ランナーズ・ジャーナル JAPAN (Runners-Journal.Jp)

事実に基づいた「真実のコラム」を掲載しています。今だからこそ伝えたい「本当のこと」をありのまま伝えたいと思います。

カテゴリ: 陸上競技指導

記録の壁、世界の壁、アフリカ勢の壁、様々な壁を感じるから世界との差は縮まらない。

壁を無くすには、感覚を麻痺させることが最も手っ取り早く結果を出せる方法である。

④感覚を麻痺させる
亜細亜大学が箱根駅伝で優勝する為に行った秘策がある。それは、距離に対する不安や練習時間確保に対する不満を解消する為のモノで、それまでの監督は、行っていなかった練習だった。当時、亜細亜大学駅伝チームの指揮を執っていた岡田監督が取り入れたのは、朝練習として寮から学校までを走って通学させることだった。その距離、おおよそ20㎞。ほぼ箱根駅伝の区間距離と同じだった。朝練習をしてから通学すると一限目の授業に間に合わない。だからと言って朝練習をしないのでは練習不足になってしまう。どうしたものかと迷った挙句、岡田監督がアドバイスを求めたのが小出監督だった。岡田監督と小出監督は、ニコニコ堂とリクルート時代からの旧知の中で一緒に合宿をしたり、日の丸を付けて世界と戦ったこともあった。亜細亜大学で指導することになった岡田監督は、東京で小出監督と会食しながら思い切って問題点を幾つか相談した。その中のひとつが、現状のままでは十分な朝練習が出来ないという問題であった。小出監督は、ニコニコ笑いながら、こう答えた。「岡田さん、そんなの簡単だよ。寮から学校まで走らせたらいいんですよ。箱根駅伝は、20㎞全力で走らなくちゃいけないんでしょう。だったら朝練習が丁度いい練習になる。毎朝、学校まで20㎞近く走ったら、それだけで学生は強くなりますよ!」。岡田監督は、半分驚きながらも「なるほど〜。そういう手があったか。うん。それをやらせてみよう」と心に決めた。着替え、教科書、朝食などは、マネージャーに車で運ばせた。以前と比べて圧倒的に距離を踏めるようになった。朝練習を変えたら心と体のスタミナの両方を鍛えることが出来た。「20㎞を走る」のが特別なことではなく、毎朝当たり前にしていることになった。タフな精神力が自分達の武器となった。目から鱗が落ちる方法で20㎞走ることへの感覚を麻痺させた結果、箱根駅伝優勝への土台を作った。これは、ほんの一例である。箱根駅伝で優勝するチームを作るには、過去のイメージのままでは無理。過去の先輩達が作ったチーム。他大学と同じ感覚でいるチーム。それでは、勝つことができない。今までにない感覚で自分の能力を高める練習を行う。今までにない感覚でチーム力の底上げをする。今までにない感覚で箱根路を快走するイメージを作る。全てにおいて感覚を麻痺させることが出来れば、今までにない最強の自分&チームを作れる。それが、将来、メダルを目指す時に必要な最高の武器となる。

〜「⑤出来るイメージを作る」へ続く〜

日本の選手が抱える潜在的な問題のひとつに常識にとらわれ過ぎているという点がある。

③常識を打ち破る
日本の選手が合宿や遠征へ行ってロードを使用してのトレーニングをする際、スタッフは、まず何よりも先に練習コースの距離測定をする。そして、距離走やインターバルトレーニングを行う為に出来るだけピッタリと距離測定しようとする。その理由は、「このコースの距離は本当にあっていますか?」と選手から指摘されるのを避けるためだ。選手には、様々なタイプがいる。言われたことを素直に信じて「はい、分かりました」と実直に練習する選手がいれば、殆ど何も考えずに「まっ、いいかぁ」と良い意味で大雑把な性格の選手もいる。1秒や1メートルにこだわり全てに超細かい選手もいる。特に練習記録に対して神経質になる選手は少なくない。そういう選手は、1㎞なら1㎞をピッタリと計測していないと「記録が違います!」とガミガミ文句を言って来ることもある。日本国内ならキロメートル単位で距離測定ができるから、まだ良い。問題は、海外遠征をした際の適応力。臨機応変に海外環境に対応できる力があるかどうか。海外では、距離表示がマイルの場合もある。それを「日本と同じようにキロメートルじゃないと感覚が分からない」と言って「1㎞単位に測定し直して欲しい」と言ったり、誤差が生じないように「ピッタリと距離を測って欲しい」など言ってくる。そんなことに拘るのは、日本人選手だけだ。例えば、1㎞のタイムトライアルをする際。その距離が1030mであったら選手は血相を変えてスタッフに食ってかかる。キレ気味に「ちゃんと計測してくれなきゃ練習する気にならない!」と言ってくる。そもそも、その考えが間違っている。自分の固定概念に捉われている。1000mが1030mであっても何の問題もない。1100mでも1200mでも全然関係ない。「一定の距離を速く走った方が勝ち」。それが陸上競技の根本である。距離が何メートルであっても練習に支障をきたすことはない。陸上競技は、スタートからゴールまでを他者よりも速く走れる選手が勝者となる。その考え方さえ正しく理解していれば、トライアルの距離が1030mであっても、その距離での自己最高を作れば良い。前回よりも速く走れば良い。誰よりも速く走れば良い。その上で参考として、あとから1000mに換算した記録で自分の調子を把握すれば良いだけである。インターバルも同じ。ピッタリと1㎞である必要などない。一定距離を安定して繰り返し行って持久力を養えば良いだけである。何も難しくないし、どんな状況下でも思考に柔軟性を持たせて臨機応変に走れば良いだけである。それが、出来てこそ世界のトップ選手達と肩を並べて走れるようになる。もうひとつ。日本の選手は、キレイに整備された舗装道路を走るのに慣れているので路面状況が悪いコースでは、パフォーマンスが著しく低下する。不整地やクロカンは、ビックリするくらい苦手。「走り難い」「自分には合わない」などと言って不整地での練習を避ける。いつでも、どこでも、どんな状況下でも言い訳を用意することなく、その瞬間に最高のパフォーマンスを発揮する思考力を養う。日本人に分かり易い距離表示であるとか、走る環境が綺麗に整備されていなくては嫌だとかをいちいち気にしないおおらか心を養う。練習に対する固定概念を打破し、世界で戦うための意識改革を行う。海外選手と同じ感覚を持つ。日本人の常識を打ち破る。それが未来のメダリストになる為の大きなカギとなる。

〜「④感覚を麻痺させる」へ続く〜

12月の日本選手権を走ったから駅伝では快走できなかったという言い訳。

それを許容するかのような「ピークを合わせるのが難しい」という論調。

ハッキリ言うが、本当に力があれば、月に2回でも3回でも全力で走れる。

元順天堂大学の監督で陸連専務理事でもあった澤木氏の見解も間違い。

早稲田大学のダブルエースも実業団選手達も「ただ単に力が無い」だけだ。

そんな論調をするから日本長距離界のレベルが低下していく。

誰一人として「どうして2本走れないのか!走れて当然だろう!」と指摘しない。

箱根駅伝に出場するような大学は、コンディショニングサポートは徹底している。

ピーキングスキルのあるサポートスタッフは、どのチームにも複数人いる。

実業団チームともなれば、選手もスタッフも特別な技能集団である。

走ることと教えることを生業にしているプロの集まりである。

だからこそ素人みたいな論調で「ピークを作る難しさを感じた」と庇うのは間違い。

「そんな弱々しくて世界で通用するのだろうか?」

「そんなヤワやカラダでは、五輪メダリストなんか永遠に無理!」

「高校時代の実績で高く評価されているが実際には大したことないのか?!」

そんな風に疑問を投げかけてタフな選手へと周囲が導かないと選手は強くならない。

力を出し切れずに期待通りに走れなかったことを正しく指摘するメディアであるべき。

中央大学の吉居選手が快走できなかったのは、ピーキングではない。

中央大学のレースの流れが悪かったから。

あんなに後方で襷を受けて優勝争いにかすりもしないのでは、力など出せない。

順天堂大学の三浦選手が区間賞を獲れなかったのは、雰囲気に負けたから。

自分の力を最大限に発揮できる最適なペースでレースを進めれば良かった。

しかし、中学生でも走れるスローペースになり、最後は、ビルドアップ合戦。

あんなレース展開なら実力に関係なく誰にでもチャンスが出来て当然。

早稲田大学の中谷選手が快走できなかったのは、走るカラダに仕上がっていないから。

トラックでは誤魔化せるが20㎞以上の距離を走る箱根駅伝では通用しない。

トラックでは、自己記録を更新しているが、それは、ギアに頼っている部分が多い。

真の実力は、まだ少しも出せていない。土台がないからセンスだけで走っている。

もし、実業団選手並みにカラダを作って仕上げたら遥かに良い走りをするだろう。

日本選手権を走った学生達が箱根駅伝で快走できなかったのは、ピーキングではない。

今の時点での実力だと考えるのが、正しい目を持った論調である。

ニューイヤー駅伝も同じである。

選手が快走できなかったのは、ピーキングの問題ではない。

力がない。もしくは、メンタル面で調子を高めるモチベーションを維持出来なかったから。

旭化成の相澤選手が駅伝を走らなかったのも当然のことだ。走る必要などない。

力のある選手は、他にも揃っているのだから、その選手を使えば良い。

日本記録を更新した相澤選手を連戦させる意味は全くない。

意味を持たせるとしたらテレビ的に話題となる。それだけのことだ。

物事は、もっとシンプルに考えるべき。理屈ではない。

「ピークの波を2回作る難しさがあった」

そんな難しいことではない。そんなカッコイイことでもない。

ただ単に2回走れる力が無いだけ。気持ちの維持ができないだけ。

月に2回、大きなレースが重なったとしても安定感ある走りを見せてくれる選手。

そういう選手を作るのは、指導者だけの仕事ではない。

メディアの力を借りてタフで、強くて、カッコイイ選手を作り上げる。

そういう文化を皆で協力して作って欲しいと強く願う。

第二弾は、選手が抱く「限界」について紹介したい。

②限界を無くす
かつて実業団チームのコーチをしていた方から聞いた話である。人の「限界」の捉え方は、極めてシンプルである。今の自分が出来ることと出来ないことで「限界」の境界線が分かれている。それは、他者の価値基準で判断されてしまうことが多い。しかも身近な人の価値で「限界」が決まってしまう。ある小学生の女の子が「100mを12秒5で走りたい!」と笑顔で語ったら、所属チームのコーチ達から「バカだなぁ!無理に決まってるだろ!」と一蹴されてしまった。ある中学生の男の子が「僕は、足の速さを活かして、将来、ラグビー選手として明治大学に入りたい!」と担任に伝えたら「お前は、背が小さいし、学力も低いから明治大学でラグビーなんて無理だよ」と夢を諦めるように言われた。殆どの場合、人の「限界」は、他者によって決められてしまう。どうすれば出来るようになるか。どうすれば目指したいレベルまで能力を高められるか。どうすれば夢は叶うのか。それを一緒に考えてくれる人が身近にいれば良いが、大抵の場合、自分の「限界」は、他者から植え付けられてしまう。それは、担任かもしれないし、部活顧問かもしれない。一番の理解者であるはずの家族が「おまえには、無理だ」と決めつけてしまうこともある。そうして、夢を諦めてしまう。今、成功している人の中には、逆にプラスの影響を受けた人もいるだろう。「おまえには、これが向いているんじゃないかな」と気付かせてくれたり、「こっちの道に進んだ方がいいからチャレンジしてみたらどうか」とアドバイスされたのがきっかけとなって新たな可能性を発見することもある。別の見方で「限界」の定義を考えると天才型と努力型という考え方もある。何でも器用にこなし難易度の高いことを一発で出来る人と何度も何度も失敗を繰り返しながら出来るようになる人もいる。自ら「限界」を作らずに何度もチャレンジして成功を掴んだり、不可能を可能にしてみせたりした人は、強い人間になれる。くじけずにやり遂げる心を養えば本当の強者になれる。何でも器用にこなせるがあまり努力する経験をせずに育ってしまうと将来大きな壁に突き当たった時、弱さを露呈してしまうこともある。初めて自分の「限界」を知った時、嘘のように弱くなってしまう。大一番の舞台で弱者になってしまう。自分の「限界」は、他者が決めるものではない。成功や失敗を繰り返しながら自らが見定めていくものである。100人中99人が無理だと言って自分の可能性を認めてくれなくてもいい。1人でも「きみならできる」と言ってくれる人が居れば、「限界」は無くなる。

〜「③常識を打ち破る」へ続く〜

メダリストを育てた指導者のノウハウの継承は、日本陸上界の財産となる。

①褒めて伸ばす
どんなレベルの選手でも指導者から褒められたら嬉しい気持ちになる。監督・コーチからの思わぬひとことが、後に大化けする選手に育つきっかけになったりする。闇雲に何でも褒めればいいと言う訳ではない。正しい目でその選手だけが持つ”頑張れる力”の芽を見つけて、そこを褒めて伸ばすことが選手の可能性を開花させることに繋がる。こんな話がある。市立船橋高校を全国高校駅伝優勝に導いた教員時代の故小出義雄監督。優勝テープを切ったアンカーの小池選手について、こういうエピソードを語ってくれた。入学して間もなく陸上部に入部した小池選手は、3000mを11分掛かるような選手だった。「なんで市船に来たの?」「どうして陸上部に入りたいの?」「陸上をした経験があるの?」という問いに「中学時代、僕は剣道部でした」「陸上はしたことがありません」「市立船橋高校は、今、駅伝を強化する為に選手を集めているから、陸上をしていたと調査書に書けば市立船橋高校に入れるって中学校の先生が言っていました」と悪びれる様子もなく素直に答えた。小出監督は、やれやれ…と思ったそうだ。当然、練習についていける筈もなく、いつもダントツ遅れて一番後ろを走っていた。女子選手よりも遅い”その選手”を見て「君には、陸上部は無理だから辞めて他の部活に入ったらどうだい」と小出監督は何度も言いたかった。しかし、どれだけ集団から遅れても、ダントツのビリを走っていても、一生懸命に頑張っている姿を見て、ついつい「君は、良く頑張るなぁ〜。うんうん、すごいなぁ~」と褒めてしまった。「練習がきつかったら無理をしなくていいんだよ」と声を掛けると「はい、ありがとうございます!大丈夫です。最後まで走ります!」と言って黙々と最後まで走り続けたそうだ。普通なら毎日一番後ろを走っていたら練習が嫌になってしまう。そして、自分から辞めていくものだが、その選手は、辞める様子は全くなかった。来る日も来る日も主力メンバーから遅れながらも諦めることなく必死に走り続けた。だから小出監督も「きみは、ホントにがんばってるなぁ~。すごいなぁ〜。強くなるなぁ~!」と褒め続けた。半年、一年、一年半が経過した頃、つけなかった練習にもつけるようになり、他の男子選手と一緒に走れるようになった。三年生になってからの伸びはすさまじかった。レギュラーメンバーに入る力をつけた。秋に出場した大学の記録会では、なんと、1万メートルを30分ひと桁で走りチームトップでゴールした。今から30年以上前の1万メートル30分ひと桁は、全国ランキングトップ争いができる素晴らしい記録であった。高校入学時の3000mが11分の選手が、褒められ続けた結果、1万を30分ひと桁で走れるようになる。そして、全国高校駅伝優勝のゴールテープを切る。こんなミラクルストーリーを小出監督は、高校教員時代から起こしていた。「いやいや、違うの。僕が凄いんじゃない。選手が凄いの。選手が頑張っているから、それを褒めただけ。毎日、褒めていたら強くなっちゃった。高校生の可能性って凄いなぁ~!あはははは!」と笑う。褒めることが如何に選手にとって力になるのかを思い知らされたエピソードであった。

〜「②限界を無くす」へ続く〜

故人・小出義雄監督が良く言っていたセリフにこんな言葉があった。

「どうして今の若い子(指導者)達は、こんな簡単なことができねーのかな」

「いい子(選手)が目の前にいるのに、ぜ〜んぜん気付かない」

「その子の良い所が、わかんねーんだよ」

「見る目がねーんだよな、きっと」

「おれが、教えてやんなきゃダメかなッ?あはははは!」

確かに、小出監督が「おい!あの子は、伸びるぞ!」と言った選手は、伸びている。

その後、みるみるうちに成長して日本代表になった選手もいる。

不調にあえぎ落ち込んでいる他チームの選手にも「どうしたんだい!」と声を掛ける。

「泣くことはないよ〜。ぜ〜んぜん大丈夫」と笑顔で話しかける。

暫く雑談をしているうちに泣いていた選手に笑顔が戻る。

落ち込んでいた選手が冗談を言えるようになる。

そして、次の試合では快走してみせる。

不思議な力だと思った。

他愛もない声掛けなのに声を掛けられた選手が元気になる。

秘められていた力が芽生えてきて次第に結果を出し始める。

そんな「言葉の力」を持っているのが小出監督の魅力であった。

選手をその気にさせる力。

「わたしにも出来るかもしれない」と思わせる力。

不安な気持ちを和らげて安心して試合に臨めるようにしてくれる力。

選手の心を掴んで不安を自信に変えて別人に生まれ変わらせてくれる力。

試合で力を発揮できなかった自分を世界一の選手になれると思わせてくれる力。

人の懐に入り込むのが上手な小出監督は、良い意味での「ひとたらし」であった。

指導者に必要なのは「選手の心を掴むこと」だと様々な場面で我々に教えてくれた。

選手をやる気にさせることは、簡単ではない。

選手の能力を引き出すのは、並大抵のことではない。

褒めても叱っても意欲を取り戻せない選手は沢山いる。

毎日エンジン全開で真正面から選手と向き合うことなどできない。

「この子は、弱い選手。ダメな選手」だと諦めてしまう指導者は多い。

「頑張らせようにも本人のやる気が無いのでは教えようがない」と匙を投げる。

多くの高校駅伝強豪校で能力のある選手が、意欲を失い、自信を失い、夢を失っている。

そんな状況を小出監督が見たらどんな行動をするだろうか。

指導者に対しては「〇〇君も大変だなぁ~。うんうん」と笑顔で労をねぎらう。

選手に対しては「がんばってるなぁ。すごいなぁ。強くなるなぁ」と笑顔で褒める。

指導者として壁にぶつかっていたり、伸び悩んでいる選手に対して、ダメ出しをしない。

まずは、「それで、いいんだよ」「な〜んにも悪くないよ」と認めてあげる。

心の中にあるつっかえ棒を取り除いて自分自身へのわだかまりを解消してあげる。

指導者に対しても選手に対しても「自己肯定させる言葉掛け」をして肩の荷を降ろさせる。

自己肯定感を抱くことで心は落ち着きを取り戻し、ネガティブマインドから脱出できる。

「いいんだよ」という言葉が「どうせ自分はダメだ」という自己否定を和らげる。

自分の心の中にある不安を少しでも認めて貰えることで気持ちが楽になる。

そういう人の心の中にある感情を瞬時に読み取り、ひとことで解消させる言葉の力。

それを上手に使いながら選手をその気にさせてトップ選手へと育てたのが小出監督である。

現役で指導現場に立っている指導者へ言いたいこと。

言葉が持つ力を理解すれば、声掛けの仕方も変わる。

声掛けの仕方が変われば、選手との向き合い方が変わる。

選手との向き合い方が変われば、選手への見方が変わる。

選手への見方が変われば、選手からの見られ方も変わる。

選手からの見られ方が変われば、言葉の力の大きさが変わる。

言葉の力の大きさが変われば、選手のパフォーマンスが変わる。

選手に快走して欲しければ。

選手に結果を出して輝いて欲しければ。

普段、なんとなく使っている言葉を見直してみること。

自分本位な声掛けではなく相手の心に響く言葉掛けをすること。

それが、選手を育成する上で最も大切なことであると故人の言葉を借りて伝えておきたい。

「育成力」のある高校駅伝強豪校をランキングする。

 <評価方法>
1.過去の育成実績  評価1〜5 
2.卒業後の活躍   評価1〜5
3.現在の育成実績  評価1〜5
4.将来の伸びしろ  評価1〜5

<男子「育成力」ランキング!>※TOP15
 
1位 佐久長聖     5・5・5・5
  2位 九州学院     5・4・5・4
  3位 学法石川     5・4・4・5
  4位 洛南       5・4・4・4
  5位 西脇工業     5・5・4・3
  5位 市立船橋     5・5・4・3
  7位 八千代松陰    4・4・5・4
  8位 埼玉栄      5・4・4・3
  9位 東農大二     4・4・4・4
10位 國學院久我山   5・4・4・3
11位 仙台育英     5・3・5・3
12位 世羅       5・3・4・3
13位 浜松日体     3・3・5・4
14位 須磨学園     4・4・4・3
15位 大牟田      5・3・3・3


<女子「育成力」ランキング!>※TOP15
 
1位 興譲館      5・5・4・4
  1位 大阪薫英女学院  5・5・4・4
  3位 常盤       5・4・4・4
  4位 立命館宇治    5・4・4・3
  4位 筑紫女学園    5・4・4・3
  6位 長野東      5・4・3・3
  6位 
市立船橋     5・4・3・3
  8位 
仙台育英     4・4・4・3
  9位 
成田       5・3・3・3
10位 
須磨学園     5・3・3・3
11位 錦城学園     3・4・3・4
12位 北九州市立    4・3・4・3
13位 星稜       3・3・4・4
14位 順天       4・3・3・3
14位 白鵬女子     4・3・3・3

2021年に期待したい種目のひとつに女子1500mがある。

圧倒的に世界から置いて行かれている状況を改善するには何が必要か?

それは、今のジュニア世代の選手達に時代の背景を理解して貰うことだろう。

これだけの差があることを小中学生が認識しないままでは世界には追いつけない。

日本国内の大会で「勝った負けた」を気にしているだけでは更に差が広がるだけだ。

世界の進化のスピードを現在の小中学生が知って自分達がすべきことを認識して欲しい。

「自分達が世界に追いつくんだ!」という自覚が芽生えることで大きな一歩を踏み出せる。

これは、1995年世界選手権女子1500mのレース動画。

(World Championships 1995 Women's 1500m by PeterMacca88)

1995年当時の世界記録は、3分50秒46。(曲雲霞・中国、1993年)
大会記録は3分58秒56であった。

あれから24年後の2019年ドーハ世界陸上女子1500m決勝の映像がこちら。

(Women's 1500m Final | World Athletics Championships Doha 2019 by World Athletics)

この時の世界記録は、3分50秒07。(ゲンゼベ・ディババ・エチオピア、2015年)
それぞれの大会上位3名の記録と通過記録を比較してみる。

  <1995年世界陸上女子1500m決勝>
1位 4:02.38 H.BOULMERKA (ALG)
2位 4:03.04 K.HOLMES (GBR)
3位 4:03.79 C.SACRAMENTO (POL)

  <通過記録>
  400m 1:07.38 (67.38)
  800m 2:12.73 (65:35)
1100m 3:01.32
1200m 3:17.68 (64.95)
1500m 4:02.43     (Final Lap 61.11)


  <2019年世界陸上女子1500m決勝> 
1位 3分51秒95 HASSAN (NLD)
2位 3分54秒22 KIPYEGON (KEN)
3位 3分54秒38 TSEGAY (ETH)

  <通過記録>
  400m 1:03.51 (63.51)
  800m 2:05.92 (62:42)
1100m 2:52.59
1200m 3:07.36 (61.44)
1500m 3:51.95     (Final Lap 59.84)



24年の月日が経過して世界のトップレベルは、約10秒の進化をしていることが分かる。

同じ月日が流れた日本では、日本記録が4分11秒から4分05秒へと約6秒更新した。

進化は遂げている。しかし、世界のトップレベルと競うには、まだまだ程遠い。

当たり前のように4分を切れる選手が育たないと世界との差は縮まらない。

一定レベルまでならトレーニング次第で差を埋めることは出来るだろう。

だが、世界の舞台でガチ勝負する為には、何よりも意識改革が必要。

「3分台のレースは、もう何度も経験してるから!」

「ラスト400mからの勝負でも負けないから!」

「あの舞台でマジで勝っちゃうから!」

そんな感覚を持ったジュニア選手が出て来てこそ勝負が出来る。

身体的な進化は、成長過程に従い自然な流れでしていくもの。

身体的な進化を急かしても「伸びしろ」がなくなるだけだ。

だが、限界を作らない精神的な進化は今から出来るはず。

世界のレベルを身近に感じられる肌感覚は鍛えられる。

国際大会で上位争いする自分の姿をイメージする力。

それが世界レベルに近づく最善の方法だと言える。

視野を広げてこそ器の大きなアスリートに育つ。

考える力。イメージする力。表現する力。

それらを養う取り組みに期待したい。

指導者として大事なのは、生徒の可能性を信じること。

高校生を指導する立場にある方々に強く訴えたいことである。

高校駅伝強豪校の指導者の中にも指導力に疑問符がつく者もいる。

預かった生徒が伸び悩んでいる姿を見ても指をくわえて黙って見ている。

自分の指導力不足を棚に上げて選手のせいにするのでは選手の可能性は開花しない。

「環境に慣れるまで時間が掛かる」

「練習以前に性格的な問題がある」

「本人のやる気が今一歩足りない」

「結果を出すかどうかは本人次第」

確かにその通りである。結果を出せないのは、個人の資質の問題。

成長できるか出来ないかは、本人の自覚と努力次第の面が大きいのは事実である。

しかし、だからといって結果を出せない理由を選手だけに押し付けてはいけない。

こんな風に預かった生徒個人のせいにしていては、選手の可能性など引き出せない。

努力不足は、あるだろう。3年間の中では、やる気を失ってしまうこともあるはずだ。

今ひとつ自分の限界を超えられずに弱気な走りしか出来なくなる時期もあるだろう。

戦意を喪失して体調不良や故障を繰り返す日々を過ごす。いつもいつも頑張れない。

選手である以前にひとりの高校生。様々なことで悩み苦しむ時期があって当然だ。

それらを含めて一人の生徒を預かった責任が指導者にはあるはず。

「結果を出せるから期待する。結果が出せないから期待しない」

それでは、本物の指導者とは言えない。ただの雇われ監督だ。

強豪校には実績のある中学生が入ってくるのだから、毎年、それなりに活躍する。

力のある選手を集めて全国高校駅伝で活躍をしても、それは指導力とは言えない。

今、注目されている言葉に「指導力」と「育成力」の違いがある。

「指導力」とは、何か?

「強い選手を集めて、大会毎に調子が良い選手を代わる代わる走らせる」

「故障したり、伸び悩んで潰れていく選手が多くても数名生き残れば良い」

「男子は7名。女子は5名。生き残った選手を使えば毎年8位入賞させられる」

そういうのは「指導力」というよりも「マネージメント力」と言った方が適している。

毎年、県内の強い選手が入ってくるので当然のように県優勝をしている。

全国からトップ選手を集めて全国屈指の選手層を誇るチーム編成をしている。

それは、「指導力」というよりも「マネージメント力」に優れていると言える。

しかし、「育成力」は、違う。

男子で言うなら全中陸上出場者が一人もいなくても全国高校駅伝で8位入賞させる力。

女子で言うなら中学時代3000m10分30秒の選手を高校3年間で9分30秒まで更新させる力。

実績がある選手の力を維持させるのは、誰でも出来ること。

指導者が言い訳をせずに預かった選手を着実に育成すること。

力がなく経験もない選手を一から育てることが出来るのが本当の指導者である。

高校生には、感じて欲しい。

自分の目の前にいる監督は、本当に自分の可能性を信じているか。

まだ開花していない能力を引き出そうと全力で向き合ってくれているか。

どんな時も細部まで目を配り「伸びる瞬間」を見逃さないで引き出してくれているか。

「おまえならできる。きっと、ここまで成長できる」と毎日声掛けをしてくれているか。

駅伝強豪校に在席している高校生には、指導者を見極める目を養って欲しい。

指導者と選手の関係。そこには未だに絶対的な服従関係が存在する。

日本の文化ならではの「先生は偉い人」、「監督は凄い人」という思い込み。

強豪校の監督をしているからといって人間的に優れている訳ではない。

毎年、駅伝で結果を出しているからといって指導力がある訳ではない。

強豪校の中にも結果を出せずに潰れていく選手は沢山いる。

かつての輝きを失ったまま競技生活を終わる生徒は何人もいる。

指導者の見る目がないから選手の本当の良さに気付いてあげられない。

指導者の驕りがあるから生徒が輝きを放とうとする瞬間に気付いてあげられない。

指導者の力量不足で選手が伸びる瞬間を見逃してしまっていることに気付いていない。

今の指導者に必要なのは、「育成力」。

どんな生徒であったとしても預かった以上は、責任を持って結果を出させる。

最低限の結果。それは、中学時代の自己記録を更新させること。

中学時代の成績以上の結果を3年間で必ず出させること。

自分が生徒を預かったことの責任を果たすこと。

それが、今の高校指導者には必要である。

高校生とその保護者に言いたいこと。それは…

たまたま強豪校の監督をしているだけで彼らは、「ひとりの教員」でしかない。

言われるままに従う必要などない。嫌なものは「嫌だ」とハッキリと伝えれば良い。

態度が横柄に感じたり、言動が一方的だったりしたら、それは、もはや指導ではない。

生徒が成長する瞬間を見逃さずに気付く力。

まだ開花していない潜在能力を見つけて武器にする力。

生徒の可能性を信じて「きみならできる」と訴え続ける力。

そういう力を持った指導者が、本当の指導者であることを心に刻んでいて欲しい。

実績が無いからといって進学や就職を諦める必要はない。

例え、男子選手で5000mの自己ベストが15分50秒でも。

例え、女子選手で3000mの自己ベストが10分30秒でも。

「育成力」のある指導者との出会いがあれば、必ず才能は開花する。

大事なのは、「育成力」のある指導者との出会いというのを覚えておいて欲しい。

今は結果が出せなくても、自分の夢を実現したいという強い意志があれば夢は叶う。

諦めずに努力をして、自分の視野を広げて、今とは違う世界に飛び込めば必ず夢は叶う。

指導する立場にいる者は、生徒の可能性を信じて疑わない心を持つ。

指導を受ける立場にいる者は、自分の可能性を信じてくれる人との出会いを探す。

それが、教える立場と教えられる立場の両者が持つべき心構えであると伝えておきたい。

<男子800m>※TOP10
  1.1:50.21 石井優吉   (八千代松陰3)
  2.1:53.26 渡利健人   (東海大市原望洋3)
  3.1:53.94 名波遼介   (東海大市原望洋3)
  4.1:54.98 北村魁士   (市立柏2)
  5.1:55.12 中村貴浩   (市立船橋1)
  6.1:55.95 鈴木奥介   (東海大浦安1)
  7.1:55.98 田浦駿介   (八千代3)
  8.1:56.51 吉田 力   (専修大松戸3)
  9.1:56.65 佐々木雄大  (船橋古和釜3)
10.1:57.05 土井勇輝   (八千代2)

<男子1500m>※TOP10
  1.3:50.10 篠原倖太朗  (富里3)
  2.3:50.92 石井優吉   (八千代松陰3)
  3.3:55.66 篠原 寛   (中央学院2)
  4.3:55.85 蒲田陽生   (中央学院3)
  5.3:55.89 佐藤条二   (市立船橋3)
  6.3:56.31 野島健太   (流経大柏3)
  7.3:56.52 岩尾雅偉   (市立船橋3)
  8.3:57.03 山本 樹   (専修大松戸2)
  9.3:57.25 林 洸也   (専修大松戸3)
10.3:57.53 吉田礼志   (拓大紅陵3) 

<男子5000m>※TOP10
  1.13:59.05 佐藤条二   (市立船橋3)
  2.13:59.31 緒方澪那斗  (市立船橋2)
  3.14:06.28 吉田礼志   (拓大紅陵3)
  4.14:14.32 野島健太   (流経大柏3)
  5.14:19.04 工藤大和   (八千代松陰3)
  6.14:20.25 鈴木康也   (拓大紅陵3)
  7.14:24.01 栗田隆希   (流経大柏2)
  8.14:25.56 油谷航亮   (八千代松陰3)
  9.14:27.03 渡邉啓太   (西武台千葉3)
10.14:28.34 山本泰輝   (日体大柏3)

<男子3000mSC>※TOP10
  1.9:31.27 富永匠海   (市立船橋3)
  2.9:34.98 鎗田大輝   (市立船橋2)
  3.9:38.46 平間純哉   (流山南2)
  4.9:44.75 酒田康生   (専修大松戸2)
  5.9:46.72 松永龍騎   (西武台千葉2)
  6.9:47.58 富永悠生   (市立船橋3)
  7.9:48.85 今西 滉   (八千代松陰1)
  8.9:50.34 飯田明成   (柏南2)
  9.9:50.40 兼子武琉   (流経大柏2)
10.9:53.34 鎗田光希   (市立船橋2)

<女子800m>※TOP10
  1.2:12.72 柏木詩織   (東葛飾2)
  2.2:14.75 高瀬菜々香  (松戸馬橋3)
  3.2:17.18 金見菊花   (渋谷学園幕張2)
  4.2:18.20 和田水希   (成田1)
  5.2:19.14 鈴木日菜   (君津1)
  6.2:20.44 角田萌奈   (木更津総合1)
  7.2:20.56 本村南海   (市立柏2)
  8.2:21.53 大橋日茉理  (日体大柏1)
  9.2:22.45 福田泉美   (市立船橋2)
10.2:22.85 植田日瑶里  (小金1)

<女子1500m>※TOP10
  1.4:27.65 髙橋 葵   (日体大柏2)
  2.4:27.72 山﨑りさ   (成田3)
  3.4:30.36 鈴木優菜   (成田1)
  4.4:35.79 大橋日茉理  (日体大柏1)
  5.4:36.95 塩野愛梨花  (日体大柏2)
  6.4:37.59 横澤奈夏   (成田1)
  7.4:38.70 安藤悠乃   (日体大柏1)
  8.4:38.73 吉井優唯   (市立船橋1)
  9.4:39.52 山地茉娃   (日体大柏1)
10.4:39.68 金見菊花   (渋谷学園幕張2)

<女子3000m>※TOP10
  1.9:13.86 小坂井智絵  (成田3)
  2.9:19.33 髙橋 葵   (日体大柏2)
  3.9:23.12 安藤悠乃   (日体大柏1)
  4.9:27.40 山﨑りさ   (成田3)
  5.9:27.56 塩野愛梨花  (日体大柏2)
  6.9:30.89 大橋日茉理  (日体大柏1)
  7.9:36.57 藤村優李   (流経大柏3)
  8.9:36.87 鈴木優菜   (成田1)
  9.9:45.06 山地茉娃   (日体大柏1)
10.9:47.26 金原千尋   (渋谷学園幕張2)

<男子800m>※TOP10
  1.1:52.09 甲木康博    (城西3)
  2.1:53.33 栗原直央    (都立野津田3)
  3.1:53.59 長沢匠人    (都立東大和2)
  4.1:56.17 川嶋康駿    (立教池袋2)
  5.1:56.26 小山 蓮    (都立西2)
  6.1:56.64 石塚陽士    (早稲田実3)
  7.1:56.81 鍜治 晃    (大東一3)
  8.1:56.92 樋口ワシリー  (東京2)
  9.1:57.06 小林 徹    (ウェルネス2)
10.1:57.10 松田悠汰    (保善2)

<男子1500m>※TOP10
  1.3:44.62 石塚陽士    (早稲田実3)
  2.3:44.62 甲木康博    (城西3)
  3.3:53.83 槇村勇伸    (城西3)
  4.3:54.22 栗原直央    (都立野津田3)
  5.3:55.21 中島弘太    (城西3)
  6.3:56.37 田中 純    (城西1)
  7.3:57.43 佐藤有一    (拓大一2)
  8.3:58.30 小平敦之    (早稲田実1)
  9.3:58.35 牛崎竜空    (大東一3)
10.3:58.39 花井日友雅   (國學院久我山1)

<男子5000m>※TOP10
  1.14:05.71 新井晴文    (國學院久我山3)
  2.14:08.79 石塚陽士    (早稲田実3)
  3.14:11.81 伊東夢翔    (國學院久我山2)
  4.14:14.73 平林 樹    (拓大一3)
  5.14:14.84 田丸 颯    (駒大高3)
  6.14:15.89 甲木康博    (城西3)
  7.14:16.32 小泉 樹    (國學院久我山3)
  8.14:16.54 中西洸貴    (國學院久我山3)
  9.14:18.78 田中 純    (城西1)
10.14:21.84 佐藤有一    (拓大一2)

<男子3000mSC>※TOP10
  1.9:09.44 浦田優斗    (國學院久我山3)
  2.9:27.54 中島弘太    (城西3)
  3.9:28.00 筒井 涼    (拓大一2)
  4.9:28.54 安福聖輝    (駒大高2)
  5.9:29.06 置田 晴    (都立冨士森2)
  6.9:29.11 中塚優我    (東京実業2)
  7.9:34.68 上山時生    (東京実業3)
  8.9:37.39 佐野慎之介   (駒大高3)
  9.9:39.33 根岸優希    (東京3)
10.9:39.97 天海創太    (駒大高2)


<女子800m>※TOP10
  1.2:10.81 勝くるみ    (白梅学園1)
  2.2:11.12 鴨下友織菜   (都立三鷹中等2)
  3.2:11.88 奥脇彩花    (白梅学園2)
  4.2:12.06 鈴木美呼    (都立板橋3)
  5.2:12.90 須藤花菜    (順天3)
  6.2:15.01 小川陽香    (順天1)
  7.2:15.32 緑川莉亜    (都立東大和1)
  8.2:15.63 今泉日向花   (順天1)
  9.2:16.49 岩永 桜    (順天1)
10.2:17.45 菅野奈美    (順天1)

<女子1500m>※TOP10
  1.4:25.96 須藤花菜    (順天2)
  2.4:26.57 南 日向    (順天2)
  3.4:27.66 塩入百葉    (錦城学園2)
  4.4:28.20 小川陽香    (順天1)
  5.4:31.82 三輪南菜子   (錦城学園3)
  6.4:33.16 外間礼那    (東京2)
  7.4:34.29 鈴木日菜子   (城西3)
  8.4:34.30 菅原ひまわり  (錦城学園1)
  9.4:35.30 萩原 結    (城西3)
10.4:36.36 廣尾七海    (都立日野台2)

<女子3000m>※TOP10
  1.9:27.32 塩入百葉    (錦城学園2)
  2.9:32.70 小川陽香    (順天1)
  3.9:33.16 三輪南菜子   (錦城学園3)
  4.9:34.02 菅原ひまわり  (錦城学園1)
  5.9:34.36 竹内明音    (東京実業3)
  6.9:34.47 木島あすか   (東京3)
  7.9:36.35 須藤花菜    (順天2)
  8.9:38.43 外間礼那    (東京2)
  9.9:38.83 林 凜華    (順天1)
10.9:38.97 今泉日向花   (順天1)

<2020富士山女子駅伝結果>
  1.2:21.38 名城大学
  2.2:24.16 大東文化大学
  3.2:27.00 立命館大学
  4.2:27.42 松山大学
  5.2:27.53 大阪学院大学
  6.2:27.59 城西大学
  7.2:28.21 日本体育大学
  8.2:29.19 関西大学
  9.2:30.16 福岡大学
10.2:30.51 関西外語大学
11.2:31.13 順天堂大学
12.2:31.47 佛教大学
13.2:32.03 東洋大学
14.2:32.08 京都産業大学
15.2:32.47 拓殖大学
16.2:33.04 東北福祉大学
17.2:33.12 京都光華女子大学
18.2:33.31 東京農業大学
19.2:33.47 玉川大学
20.2:34.24 中央大学
21.2:34.43 神戸学院大学

<1区・区間順位>※TOP5 
1.13:04 赤堀かりん    (日体大2)
2.13:07 戸田朱音     (大阪学院大4)
3.13:08 小杉真生     (関西大1)
4.13:10 高松智美ムセンビ (名城大3)
5.13:14 黒石瑠香     (福岡大2)

<2区・区間順位>※TOP5 
1.20:40 和田有菜     (名城大3)
2.21:16 飛田凜香     (立命館大2)
3.21:34 吉村玲美     (大東文化大2)
4.21:38 西山未奈美    (松山大3)
5.21:44 柳谷日菜     (関西大3)

<3区・区間順位>※TOP5 
1.10:22 保坂晴子     (日体大1)
1.10:22 花田咲絵     (順天堂大4)
3.10:23 逸見亜優     (京産大2)
4.10:25 御﨑 舞     (立命館大3)
5.10:30 鴨志田海来    (名城大3)

<4区・区間順位>※TOP5 
1.13:55 山本有真     (名城大2)
2.14:32 秋山祐妃     (大東文化大4)
3.14:33 篭谷有希     (城西大4)
4.14:37 小林 朝     (立命館大1)
5.14:39 花房百伽     (福岡大3)

<5区・区間順位>※TOP5 
1.34:29 鈴木優花     (大東文化大3)
2.35:02 中田美優     (立命館大4)
3.35:26 加世田梨花    (名城大4)
4.35:27 小松優衣     (松山大2)
5.35:29 室伏香音     (大阪学院大3) 

<6区・区間順位>※TOP5 
1.19:31 増渕祐香     (名城大1)
2.19:35 関谷夏希     (大東文化大M1)
3.19:52 伊藤柚葉     (城西大1)
4.20:23 林ひかる     (立命館大4)
5.20:25 一瀬美結     (日体大3)

<7区・区間順位>※TOP5 
1.28:26 小林成美     (名城大2)
2.30:16 山賀瑞穂     (大東文化大2)
3.30:52 大谷菜南子    (松山大3)
4.30:54 加藤詩帆加    (大阪学院大3)
5.30:56 矢尾桃子     (関西外語大2)


<レース解説>
優勝候補の筆頭に上がっていた名城大学が2区以降トップを独走し、大会3連覇を達成した。しかし、「神7」と謳い区間賞を独占するというテレビ局が作り上げたカッコイイ物語には程遠い内容であった。そもそも1区から大きな誤算が生じていた。最近のレースでは、調子の波があり不安定な走りをしていたムセンビ選手を1区に配置。1区から独走態勢を築こうとしたが、その走りは、明らかに重かった。伸びやかなストライドがない。持ち味であるバネの効いた走りが見られない。レース中盤でのスパートを活かせず失速。レース後半は、複数校に抜かれる心的ダメージの大きい走りとなってしまった。実績のある知名度の高い選手が、こういう走りをしてしまうと後を引くこともある。ムセンビ選手の体調を監督が把握していなかったとは思えないが、優勝したからOKでは済まされない痛いミスとなった。区間賞を獲得出来なかったのは、1区だけではない。3区・4区・5区も他大学の選手が名城大学を上回った。「全区間で区間賞!神7達成!」という監督の目論見は大きく外れてしまった。『大誤算』だった。もしも、監督が「全区間で区間賞を狙う!」と本気で言っていたとしたら、それは、チームを預かる指導者として致命的なミスであり、選手の体調を把握出来ていなかったことになる。管理不足を露呈してしまった。そういう『綻び』が積み重なり黄金期から低迷期へと知らぬ間に陥ってしまうことは陸上界では珍しくない。名城大学が駅伝女王を守る時代は、暫く続くだろう。しかし、メディアに乗せられて「区間賞を独占するレースをする!」などとカッコイイことを言っていては、黄金期は長続きしない。「いつの間にか他大学に抜かれていた」なんてことにならないように視聴率稼ぎのメディアに乗せられないことも指揮官の仕事である。浮ついた雰囲気のない軸の安定したチーム作りに期待したい。

大学女子駅伝で優勝する条件について、もう少し掘り下げてみたい。どのチーム競技でも同じだが、実績のある選手が集まるチームが強いのは当たり前。名城大学には、実績と実力がある選手が毎年入ってくる。それは、大きなアドバンテージになっている。今回、上位入賞した大学には、毎年、優秀な選手が入学してくる。上位入賞校には、意欲と実績のある一流選手が入ってくるので強くて当然という感は否めない。その中でも名古屋市にある名城大学が群を抜いて活躍している理由は何故だろうか?その理由は、明快である。陸上競技に比重を置く意識の強い選手が名城大学の門を叩きやすいというのが第一の理由だろう。以前は、中部地方や関西からの生徒が多かったが、今は、関東の選手も入学をしている。陸上が好きで駅伝でも活躍したい選手が選びやすい条件が整っている。それは、日本一を獲得するのに大きなアドバンテージだ。では、少し視点を変えて勝つ条件を考えてみたい。一般的に難関大学と言われている、筑波大学、立教大学、中央大学などと比べるとウエイトを置くものへの価値観が違うのは大学受験を経験した誰もが理解している。日本の学歴システムにおいて東京大学を最高学府と考えた場合の序列は、難易度の高い順に「文武両道の重さ」が違うのは当然のことである。難易度という点において更に言うと私学の最高位にいる早稲田大学や慶應義塾大学とは、圧倒的に文武両道の重さと価値が違う。現状では、早稲田大学や慶應義塾大学が駅伝を強化する流れにはなっていない。その一方で筑波大学や立教大学や中央大学には、優秀な選手が多数入学している。名城大学や大東文化大学に引けを取らない将来性のある選手が揃っている。問題は、指導者がいないこと。選手の潜在能力を引く出せる優秀な指導者がいれば、筑波大学、立教大学、中央大学が駅伝日本一になるチャンスがある。本来なら、毎年、優勝候補に上げられても不思議ではない『強いチーム』になる。しかし、選手を導ける指導者がいない。指導者の不在が、大学のカラーとして認知されているのを黙って見ているのが、本当に勿体ない。勝てないチームより勝てるチームに優秀な人材が流れるのは当然である。入りやすくて、勝つ可能性が高い大学に有望な選手が集まる傾向は、今後もずっと続いていくだろう。

まずは、出身校別のエントリー人数ランキング。

言うまでもなく進学率が高くないと大学進学は難しい。

進学に力を入れていないと出身校別ランキング上位には入らない。

こういうデータは、中学生が進路選択をする際の参考になるだろう。

各校の偏差値を加えてみると中学生には必要な学業成績が分かりやすい。

スポーツクラスがある高校では、運動部の生徒の偏差値が下がる場合もある。

しかし、多くの場合、その学校の評価は、進学クラスの偏差値で決まる。

従って、校内で一番偏差値が高いクラスの評価を比べるのが妥当と判断。

<出身校別エントリー人数ランキング>
 順位 学校名   人数   偏差値
 1位 学法石川  (11人)  54
 2位 佐久長聖  (  9人)  66
 3位 浜松日体  (  7人)  62
 3位 八千代松陰 (  7人)  68
 3位 東農大二  (  7人)  67
 6位 倉敷    (  6人)  53
 6位 西脇工業  (  6人)  48
 6位 洛南    (  6人)  74
 6位 埼玉栄   (  6人)  65


次に出身県別のエントリー人数を見てみるとやはり陸上王国と呼ばれる県が上位に来る。

千葉県、静岡県、群馬県、兵庫県などの陸協関係者は、当然の結果だと胸を張るだろう。

<都道府県別エントリー人数ランキング>
 1位 千葉県   (29人)
 2位 静岡県   (23人)
 3位 群馬県   (19人)
 4位 兵庫県   (15人)

この結果は、小学生の育成を目的とした普及委員会強化スタッフの尽力の賜物だと言える。

それにプラスして他県への流出が多い静岡県が上位にいるのも伸びしろがある証拠。

その他の3県は、中学時代に実績を残した選手が県内に残る傾向が強い。

県外流出を防いでいる県が上位に来ていると分析することもできる。

今後の順位の変動や大学卒業後の伸びしろまで追跡して調べてみると面白い。

箱根駅伝を経験した選手が、その後、十年間トップレベルで活躍出来るのか。

才能を持ったジュニア選手が、どの道を進めば伸び悩むことなく成長するのか。

データを基に調べてみると箱根駅伝を走った後も成長できる道筋が見えて来る。

多くのジュニアクラブでは、短距離ブロックの選手は、このような練習を行っている。

中学の部活動においても短距離チームのウォームアップの中には、取り入れられている。

しかし、長距離ブロックの選手は、JOGをしただけでポイント練習に入ることが多い。

ドリル運動をやらせても掛け声に合わせて惰性で行っているというのが現状。

「ひとつひとつの動きを理解した上でカラダの細部まで意識を行き届かせて行う」

そういう考えで行っている長距離選手は、殆どいないだろう。

丁寧且つ正確に動作をするという当たり前の意識が長距離選手には無い場合が多い。


(Sprinting Drills That Develop Proper Form by X Pollination Productions)

中学生の全国大会を見て感じるのは、長距離選手達のフォームの悪さ。

決勝に行くような選手でも軸が安定せずにバラバラなフォームの選手が目立つ。

基本的な動きを習得しないまま力任せに走るから非効率な走り方をしている。

体型の変化に対応できない選手が長距離に多いのは、これが原因となっている。

体の使い方などは、何も考えずにガムシャラに走っているから伸び悩む。

速く走れる感覚だけに頼っているから、体が成長すると走れなくなる。

逆に常日頃から正確な動きを意識している選手は、故障のリスクが圧倒的に低い。

ひとつひとつ丁寧にやっている選手は、練習しているうちに効率の良い走り方になる。

効率の良いフォームで走るからスピードが出るようになる。

これからの季節にピッタリなスピードアップドリル。

来春までの期間に積極的に取り入れると来シーズンの活躍が楽しみになる。

駅伝シーズン真っ盛りの年末年始。

どんなチームが勝利を掴むのかを冷静に考えてみる。

有望な選手をスカウトして獲得に成功したチームが強いのは大前提。

スポーツの世界では、勝つ為には指導力以前に選手獲得が大事だと言われている。

「駒(選手)が揃わないと勝負にならない」

「選手獲得がチームの勝利を大きく左右する」

「良い駒(選手)を2年連続で獲得したチームが黄金時代を築く」

中学駅伝でも高校駅伝でも大学駅伝でも実業団駅伝でも全てにおいて同じ。

指導力など殆ど関係ない。すべては有望選手との出会い次第。

長い教員生活の中では、たまたま偶然に能力の高い選手と出会うことはある。

全国レベルの選手を一人でも出すと「あの先生は凄い!」と地元では噂になる。

たまたま偶然に複数の有望選手が同時期にチームに加入すれば全国優勝も近づく。

殆ど何も言わなくても自分達で切磋琢磨しながら強いチームになっていく。

指導力とは関係なく、選手自身が自らの努力で強いチームを作り上げる。

「指導者とはお飾りに過ぎない。選手あっての指導者である。」

そういう自覚がないと自分の力を過信したまま過去の栄光をずっと語り続ける。

本当に指導力があるなら、どんな状況下でも強いチームは作れる。

鉄剤注射の力を借りなくても選手の育成は出来る。

厚底シューズを履かせなくても好記録を出すことが出来る。

過去に大きな実績を残した指導者が、今年、強いチームをつくれなかったとしたら…

それは、ほぼ間違いなく、鉄剤注射の力を借りて手に入れた実績と考えて良い。

2年連続で有望な選手を獲得したのに期待通りの結果が出せていないとしたら…

それは、まず間違いなく、選手を育成する力が足りないと考えて良いだろう。

選手の能力を活かせない指導者は、数多くいる。

選手を潰しておいて責任を取らない指導者は本当に多い。

実績の無い選手をそこそこの選手に育てることは難しくない。

また、実績のある選手を同じレベルで活躍させることも難しくない。

全国トップレベルの中学生をインターハイで活躍させるのは難しくない。

しかし、実績のある選手を更に上のレベルにするのは簡単ではない。

高校トップレベルの選手を五輪選手に育てるのは、ハッキリ言って難しい。

弱い選手を強くするのは簡単。

強い選手をそこそこ強いままにさせるのも難しくない。

しかし、強い選手を更に成長させて超強くするのは本当に難しい。

それが出来るのが指導力に長けた指導者と言える。

中学高校時代に実績がない選手を箱根駅伝で活躍させるのは難しくない。

中学高校時代に大活躍して注目された選手を箱根駅伝でも輝かせるのは難しい。

これから始まる全国高校駅伝。

本来なら全国大会へ出場しているはずなのに予選を勝ち抜けなかった高校もある。

有望選手を複数人獲得しているのに活かすことが出来ないのでは選手が可哀そう。

ニューイヤー駅伝、箱根駅伝なども同じ。

出場メンバーを見れば、どの指導者がどの程度の育成力があるのかが良く分かる。

「故障してしまったからメンバーから外した」

「調子が上がってこないから若手選手を使った」

「本来ならアイツを使いたいけど…苦渋の決断をした」

全ては言い訳に過ぎない。

故障させてしまうのは、指導の管理不足。

調子を上げられないのも指導者の調整力不足。

かつての走りをさせられないのは、指導力不足。

長期計画で育成して来なかったから箱根駅伝や実業団駅伝で輝けない。

使えるだけ使って伸び悩んだら放っておく。

全てを選手の責任にして自分の保身に走る指導者ほど惨めなものはない。

これからは、選手が指導者の見極めをする時代になる。

選手の能力を最大限に活かせる指導者のもとに選手は集まるだろう。

人気先行ではなく育成力があるチームへ加入することが自分の成功に繋がる。

全国高校駅伝、ニューイヤー駅伝、箱根駅伝などの見所は、そこだ。

どんな選手が、どんな成長をしているのかをメモを取りながら観戦する。

選手の能力を最大限に引き出しているチームを良く見て確認して欲しい。

きっと、今まで見えていなかった真実が画面を通じて見えてくるだろう。

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