ランナーズ・ジャーナル JAPAN (Runners-Journal.Jp)

事実に基づいた「真実のコラム」を掲載しています。今だからこそ伝えたい「本当のこと」をありのまま伝えたいと思います。

カテゴリ: 陸上競技指導

2016年6月。インターハイ出場目指していた高校生ランナー。

あれから8年の月日が過ぎようとしている。

それぞれに夢を持ち、それぞれの人生がある。

必ずしも陸上を続けるのが最優先事項でなくてもいい。

自分の夢を見つけて人生を謳歌してくれていればそれでいい。

あの日、あの時、あの瞬間、君たちが輝いていたことは変わらない。

今の中学生、高校生にも同じことがいえる。

様々な挫折や運命のいたずらに翻弄されたとしても…

今を精一杯生きればそれでいい。今、この瞬間を大切にすること。

もし、その先に陸上人生が続くなら、続けられるチャンスがあるなら…

過去の自分に縛られることなく、今の自分にできることを精一杯やればいい。

せっかくの人生。一度きりの人生。10年後、20年後に後悔しなくていいように…

今の生活を楽しみながら「自分らしさ」を忘れずに笑顔で思いきり走って欲しい。


(南関東高校総体陸上 女子1500m決勝 2016/06/18 by nobuyoshi390)


(北関東高校総体陸上 女子1500m決勝 2016/06/18 by nobuyoshi390)


(小笠原朱里 9:11.46 優勝 / 2016関東高校陸上 南関東女子3000m決勝 by toyosina2008)

こんなに上半身の筋肉にキレがある桐生選手は久しぶりである。

昨年のアジア大会の時とは「まったく別人」のようなオーラがある。

山縣選手が日本一の座に君臨していた頃のカラダと同じくらいキレキレの体。

スタート位置についた時には「絶対に快走する」と確信を持って観ていられた。

もし、この雰囲気、この佇まい、このオーラ、このカラダのキレを維持出来たら…

100mの日本記録を再び塗り替えるシーズンになるのではないかと期待感が高まる。


(桐生祥秀2024 60m 6.53 日本記録で優勝!!by T&F K ROYAL)

若くして芽が出たが、高校、大学、実業団と進むにつれて輝きを失っている長距離選手。

彼ら(彼女ら)にも、まずは、このカラダのキレと雰囲気を見て思い出して欲しい。

自分が一番輝いていた時の雰囲気と今現在の雰囲気との違いを冷静に見て欲しい。

走れなくなるのには必ず理由がある。練習内容ではない。精神論でもない。

意外な盲点となっているのが「雰囲気つくり」。周囲の目を引くオーラ。

自信がないからオーラが出ないのではない。出そうとしないだけ。

誰もが目を引く雰囲気つくりを普段の生活から意識すること。

結果なんて関係ない。周囲がアッと驚く雰囲気が大事。

それさえあれば、必ず”輝き”を取り戻せるだろう。

低迷しているチームには様々な理由がある。

<指導者から見た低迷理由>
・選手個々の意識が低い
・チーム内のまとまりがない
・チームの士気が下がっている
・寮生活や日常生活が乱れている
・メリハリのある生活ができていない
・陸上競技以外のことに意識が向いている
・練習や試合に対するモチベーションが低い

<選手から見た低迷理由>
・監督を信頼できない
・スタッフの話も説得力がない
・言ってることがコロコロ変わる
・練習内容がワンパターンでつまらない
・できない練習ばかりで自信に繋がらない
・指示通りに練習をしていたら故障してしまう
・「このチームでは強くなれない」と思ってしまう

例をあげればキリがないが基本的には選手と指導者との信頼関係の喪失が原因。

指導者から見た低迷理由と選手から見たそれに相違があることに気づかない。

指導者が選手の心を読んで掴んでいないと選手はそっぽを向いてしまう。

「強い言葉」や「拳」を使って力でねじ伏せようとしてもムダである。

今の時代に必要なのは、選手に歩み寄る「心」と「言葉遣い」。

不器用でもいいから素直な想いを口に出して伝えること。

衝突を恐れず、無理に取り繕わず、話を聞くこと。

選手の心の声に耳を傾ける姿勢を見せること。

それが低迷しているチームを変える第一歩となる。

その際、指導者が無理に自分を変えようとする必要はない。

無理に自分を変えようとすればするほど「ストレスが溜まる」だけ。

持って生まれた「性格」や「気質」は変わらないし変えられる訳がない。

それよりも自らの思考を変えること。思考が変われば見え方が変わる。

見え方が変われば、今まで見過ごしていた選手の心の変化が分かる。

選手が今、この瞬間に何を求めているのか。何をして欲しいのか。

手を差し伸べて欲しいのか。距離を置いて見守って欲しいのか。

思春期で自我が目覚める学生の心を100%掴むのは難しい。

「何か知らんけど、うっとおしい」

「ガミガミ怒られてまで走りたくねー」

「毎日がつまんねー、走るのがバカバカしい」

「頼むから、なんも言わんと放っておいて欲しい」

こんな気持ちが芽生え始めている学生に長時間の説教は逆効果。

指導者の心は簡単に読まれてしまう。

綺麗ごとを並べても選手の心には届かない。

指導者に迷いがあると選手はそれをすぐに見抜く。

本音でぶつかり合う覚悟がないと選手の心は動かない。

短期的な解決策などない。やるときにはとことん向き合う。

その姿勢が事態を好転させてチームを低迷期から脱出させる。

<指導者に必要な心得>
・指導者の目は輝いているか
・指導者がやる気に満ちているか
・選手をノセる話術を持っているか
・自ら選手に歩み寄る努力をしているか
・チームを盛り上げる創意工夫をしているか
・圧倒的な情熱を持って選手に夢を与えているか
・時には真正面から選手とトコトン向き合う覚悟があるか


昔ながらの「厳しく管理して頭ごなしに言うことを聞かせる指導」ではダメ。

指導者に必要なのは「気力」・「体力」・「意欲」・「創造力」・「情報発信力」。

それに気付いたら低迷中のチームを救うであろう選手との出会いが巡ってくる。


(2023,.8.10 東北中学陸上2.3年女子1500m決勝 by S.K.Project)

1.
4'35"66 男乕結衣  (五城3 ・宮城) 2.4'36"90 滝本茉心  (下小路3・岩手) 3.4'37"33 丹野星愛  (大島3 ・福島)

東北の選手は、中学卒業後の”伸びしろ”が多いと言われている。

「大学・実業団へ進んでからの成長が楽しみ」とも言われている。

どの高校へ進むのか。東北には、それぞれの県に駅伝強豪校がある。

青森山田、仙台育英、学法石川など「県内では一強」という県もあれば…

逆に岩手、秋田、山形は「複数の強豪校」が毎年競い合っている県もある。

高校卒業後、関東の大学へ入る生徒、東海・関西などの大学へ入る生徒もいる。

上記の3選手だけでなく多くの中学生が”伸びしろ”がある強みを武器にして欲しい。

東北出身の選手が3年~5年後、日本代表選手として活躍してくれることを期待したい。


(高校駅伝2024の進路情報公開!!【箱根駅伝2024】by HAGIRUNちゃんねる)

青山学院大学
・折田壮太    (須磨学園)
・遠藤大成    (佐久長聖)
・槇村真登    (いわき秀英)
・徳本 陽    (東農大二)
・黒田 然    (玉野光南)

駒澤大学
・桑田駿介    (倉敷)
・坂口雄哉    (世羅)
・中野颯人    (一関学院)
・秋山稟央    (伊賀白鳳)
・高橋空也    (水戸工業)

東洋大学
・宮崎 優    (東洋大牛久)
・松井海斗    (埼玉栄)
・内堀 勇    (巨摩)
・迎 暖人    (拓大一)
・馬場アンジェロ光(学法石川)
・杉浦蒼太    (仙台育英)
・永井孝明    (洛北)
・陳内紫音    (小林)

國學院大學
・飯國新太    (国学院久我山)
・塚本瑞紀    (津田学園)
・吉田滉太朗   (いわき秀英)

法政大学
・粟野 揺    (大阪桐蔭)
・平山櫂吏    (八千代松陰)
・町田陽太    (東農大二)
・池永 航    (九州国際大付)
・粟野 紡    (大阪桐蔭)

早稲田大学
・山口峻平    (佐久長聖)
・立迫大徳    (鹿児島城西)
・吉倉ナヤブ直希 (早稲田実業)
・瀬間元輔    (東農大二)
・安心院大渡   (大分鶴舞)

その他、創価大学、大東文化大学、中央大学の新入生を紹介している。

因みに、補足しておくと青山学院大学の新入生は中央大学の戦力を凌ぐと思われる。

<青山学院大学新入生>※15名加入すると思われる中の11名
・折田壮太  13分28秒78 (須磨学園) ※1500m 3分52秒64、3000m 8分21秒88
・飯田翔大  13分34秒20 (出水中央) ※1500m 3分50秒74、3000m 8分17秒23
・佐々木大輝 13分55秒85 (花咲徳栄) ※1500m 3分48秒14、3000m 8分13秒55
・佐藤愛斗  13分57秒15 (小林)   ※1500m 3分52秒86、3000m 8分14秒97
・遠藤大成  13分58秒03 (佐久長聖) ※3000m 8分13秒41、3000mSC 8分45秒47
・小河原陽琉 13分58秒96 (八千代松陰)
・槇村真登  14分03秒62 (いわき秀英)
・安島莉玖  14分06秒47 (大垣日大) ※1500m 3分57秒45、3000m 8分14秒20
・福冨 翔  14分09秒05 (須磨学園) ※1500m 3分57秒58、3000mSC 9分06秒72
・徳本 陽  14分09秒98 (東農大二) ※1500m 3分54秒29、3000m 8分19秒81
・黒田 然  14分19秒13 (玉野光南) ※3000m 8分16秒17、3000mSC 8分40秒71


2024年度の新入生としては箱根駅伝出場校の中でダントツの戦力だと間違いなく言える。

しかしながら、これらの選手全員が揃って順調に成長していくわけではない。

この中から生き残れた選手だけが憧れの箱根駅伝メンバー10名に入れる。

それは、どの大学も同じことが言える。生存競争はどこにでもある。

各大学の2024年度新入生が、これからの4年間でどのように成長していくのか。

箱根駅伝での活躍は勿論、その後、「世界の舞台」で活躍する選手になるのは誰か。

全ての選手が様々な経験を積みながら2年後、4年後、6年後も活躍していることを願う。

日本でも寒い本州から南国・南の島へ行き合宿をしているだろう。

長距離チームも沖縄や宮古島、徳之島などで合宿すしているだろう。

大学は勿論、高校駅伝強豪校の中でも沖縄合宿をしているチームもある。

いずれにしても、この時期に筋力強化やスプリント強化をしておく必要がある。

こういう選手達の練習風景を見て刺激をもらいながら今必要なことを行って欲しい。


EPISODE 2 : HOW TO QUALIFY FOR THE OLIMPICS : Road to Paris Olympics24 // 1 WEEK OF TRAINING // Vlog by Lina & Laviai Nielsen)


EPISOD 2 : TOUGH RUNNING SESSIONS  // Road to Paris Olympics 2024 // 1 WEEK OF TRAINING // Vlog by Lina & Laviai Nielsen)


EPISOD 3 : WHAT IS TRAINING CAMP?  // OLYMPIC YEAR // WHOLE WEEK OF TRAINING // TENERIFE by Lina & Laviai Nielsen)

2023年の全米学生選手権・女子中長距離種目の優勝記録は下記となる。

女子800m    1位   1分59秒83

女子1500m   1位   4分08秒60

女子5000m   1位 15分30秒57

女子3000mSC 1位   9分25秒03


今、日本の大学生とアメリカの大学生がガチ勝負をしたら、どんな結果になるか。

日本人が得意な種目である、5000mと10000mなら対等の勝負をするかもしれない。

しかし、800m、1500m、3000mSCは、米国選手のスピードに圧倒されるだろう。

この状況をどうにかしなくては日本の中長距離選手が世界の舞台で輝くことはない。

いつまでたっても「8位入賞」を称賛し「歴史的な快挙」と呼ぶレベルのままになる。

米国のようにメダリストを生むためには学生のレベルを米国並みに上げる必要がある。

箱根駅伝から世界へ。大学女子駅伝から世界へ。

そう呼ぶのは構わない。テレビ的にはウケるだろう。

しかし、実際には全国中学駅伝を走って満足して終わる選手が多い。

全国高校駅伝を走っても”世界”は見えないし”世界”は遥か彼方先にある。

世界を見るならアフリカではなく米国の学生を見て刺激を受けた方がよい。

日本の大学生が米国選手並みの記録を出せるようになってこそ”世界”が見える。


(Women's 800m final - 2023 NCAA outdoor track and field championsips by NCAA Championships) 


(Women's 1500m final - 2023 NCAA outdoor track and field championsips by NCAA Championships) 


(Women's 5000m final - 2023 NCAA outdoor track and field championsips by NCAA Championships) 


(Women's Steeplechase - 2023 NCAA outdoor track and field championsips by NCAA Championships) 

2024年1月14日(日)に京都市で開催される全国都道府県対抗女子駅伝。

優勝候補のひとつとしてあげられているのが宮城県チームだ。

ネット上では…

「絶対に宮城県が優勝する!」

「他の都府県と比べるまでもない!」

「仙台育英高校がいるんだから間違いない!」

「実業団、大学生、高校生、中学生、すべて強い!」

「メンバーを見れば宮城が優勝するのは一目瞭然でしょ!」

「仙台育英高校の選手の個人記録が間違っているなんて失礼!」

「全国高校駅伝で神村学園に負けた悔しさを全国女子駅伝で晴らす!」

順位予想をしているYouTubeには、こんな感じのコメントが沢山書かれている。

仙台育英の現役&OGの保護者、仙台育英ファンが書いているのでは?と思ってしまう。

今は名城大学で活躍している米澤奈々香選手ファンは沢山いる。

それに加えて自分の子供を家から出して仙台育英に入れた保護者が熱くなっている。

立命館宇治、須磨学園、大阪薫英女学院、筑紫女学園の保護者とは熱の入れ方が違う。

確かに宮城県のメンバーを見てみると「ひいき目なし」に強力メンバーなのは間違いない。

<全国女子駅伝・宮城県チーム代表メンバー>
〇小海 遥 (第一生命グループ)
〇佐々木梨七(積水化学)
〇米澤奈々香(名城大学)
〇力丸 楓 (名城大学)
〇橘山莉乃 (仙台育英高校)
〇長岡みさき(仙台育英高校)
〇早坂 優 (聖和学園高校)
〇細川あおい(仙台育英高校)
〇渡辺光桃 (仙台育英高校)
〇壁谷衿奈 (仙台育英高校)
〇男乕結衣 (仙台市立五城中学校)
〇林 楓夏 (仙台市立高砂中学校)
〇菅原優希乃(大崎市立古川東中学校)

個別に戦力を分析してみると昨年は1区で区間賞を獲得した小海遥選手は強い。

今年も1区を走れば「かなり強い」が、アンカーに配置した方がチーム力は上がる。

1区を小海選手にするとアンカーは実業団の佐々木梨七選手になる可能性が高い。

米澤奈々香選手は4区が妥当だが、どこを走っても強さを発揮できるだろう。

高校生は勿論、強い。だが、他の駅伝強豪校の選手も引けを取らない。

全国高校駅伝に出場していない選手の中にも実力のある選手はいる。

宮城が流れに乗って独走すれば話は別だが思ったより大差はつかない。

中学生区間には、東日本女子駅伝で区間賞を獲得している男乕選手がいる。

3000mの公式記録は9分30秒と他の中学生を圧倒する強さがあるように見える。

ただ、実際には中学生区間(3区/8区)で活躍すると予想される中学生は沢山いる。

全国中学駅伝優勝の岡山・京山中の黒田六花、樋口遥、石原万結は、強い。

全国中学駅伝準優勝の富山・大沢野中の長森結愛、黒川志帆も駅伝力が高い。

全国中学駅伝第3位の鹿児島・神村学園中の瀬戸口恋空、武田星莉も力がある。

全国中学駅伝第4位の京都・南城陽中の山本瑠衣、東城陽中の大継詩乃も侮れない。

全国中学駅伝第5位の群馬・荒砥中の稲井円花、藤澤心々は全中駅伝区間賞(日本人1位)。

これらの選手達は、全中駅伝だけでなく全国中学陸上でも活躍している選手達である。

そして、優勝候補の東京にも昨年の大会で区間上位の一兜咲子、大木優奈がいる。

このように宮城の男乕選手以上の実績と本番の強さを持った選手は沢山いる。

京都のコースとの相性や襷を貰った位置などの条件次第で結果は変わる。

それぞれの区間で宮城県の選手が上位をキープすれば優勝が見える。

宮城県が強いのは間違いない。優勝する可能性も十分にある。

宮城県の選手達には体調を万全にして本番を迎えて欲しい。

「マラソンは、毎日練習しても速くならない」

「ただ、やみくもに走っても、上達などしない」

「大事なのはトレーニングに意味を持たせること」

長距離選手として成長する為に必要なトレーニングのヒントが掴める。

自分に必要なトレーニングは、何か?

自分の弱点を改善するには、何が必要か?

どこをどのように鍛えれば速くなれるのか?

大事なのは自分のカラダを自由自在に使いこなせること。

筋肉を鍛えるのではなく体の細部まで神経を活性化すること。

自由自在に使える情報伝達能力を高めることで運動能力は高まる。

そして、なによりも不安感をなくし精神的に安定する方法を掴むこと。

中高生にはガンガン走ってスピードを磨く前に「考える力」を養って欲しい。

「考える力」こそが、将来の伸び悩みをなくし夢を実現する原動力となるだろう。


(Full Weight Lifting Routine for Runners with Sam Parsons by Tinman Elite)


(GYM routine for runnrs | helped me run 2.09 marathon by Stephen Scullion - Olympic marathoner)


(Documentary | Mindset by NN Running Team)

長年、陸上の指導をしていれば一人や二人は優秀な素質を持つ選手と出会う。

指導力など関係なく、勝手に強くなり、試合で勝ってくれる選手が育つ。

たまたま偶然にも、能力の高い選手と出会った指導者は、ラッキー。

3年間、あるいは4年間はその選手のおかげで良い思いができる。

出会いがなければ結果を出せないまま余生を過ごすだけ。

中学や高校の部活顧問の多くは出会いによって運命が変わる。

長期にわたり全国トップレベルの選手を育てている指導者の特徴は、ふたつ。

強権政治のようなトップダウン式の指導で有無を言わせずに従わせる指導者。

それとは逆に厳しい指導をしなくても選手の心を掴み才能を開花させる指導者。

両極端のタイプの指導者だが、どちらも結果を出せる指導者として認められている。

結果を出せない指導者の多くは、理想論ばかりで選手の心と体の変化を読み取れない。

「故障してしまうのは、選手のせい」

「やる気が出ないのも、選手のせい」

「結果が出せないのも、選手のせい」

「そもそも選手の能力が低いから…」

そんな風に考えている指導者を見ると「選手のことを何も理解していない」と感じる。

選手を気持ちよく走らせてあげられないのは、自分の能力が足りないからと思えない。

スカウトして預かったはいいが、故障ばかりで一向に走らせられないことへの無自覚。

あるいは、たった一度だけ優秀な選手を育てただけで自分の立場を勘違いしてしまう。

選手は高い能力を持っているのに指導者の能力不足によって継続して走らせられない。

指導者は色んな言い訳を用意している。反省するのは自分ではなく選手に要求をする。

「負けたことを反省して次に活かして欲しい」

「選手には負けたまま終わっていいのかと話した」

「自分達には何が足りなかったのかを考えるよう言った」

まったく見当違いな言葉で選手に反省を促し、責任の所在を曖昧にする。

なぜ、最強の駒澤大学が青山学院大学に勝てなかったのか。

なぜ、留学生がいる高校が佐久長聖高校に勝てなかったのか。

なぜ、男子10000mで日本記録を作った塩尻和也選手が駅伝で失速したのか。

なぜ、女子10000mで歴代3位記録を出した不破聖衣来選手は、今走れないのか。

なぜ、男子5000mで高校記録を出した石田洸介選手は東洋大学で活躍できないのか。

なぜ、全国中学駅伝で優勝したチームの選手は、その後、伸びなくなって引退するのか。

「大きなお世話だ!放っておいてくれ!お前には関係ないだろう!」

指導しているコーチングスタッフや教員・部活顧問は、そう言うかもしれない。

しかし、誰かが声を大にして”それ”を指摘しなければ選手が犠牲になってしまう。

泣き寝入りするだけ。辛く悲しい思いをするだけ。夢を諦めるしかなくなるだけ。

駅伝チームは「優秀な選手を集めれば」勝つ確率が高くなる。

優秀な選手を獲得して、毎日、全力で鍛えればチーム力は上がる。

選手は使い捨てでよい。いくらでも入ってくる。指導力など関係ない。

走らせられないことへの責任。結果を出させてあげられないことへの責任。

勝つべき時に勝たせられなかった責任。勝負の時に走らせられなかった責任。

それをきちんと自覚して責任を取る「覚悟」と「意気込み」がある指導者は少ない。

選手に対して従順さを求めて「上から目線の指導」をしている大学は、どこか。

「監督と選手」という縦の関係のまま「イエスマン」にしている指導者は誰か。

日本の学校教育の問題点。児童・生徒・学生に従順さを求める指導が続いている。

選手と指導者の立場は「対等」である。生徒と教員の立場も「対等」である。

立場が「対等」であるが故に結果を出させてあげれば信頼関係が構築される。

言葉に説得力があり、人を魅了する話術と指導力があれば信頼関係は生まれる。

結果を出せてあげられない指導者。故障ばかりで走らせてあげられない指導者。

どんな言い訳を用意しようとも、そういう指導者には「信頼関係」は築けない。

「指導者として失格。不適格。無責任。いい加減。選手を犠牲にしている。」

そう言われても仕方ないことを選手を預かる指導者には自覚して欲しい。

選手は自分の”モノ”ではない。実績を上げて出世する”道具”でもない。

目の前にいる指導者を信じて将来の活躍を夢見ている純粋な選手である。

人生を変えたいと願う大切な選手であることをもう一度心に刻んで欲しい。

本気でパリ五輪を目指すなら駅伝よりもトラック練習を充実させた方がよい。

それを分かっている実業団選手は国内外の暖かい場所で合宿をして体を仕上げる。

陸上を生業にしている選手は、寒さの中を体操服で走らされる中学生とは訳が違う。

年間を通して暖かい場所や標高の高い場所で合宿をしてキレのある体を維持している。

一部の駅伝強豪校の高校生や大学生も南の島へ行って春季トラックシーズンに備える。

暖かい場所で2週間~1か月間過ごせるチーム(選手)は極めて良い状態で春季を迎える。

一年中、真夏のような暑さの環境で練習ができたら体は絞れたまま良い状態を維持できる。

今年のトラックシーズンに大きな飛躍を遂げたいなら今の時期でもこういう練習をしたい。


(5000m Specific Workout 300 × 15 by Paul Chelimo)


現役時代は箱根駅伝を盛り上げて沸かせた徳本一善氏と花田勝彦氏。

2024箱根駅伝では指導する生徒達にどんな苦難と喜びを与えるだろうか。


(【大会直前!箱根駅伝監督に聞く】駿河台大学 徳本一善監督「残酷なほどの競争が生まれたことで、とんでもないチャンスが来ている」by Sports Graphic Number)


(【大会直前!箱根駅伝監督に聞く】早稲田大学 花田勝彦監督「個か、チームか。まだまだやらないといけないことがある」by Sports Graphic Number)

<全国高校駅伝2022・女子総合>
  1.1:07:28 神村学園    (鹿児島)
  2.1:07:29 仙台育英    (宮城)
  3.1:08:16 立命館宇治   (京都)
  4.1:08:52 大阪薫英女学院 (大阪)
  5.1:08:52 長野東     (長野)
  6.1:09:16 須磨学園    (兵庫)
  7.1:09:16 筑紫女学園   (福岡)
  8.1:09:17 青森山田    (青森)
  9.1:09:20 銀河学院    (中国地区代表)
10.1:09:52 豊田大谷    (東海地区代表)
11.1:10:15 世羅      (広島)
12.1:10:18 宇都宮文星女子 (栃木)
13.1:10:20 錦城学園    (東京)
14.1:10:22 白鵬女子    (神奈川)
15.1:10:24 埼玉栄     (埼玉)
16.1:10:39 学法石川    (福島)
17.1:10:45 大分東明    (大分)
18.1:10:48 市立船橋    (千葉)
19.1:10:53 新潟明訓    (新潟)
20.1:11:00 西京      (山口)
21.1:11:02 茨城キリスト  (茨城)
22.1:11:04 諫早      (長崎)
23.1:11:08 豊川      (愛知)
24.1:11:09 東海大相模   (南関東地区代表)
25.1:11:11 旭川龍谷    (北海道)
26.1:11:11 山田      (高知)
27.1:11:13 小林      (宮崎)
28.1:11:30 興譲館     (岡山)
29.1:11:30 和歌山北    (和歌山)
30.1:11:42 浜松市立    (静岡)
31.1:11:45 ルーテル学院  (熊本)
32.1:11:53 北九州市立   (福岡)
33.1:11:55 花巻東     (岩手)
34.1:12:12 水城      (北関東地区代表)
35.1:12:25 東大阪大敬愛  (近畿地区代表)
36.1:12:27 智辯カレッジ  (奈良)
37.1:12:31 比叡山     (滋賀)
38.1:12:31 山梨学院    (山梨)
39.1:12:36 鯖江      (福井)
40.1:13:02 鳴門      (徳島)
41.1:13:11 美濃加茂    (岐阜)
42.1:13:44 山形城北    (山形)
43.1:13:49 四学大香川西  (香川)
44.1:14:10 帝京長岡    (北信越地区代表)
45.1:14:22 佐賀清和    (佐賀)
46.1:14:28 鳥取城北    (鳥取)
47.1:14:28 盛岡誠桜    (東北地区代表)
48.1:14:30 北山      (沖縄)
49.1:14:55 常盤      (群馬)
50.1:14:55 札幌創成    (北海道地区代表)
51.1:15:01 千原台     (南九州地区代表)
52.1:15:03 増田東     (島根)
53.1:15:46 鈴鹿      (三重)
54.1:16:48 八幡浜     (愛媛)
55.1:16:49 富山中部    (富山)
56.1:17:11 髙松工芸    (四国地区代表)
57.1:17:14 大曲      (秋田)
58.1:17:47 遊学館     (石川)

<1区・区間賞&上位者>※TOP5
1.19:19 奥本菜瑠海  (大分東明3)
2.19:24 山本釉未   (立命館宇治3)
3.19:30 細川あおい  (仙台育英2)
4.19:35 名和夏乃子  (長野東3)
5.19:36 古木愛莉   (ルーテル学院2)

<2区・区間賞&上位者>※TOP5
1.12:40 デイシージェロップ (仙台育英2)
2.13:16 髙橋美月   (銀河学院3)
3.13:17 関本 遥   (須磨学園3)
4.13:18 パウリンワンジク  (帝京長岡1)
5.13:20 大熊さわ   (筑紫女学園1)
5.13:20 シャロンムワンティ    (山梨学院1)

<3区・区間賞&上位者>※TOP5
1.  9:39 芦田和佳   (立命館宇治1)
2.  9:40 長岡みさき  (仙台育英2)
3.  9:51 黒神璃菜   (神村学園2)
4.  9:51 森 千莉   (豊田大谷3)
5.  9:56 大川菜々美  (和歌山北1)

<4区・区間賞&上位者>※TOP5
1.  9:22 佐藤ゆあ   (立命館宇治2)
2.  9:28 磯 陽向   (仙台育英1)
3.  9:30 小倉陽菜   (神村学園2)
4.  9:36 向井友希   (大阪薫英女学院3)
5.  9:37 五島彩香   (世羅3)

<5区・区間賞&上位者>※TOP5
1.14:50 カリバカロライン    (神村学園3)
2.15:24 ルーシードゥータ    (青森山田2)
3.15:29 ローズワングイ    (世羅2)
4.16:00 ジェシンタニョカビ   (白鵬女子2)
5.16:08 神田青葉   (西京2)

<全国高校駅伝2022・男子総合>
  1.2:01:00 佐久長聖    (長野)
  2.2:02:49 倉敷      (岡山)
  3.2:03:34 八千代松陰   (千葉)
  4.2:03:47 須磨学園    (兵庫)
  5.2:03:55 埼玉栄     (埼玉)
  6.2:03:57 大牟田     (福岡)
  7.2:04:23 洛南      (京都)
  8.2:04:33 仙台育英    (宮城)
  9.2:04:40 小林      (宮崎)
10.2:04:51 九州学院    (熊本)
11.2:05:21 札幌山の手   (北海道)
12.2:05:27 東農大二    (群馬)
13.2:05:54 世羅      (広島)
14.2:06:03 國學院久我山  (東京)
15.2:06:04 智辯カレッジ  (奈良)
16.2:06:24 鹿児島城西   (鹿児島)
17.2:06:24 学法石川    (福島)
18.2:06:41 青森山田    (青森)
19.2:07:01 鳥栖工     (佐賀)
20.2:07:06 関大北陽    (大阪)
21.2:07:42 山梨学院    (山梨)
22.2:08:04 東洋大牛久   (茨城)
23.2:08:06 鎮西学院    (長崎)
24.2:08:37 大分東明    (大分)
25.2:08:40 小豆島中央   (香川)
26.2:08:46 今治北     (愛媛)
27.2:08:52 那須拓陽    (栃木)
28.2:09:10 浜松日体    (静岡)
29.2:09:08 和歌山北    (和歌山)
30.2:09:18 鳥取城北    (鳥取)
31.2:09:28 秋田工     (秋田)
32.2:09:32 豊川      (愛知)
33.2:09:36 相洋      (神奈川)
34.2:09:37 富山商     (富山)
35.2:10:03 西京      (山口)
36.2:10:26 遊学館     (石川)
37.2:10:48 開志国際    (新潟)
38.2:10:53 比叡山     (滋賀)
39.2:10:53 鯖江      (福井)
40.2:10:57 中京      (岐阜)
41.2:11:12 伊賀白鳳    (三重)
42.2:11:46 北山      (沖縄)
43.2:11:48 東海大山形   (山形)
44.2:12:05 盛岡大付    (岩手)
45.2:13:11 つるぎ     (徳島)
46.2:16:28 平田      (島根)
47.2:10:37 高知農     (高知)

<1区・区間賞&上位者>※TOP5
1.29:11 折田壮太   (須磨学園3)
2.29:30 松井海斗   (埼玉栄3)
3.29:32 宮崎 優   (東洋大牛久3)
4.29:33 永原颯磨   (佐久長聖3)
5.29:34 増子陽太   (学法石川1)

<2区・区間賞&上位者>※TOP5
1.  8:14 寺田向希   (國學院久我山3)
2.  8:15 福田海未   (智辯カレッジ3)
3.  8:16 陣内柴音   (小林3)
4.  8:17 齋藤一筋   (学法石川3)
5.  8:20 遠藤大成   (佐久長聖3)
5.  8:20 川口峻太朗  (洛南2)

<3区・区間賞&上位者>※TOP5
1.22:47 サムエルキバティ    (倉敷2)
2.23:05 ガユサミュエル   (札幌山の手1)
3.23:21 山口竣平   (佐久長聖3)
4.23:32 山口翔輝   (大牟田3)
5.23:33 ジェームスカルリ    (青森山田1)

<4区・区間賞&上位者>※TOP5
1.23:10 桑田駿介   (倉敷2)
2.23:17 濱口大和   (佐久長聖2)
3.23:44 並川颯太   (洛南3)
4.23:45 福富 翔   (須磨学園3)
4.23:45 船越 碧   (九州学院3)

<5区・区間賞&上位者>※TOP5
1.  8:14 佐々木哲   (佐久長聖2) ※51年ぶり区間新
2.  8:34 榎木凛太朗  (小林3)
3.  8:38 髙橋凛琥   (八千代松陰3)
3.  8:42 奥野恭史   (洛南1)
5.  8:44 山上勇希   (大牟田3)
5.  8:44 知念優斗   (鹿児島城西3)

<6区・区間賞&上位者>※TOP5
1.14:16 吉岡斗真   (佐久長聖3)
2.14:38 飯田ケビン  (小林2)
3.14:45 桶田悠生   (八千代松陰2)
4.14:48 佐藤我駆人  (九州学院3)
5.14:52 髙木峻平   (洛南3) 

<7区・区間賞&上位者>※TOP5
1.14:13 平山櫂吏   (八千代松陰3)
2.14:28 篠 和真   (佐久長聖2)
3.14:30 生田鼓太郎  (倉敷3)
4.14:35 鈴木大翔   (仙台育英1)
5.14:37 島田悠人   (埼玉栄2)

今年の全国中学駅伝女子の部で優勝候補と目されていた岡山県代表の京山中学校。

全中チャンピオンと中学ランキング上位者をズラリと並べて圧勝かと思われたが…

結果として区間賞は1人のみ。優勝はしたものの夏の頃の勢いは感じられなかった。

全中女子1500m&U16女子1000mの優勝者がアンカーを走り区間3位に終わっている。

全国高校駅伝男子は佐久長聖のチーム力が頭一つ・二つ抜けていると言われている。

だが、倉敷や洛南、須磨学園なども力があり簡単には逃げさせてくれないだろう。

1区で30秒以上の遅れをとると先頭に追い付くのは5区以降になる可能性もある。

例え5000mのチーム平均タイムがダントツのトップでも駅伝では話は別である。

駒澤大学の10000mの記録が凄いからといって全区間で区間賞を獲ることはない。

誰かがつまずけば、それが連鎖して思わぬアクシデントが続くこともあり得る。

トラックで好記録を出していても駅伝当日の調子が悪ければ脅威にはならない。

駅伝はロードへの適性がある選手が強い。厚底シューズが潜在能力を引き出す。

スピードが無くても崩れなければいい。ブレーキさえしなければ勝機はある。

起伏のあるコースへの対応力も必要。「山の神」が出現したら流れは変わる。

中学駅伝優勝の京山中、高校駅伝優勝候補の佐久長聖高、箱根駅伝優勝候補の駒澤大。

優勝候補と言われる学校が下馬評通りに優勝するには運を味方につけることも大事。

全国高校駅伝男子は、1区で混戦、6区で大波乱が起きる可能性が漂っている。

箱根駅伝でも1区は混戦、5区・6区の山で大逆転が起きることだってある。

トラック種目の記録では判断できないのが駅伝の面白さでもある。

全国高校駅伝男女、富士山女子駅伝、ニューイヤー駅伝、箱根駅伝。

それぞれの大会で筋書きのないドラマが繰り広げられることを期待したい。

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