手が出てきても何ら不思議でない。そういう戦略的発想を持つと選手自身の盛り上がりは勿論、日本国内の期待も高まる。このままジッとしていても惨敗するなら”損して得取れ作戦”を試した方が、一年後の結果が良くなる確率は高い。日本人だけで五輪コースを走って順位をつけても何の意味もないことは、多くの国民が分かっている。分かっていないのは、日本陸連関係者のみ。お祭り騒ぎのイベントにするよりも、外国人選手との競り合いの中で、駆け引きが上手く五輪コースに適性がある選手を見つけることの方が遥かに意味のある大会になる。今こそ、日本陸連の発想力が試されている。

【男子10000mA】TOP8
1.27:57.10 Muthoni Muiru  (創価大)
2.27:57.14 田村和希   (住友電工)
3.27:57.41 大迫 傑   (Nike)
4.27:58.84 Peter Langat  (SGHクループ)
5.28:03.93 鎧坂哲哉   (旭化成)
6.28:08.34 佐藤悠基   (日清食品G)
7.28:08.71 Shimon Kariuki (戸上電機製作所)
8.28:15.36 Magoma B Mogeni(旭化成)
 
【女子10000mA】TOP8
1.32:02.20 Grace M Kimanzi(スターツ)
2.32:07.68 Martha Mokaya (キャノン)
3.32.26.20 堀 優花    (パナソニック)
4.32:53.30 加藤 岬    (九電工)
5.32:56.87 松下菜摘    (天満屋)
6.32:58.60 林田みさき   (豊田自動織機)
7.33:03.13 山ノ内みなみ  (京セラ)
8.33:09.88 関谷夏希    (大東文化大)
 
【男子5000mA】TOP8
1.13:44.41 Alex Cherono  (トヨタ自動車)
2.13:45.94 浦野雄平    (國學院大)
3.13:47.77 長谷川柊    (専修大)
4.13:50.50 Philip Muluwa  (創価大)
5.13:53.46 Donald Mitei    (中電工)
6.13:58.34 Meshack Munguti (NDソフト)
7.13:59.61 市川孝徳    (日立物流)
8.13:59.67 荻久保寛也   (城西大)
 
【女子5000m】TOP8
1.15:21.40 鍋島莉奈   (JP日本郵政G)
2.15:24.51 Hellen E Lobun(豊田自動織機)
3.15:28.13 萩谷 楓   (エディオン)
4.15:32.86 木村友香   (資生堂)
5.15:38.50 佐藤早也伽  (積水化学)
6.15:46.52 西原加純   (ヤマダ電機)
7.15:51.86 廣中璃梨佳  (JP日本郵政G)
8.15:53.30 筒井咲帆   (ヤマダ電機)

この記録なら、北海道まで行く意味はない。

予定調和に大会を開催しているだけでは、好記録など出るはずがない。

真新しさも、そこへ懸ける意気込みも、すべてが欠けている。

何故、世界の進化から置いて行かれるかというと、その答えは、明確だ。

日本の選手は、記録を出しても出さなくても何も世界は変わらない。

明日の食事も寝る場所もない選手が、生きる為に死に物狂いで走る国ではない。

日本の選手達は恵まれ過ぎていて、頑張る意欲が圧倒的に低い。

「ここで頑張れば、明日からの生活が激変する。だから絶対に勝つ!」

そういう気持ちになれない環境が、指導者と選手の質を低下させている。

そもそも、マラソンを主とする選手とトラック選手が同じレベルで競っていてはダメだ。

選手と指導者の両方が、レベルを上げる為に、何かが大きく変わることを期待したい。







(Men's 5000m | Diamond League London 2019! IAAF by Running moments)

壁を作ってはいけない。壁など存在しない。

日本人は、身体能力が劣っているから勝てないというのは、妄想である。

日本人だからと言って勝てないことはない。日本人選手だって勝てるようになる。

日本人選手でも、やるべきことをやれば、必ず戦える。

それは、自分達に力が無いことを認めたくないことの言い訳にしか過ぎない。

近い将来、日本人選手が13分切りを達成する日は、必ずくる。

それには、すぐにでも始めなければならないことがある。

日本の中高生のレベルは、世界レベルにある。ジュニア期の選手は、強い。

しかし、そこからの伸ばし方を知っている指導者が、日本に居ないだけである。

高校生で14分10秒を切った選手は、海外を拠点とした生活を5年以上させること。

数か月間、行ったり来たりする中途半端な生活ではダメだ。

覚悟を決めて、腰を据えて。18歳から海外に飛び出し生活をする。

そして、海外のコーチやチームと一緒にトレーニングをする。

今までの「凝り固まった意識」を「世界の常識」へと「意識改革」をする。

その為の期間は、数か月では意味がない。

長期間掛けて、日本人の意識を変えていかなければ12分台は見えてこない。

もし、それが、来春から実現実行できれば、日本長距離界の歴史が変わる。

2024年〜26年に12分台の選手が複数人誕生することも現実味を帯びてくる。

他の競技では「組織改革」が進み、徐々に変化が起きている。

旧態依然とした組織の在り方を変えることを実行している競技が幾つかある。

「組織改革」が進めば「強化方針の見直し」も行われる。

新たな取り組みが功を奏して世界的なアスリートを育てている競技もある。

陸上競技、特に長距離界の「組織改革・意識改革」は圧倒的に遅れている。

発想力がない。企画力がない。実行力がない。実行スピードが遅い。

これが、日本長距離界の進化を遅らせている。

選手達は、盲目的に「言われるまま」に合宿や遠征をやらされている。

誰も「世界」を知らない。誰も「世界レベルの指導法」を知らない。

自分達に世界レベルの知識がないことを隠したまま、口先番長になっている。

だから、誰も結果責任を取ることもしない。

選手達は真面目だから、自分達に力がないと勘違いをしてしまう。

選手達に言いたい。本気で世界を目指すなら、指導者を選びなさい。

日本に本物の指導者がいないなら、海外へ行って指導を受ければいい。

今の時代、企業に所属していなくても、SNSやyoutubuで資金を集めれば

数千万円から1億円の資金は集まる。スポンサーは幾らでも見つかる。

本気であれば、支援してくれる企業、応援してくれるファンは集まる。

それは、プロデュース力の問題だから、専門家に任せれば良い。

もう一度、強く言いたい。18歳までに一定の記録を出した選手は海外へいくべき。

男子は5000mを14分10秒以内、女子は3000mを9分10秒以内。

この力があれば、その後、海外で5年以上経験を積めば、世界レベルに近づく。

少なくとも、国内にいるよりも、ずっと可能性は高い。

日本人長距離選手が、ダイヤモンドリーグで先頭争いをする日は、必ず来る。

そう信じて、陸連の「組織改革」と選手の「意識改革」が進むことを期待している。

レースの結果から見る、男子マラソン選手の「本当の実力」。

東京五輪コースに適した走りをする選手は、中村選手と服部選手。

この二人は、あのコースに強いという事が証明された。それは、間違いない。

しかし、逆に、こう考えることもできる。

あのコースに不向きの走りとされた大迫選手が、あれだけ競り合えた。

箱根駅伝を例えにすると意味が良く分かるはずだ。

山登りの選手と山下りの選手、1区に向いている選手は、それぞれタイプが違う。

万能型の選手はいない。山登りに強い選手は、平地では力を発揮できないことが多い。

平坦なコースに強い選手が、起伏の激しいコースでは、苦戦することもある。

平坦なコースでは、殆どの選手が、大迫選手のスピードには対応できない。

しかし、レース後半にこれだけ起伏のあるコースでは、立場が逆転する。

大迫選手は本当に良く走った。力任せに走っては力を出せないコースでも大健闘した。

そう考えれば、大迫選手の東京五輪に懸ける想いの強さが分かるだろう。

本来なら、大差をつけられても仕方ない不利な状況を克服しての大激戦。

正しい目で今回のレースを分析できる専門家から、このような言葉が聴けた。

「大迫選手の実力は、中村選手と服部選手よりも最低でも1分30秒速い」

「このコースで競り合えたなら、海外のマラソンでは別次元に速い」

「シカゴやベルリン、国内なら東京の高速コースなら、2分以上速い」

「もし、大迫選手が東京五輪代表に選ばれたら、進化した走りが楽しみである」

「中村選手と服部選手の伸びしろよりも大迫選手の伸びしろに期待する」

「最もメダルに近い選手を挙げるなら、大迫選手であるのは間違いない」

そのように解説してくれた。とても興味深い話が聴けた。


<男子マラソン選手・世界で通じる実力ランキング>
  1.大迫 傑    世界で通じるスピード
  2.中村匠吾    起伏のあるコースへの対応力
  3.服部勇馬    大崩れしない安定感
  4.設楽悠太    高速コースへの適性
  5.鈴木健吾    次世代の有力選手の筆頭
  6.大塚祥平    大化けする可能性大
  7.中本健太郎   堅実な走りが魅力
  8.橋本 崚    伸びしろ十分なダイヤの原石
  9.竹ノ内佳樹   急成長する可能性を決めた素材
10.藤本 拓    新たなステージへの進化に期待


中村選手と服部選手以外の選手にも、まだチャンスがある。

MGCファイナルチャレンジでの代表入りに期待がかかる。

例え、東京五輪の代表になれなくても、次のパリ五輪がある。

鈴木健吾選手は、次のパリ五輪での代表の入りの可能性も期待できる。

次の時代を背負うだけの力が、鈴木選手にはある。

もう一人、期待の星がいる。堀尾謙介選手だ。

今回、MGCに出場してガチ勝負の五輪選考会を経験できたことは大きい。

堀尾選手も次回の五輪に向けて大きな期待が膨らむ。

日本代表選手として世界の舞台で活躍する可能性を秘めた選手の一人である。


一方、今回、国民の期待を裏切った選手は、この二人。

井上大仁選手と神野大地選手に本当の実力がないことを知らしめる結果となった。

基本的な脚つくりが出来ていない。それは、走り始めてすぐに分かった。

特に神野選手は、もう一度、ゼロから鍛え直さなければ成長できない。

陸上のことを知らない素人トレーナーのアドバイスではマラソンは走れない。

フォームの改造などと言って”中学生程度のこと”をしていては勝てない。

やっていることが幼稚。そもそも、マラソンを走る基本が間違っている。

神野選手がすべきことは、フォームの改善やカラダつくりではない。

目立つことをしないでコツコツと地道に走り込む重要性を理解しなければならない。

本気でマラソン選手として大成したいのなら、武富監督の門を叩くべき。

師事を仰ぐなら天満屋の武富監督だ。日本で一番のマラソンを知っている指導者。

武富監督に教えて貰うことが出来たら、必ず走れるようになる。

マラソンで成功したいのなら、マラソンを知っている指導者のもとへ行くしかない。


もう一人のプロランナー川内優輝が走っていても2時間15分は切れなかった。

川内がベストな走りをしても、15位にすら入れていない。

実力があり、自信があるなら、MGCから逃げたりはしない。

自信が無いから逃げたのは明確な事実だ。

ドーハ世界陸上で入賞をしたとしても、それに価値はない。

プロランナーとして「お金稼ぎ」をするためのキャリアを積んだにすぎない。

日本のトップ選手がガチ勝負をするMGCから逃げたことの意味は大きい。


現在の男子マラソン選手の世界で通じる実力ランキングは、上記の通りだ。

今回のガチ勝負を見て、今後、新たな芽が出てくることを期待する。

MGCファイナルに懸ける選手達の走りにも大いに期待をしたい。

男子マラソンで日本記録を更新した設楽悠太と大迫傑は、自己流を貫いている。

チームには所属しているが、指導者にすべてを託して教え受けている訳ではない。

基本的に活躍するのは自分の力というスタンスで今日に至っている。

一時期、日本のトップ選手としての地位を築き活躍した川内優輝も自己流で強くなった。

指導者とは一体なんのために居るのだろうか?

指導者の役割とはなんだろうか?

指導者の影響力はどこまであるのだろうか?

MGCで五輪代表の座を掴んだ中村匠吾と服部勇馬は、指導者との繋がりが深い選手。

基本的に指導者の言うことを言われるがままに淡々と行うスタイルと考えてよい。

MGCで結果を出したのだから、それはそれで高く評価できる。

しかし、五輪本番では、アフリカ勢のスピードに対応できるかどうかは疑問符がつく。

東京五輪のマラソン・競歩は、札幌での開催が決まった。

最初からハイペースになる可能性が出てきた。

あるいは、10㎞過ぎまではスローペースで進み、その後は一気にペースアップする。

そんなレース展開も予想される。

そのペースアップに日本人選手が対応するのは難しいと考える専門家は多い。

対応出来るとしたら大迫傑か設楽悠太。やはり彼らのスピードは武器になる。

こういう選手を世界の舞台で戦わせなくてはいけない。

どんな時も最速選手は五輪代表に入れるというルール作りも必要ではないだろうか。

五輪前年と実施年に日本記録を保持していれば五輪代表の3枚目の切符を掴める。

そういうルールもあってよい。そうすれば日本記録更新への意欲は更に一層高くなる。

世界との差が縮まらない理由のひとつには、日本陸連強化委員の発想力の欠如がある。

専務理事と強化委員長は飾りだけの存在だから、居ても居なくても関係ない。

ディレクターやプロジェクトリーダーと呼ばれる人物は、カッコばかり。

自分達の無能さを理解していない。自分達が立派なことをしていると勘違いしている。

現役の選手達に言いたい。今の日本陸連長距離強化に携わる人間で優秀な人材など皆無。

世界のレベルを知らないし、どう近づけるかも分かっていない。

形だけの組織作りをして、メディア向けの強化方針を立てる。

東京五輪開催が決まってから、日本の長距離界はどれほど成長しただろうか。

世界と戦えるだけの人材を何人育成したのか。

世界で戦えるだけの育成システムを構築できたのか。

世界で戦えるだけの将来性のある優秀な人材を確保できたのか。

東京五輪開催が決まってからの日本記録更新は、男子マラソンのみ。

その記録更新者は、自己流を貫く大迫傑と設楽悠太。

この現実を日本陸連関係者は、どのように理解しているのか。

自分達の力不足を自覚しているのか。責任を感じているか。

危機的状況にある日本長距離界を立て直す術を持ち合わせているとは到底思えない。

すべての責任を所属企業と選手個人に押し付けて自分達は責任逃れしているだけ。

来年の東京五輪で結果が出なかった場合、河野D・瀬古PRは、どう責任を取るのか。

「自分達の認識の甘さ、能力不足が原因です。すみませんでした」

そう国民の前で謝罪し、今の役職から降りる覚悟は出来ているのか。

「自分達の代で陸連の悪しき慣例をなくし、選手育成を主とした組織を作る」

そう意気揚々と言っていた、かつての姿は見られない。

東京マラソンをはじめとると大都市マラソンを成功させたから立派なのではない。

様々な新しい取り組みをしているから陸上界を革新的に成長させたのでもない。

日本の長距離界が発展をしたのは1980年代から1990年代。

その土台があって2000年の金メダル獲得に繋がった。

智恵を持たない烏合の衆では、何十年かかっても成長などできない。

たった一人の情熱溢れる人物の登場が組織を変えて陸上界を変える。

その人物が誰であるかを良く考えて周囲を見渡してみると良い。

身近なところに「日本の長距離界を変えることができる人物」は居る。

35年前から今日に至るまで、日本長距離界は進化しているのだろうか。

2020年東京五輪の結果を見れば、日本長距離界の成長度が分かる。

瀬古リーダー自身は、現役時代に日本国民の期待に応えて活躍してくれた。

この映像から30年以上が経過して、未だに男子5000mの日本記録は13分台。

とっくに12分台の記録が出ていなければならないのに。

マラソンも同じ。日本記録は更新されている。しかし、世界との差は開く一方だ。

何が足りないのか。何を改革しなければならないのか。

今年は、それを考えるきっかけになるだろう。

日本長距離マラソン界が再び世界のトップに立つ日がくることを大いに期待したい。
 
(1985年 パリ国際陸上 瀬古利彦選手 5000m by TAKE1500)


今の日本陸上界に求められるのは、「ハイスペック」な選手。

運動能力に優れている他競技の選手が、本気で陸上競技をやってくれたら、現在の日本記録は、もっともっと高いレベルに引き上げられるだろう。

中学時代に短距離が得意な選手が「野球」を選んだり、長距離が速い選手が「サッカー」を選ぶことは多々ある。陸上競技をして欲しいと関係者が説得しても、迷わずに他競技を選ぶ選手は多い。勿体ないと言えば、勿体ない。その選手達が、そっちの分野で大きく活躍しているかというと現実的には、そうでもない。陸上をしてれば…と思うことは、頻繁にある。

他の競技をしていた選手が高校から陸上に転向して活躍している例として、高校駅伝強豪校の監督が、こういう話をしてくれた。

『中学まで別の競技をしていた選手が、高校から陸上・長距離を行う場合、男子は、元水泳選手やテニス選手が速くなる確率が高い。女子は、元バスケ選手が一気にトップレベルの選手になることも少なくない。元野球選手は、意外に伸びないかもしれない。野球の性質上、カラダの使い方に癖があるので、それを治すことが難しかったりする。元サッカー選手は、自分が勝てるうちは良いが、日々の練習で他の選手に負け始めるとあっさりと辞めてしまう傾向があるかもしれない。』

上手くいかないのは、どの競技でも同じ。競技選択は8割ギャンブルであると言って良い。

指導者との出会い次第であるとは思うが、それでも、スポーツ万能のハイスペックな選手が、陸上競技を選んでくれたら、日本の陸上界が大きく進化する可能性は高い。


(武井壮☆陸上100m!9秒台日本人3人が相次いで突破!10秒の壁とは何だったのか!by あましおチャンネル)

どの競技でも世界的に活躍するアスリートが出て来てほしい。でも、願わくば、陸上競技を選んでくれて、高いレベルで自分の可能性を試してほしい。

そうすることによって、今ある「記録の壁」が次々と破られていくことを期待したい。

データを見れば、日本の長距離界が進化しているとは言えない現状が良く分かる。

日本長距離界は進化しているか?〜その3〜にも書いたように、日本の長距離界は世界から大きく遅れをとっている。トラック種目は、更に進化の速度が遅い。

    【男子5000m歴代10傑】
  1.13分08秒40 大迫 傑 (2015年7月18日)
  2.13分12秒63 鎧坂哲哉 (2015年7月18日)
  3.13分13秒20 松宮隆行 (2007年7月28日)
  4.13分13秒40 高岡寿成 (1998年8月1日)
  5.13分13秒60 佐藤悠基 (2013年7月13日)
  6.13分18秒32 三津谷祐 (2007年5月26日)
  7.13分19秒00 竹澤健介 (2007年7月28日)
  8.13分19秒62 村山紘太 (2015年5月9日)
  9.13分21秒49 上野裕一郎(2007年7月28日)
10.13分22秒12 入船 敏 (2001年7月14日)


    【女子5000m歴代10傑】
  1.14分53秒22 福士加代子(2005年7月8日)
  2.15分03秒67 弘山晴美 (1998年8月5日)
  3.15分05秒37 小林祐梨子(2008年10月18日)
  4.15分06秒07 赤羽有紀子(2008年7月13日)
  5.15分08秒29 鈴木亜由子(2015年8月30日)
  6.15分09秒05 志水見千子(1996年7月28日)
  7.15分09秒96 絹川 愛 (2011年6月12日)
  8.15分10秒20 新谷仁美 (2012年8月7日)
  9.15分10秒91 鍋島莉奈 (2018年5月26日)
10.15分11秒42 早狩実紀 (2005年7月23日)

    【男子10000m歴代10傑】
  1.27分29秒69 村山紘太 (2015年11月28日)
  2.27分29秒74 鎧坂哲哉 (2015年11月28日)
  3.27分35秒09 高岡寿成 (2001年5月4日)
  4.27分35秒33 中山竹通 (1987年7月2日)
  5.27分38秒25 佐藤悠基 (2009年4月24日)
  6.27分38秒31 大迫 傑 (2013年4月29日)
  7.27分39秒95 村山謙太 (2015年5月9日)
  8.27分40秒69 宇賀地強 (2011年11月26日)
  9.27分41秒10 三津谷祐 (2005年6月29日)
10.27分41秒57 宮脇千博 (2011年11月26日)

    【女子10000m歴代10傑】
  1.30分48秒89 渋井陽子  (2002年5月3日)
  2.30分51秒81 福士加代子 (2002年10月8日)
  3.30分56秒70 新谷仁美  (2013年8月11日)
  4.31分09秒46 川上優子  (2000年7月1日)
  5.31分10秒02 絹川 愛  (2011年6月22日)
  6.31分15秒34 羽鳥智子  (2004年4月21日)
  7.31分15秒34 赤羽有紀子 (2008年6月27日)
  8.31分16秒48 山ノ内みなみ(2018年12月8日)
  9.31分18秒16 鈴木亜由子 (2016年5月1日)
10.31分19秒40 鈴木博美  (1996年6月9日)

男女の5000mと10000mの日本歴代記録を見て欲しい。過去2年でランキング入りしたのは、女子10000mで8位に入った山ノ内みなみだけだ。この現在の状況を多くの国民は知らない。いや、気にも留めない。興味がないのは明らかだ。興味がない理由は、スター選手がいないから。話題になる選手がいない。だから、興味を持たれない。

短距離選手が、2020年に合わせて記録を塗り替えているのに比べて、長距離選手の進化は、ゼロに近い。一体、この5年間、陸連関係者は何をしてきたのだろうか。マラソンに力を入れているからではない。大迫傑がマラソンに移行したとしても、若手は山ほどいるはずだ。

箱根駅伝で活躍した選手達は、一体、どこへいったのだろうか。どこで何をしているのだろうか。いつまで待てば成長してくるのだろうか。この5年間に箱根駅伝で活躍した後、日本のトップレベルで活躍している選手の名前を何人言えるだろうか。

一般の方でも知っている陸上選手と言えば、大迫傑、川内優輝、設楽悠太、神野大地・・・これくらいの名前しか出てこない。サッと出てくる名前は、瀬古、宗兄弟、中山、谷口・・・この状態で本当に良いのだろうか。良いはずがない。まさしく危機的状況にある。

果たして、この2年で日本記録を更新して歴代記録リストに名前を刻む選手が何人出てくるだろうか。チャンスは、「今」である。一人でも多くの選手が、先輩達の名前をリストから外して、自分の名前を残す気概を持って欲しい。君たちならできるはずだ。

↑このページのトップヘ