どうすれば、大人になってからも活躍できる選手になれるのか。

どうすれば、海外で開催される五輪や世界陸上で活躍する選手になれるのか。

どうすれば、中学高校大学時代の輝きを20代後半まで維持できる選手になれるのか。

誰しもが分かっているのは、ジュニア期に無理をさせないこと。

中学や高校時代は、成長速度が速く、やらせればやらせただけ走れてしまう。

中学生が高校生の練習をしたり高校生が実業団並みの練習をすれば好記録は出てしまう。

それは”素質”ではなく成長を”先取り”をしただけ。

同年代の選手より少しだけ早く成長をしただけ。素質ではない。

いつかは追いつかれることを理解していないと必ず伸び悩んでしまう。

ジュニア期の活躍を自分の”素質”だと勘違いしてしまうから精神的にキツくなる。

長距離選手の場合、他の選手が成長して、追いつかれて、逆転されるのは良くあること。

立場が逆転すると負ける自分を認めたくなくて勝てなくなった理由をつくり始める。

負けた時の”言い訳”を故障や体調不良だったからとすることで自分を慰める。

殆どの場合、力が落ちているのではない。他者が伸びてきているだけ。

他者の成長を認めずに自分の調子が悪かったから負けたと考える。

その考えが自分を苦しめることになる。ストレスが溜まる。

親や指導者も負けを認められず本調子でないと言う。

そうして選手を取り巻く環境が悪循環を起こす。

言い訳は”負の連鎖”を生むだけ。選手にとってプラスにはならない。

負けた理由をきちんと考えさせなければならないのに周囲が言い訳を用意する。

今の自分に足りないもの。今の自分がやらなければならないこと。直視すべきこと。

それを冷静に考えて、今すべきことを分析して、ひとつずつ解決していけばいいだけ。

ジュニア期に活躍した選手の多くが必要な課題を明確にできずにただ悩んでいる。

自分には素質があると”勘違い”をしてしまうから負けるのが嫌になってしまう。

負けるのが嫌だから練習にも身が入らなくなる。頑張る意欲が低下する。

この先には今まで味わったことがない感動が待っていると思えない。

人生を輝かせる最高の瞬間が待っていると思えないから諦める。

全中陸上、インターハイ、インカレ、箱根駅伝での活躍は将来に結びつかない。

何故なら、そこが自分にとって最高の舞台だと勘違いをして最高の思い出にするから。

もっと大きくて華やかな舞台で自分をより一層輝かせてくれる舞台に立ちたいと思えない。

ジュニア時代や箱根駅伝で活躍した選手が世界の舞台でトップ争いができない理由。

それは、選手の周りにいる人々が「将来の夢」を語るだけで「道筋」を知らないから。

五輪や世界陸上でメダル争いするために必要な「努力量」を教えられないから。

そこへたどり着くまでの道のりを的確にアドバイスしてガイドできないから。

分からなければ分かる人に聞けばいいのに。助けてと言えばいいのに。

親や指導者のエゴや余計なプライドが邪魔をして聞こうとしない。

親が解決しようとしても何も解決できないことが分からない。

目の前にいる指導者では解決できないことを認めない。

それが世界の舞台に立てない一番大きな原因である。

ジュニア期に活躍した選手や箱根駅伝で活躍した選手にも明るい未来はある。

20代になって世界の舞台で輝ける可能性はあるし、”そこ”にたどり着ける道筋もある。

目の前にいる大人は本当に自分の味方なのか。

親も指導者も自分たちが満足感を得るのが目的ではないのか。

今、自分の近くにいる大人は自己犠牲の精神で尽くしてくれているのか。

すべては「親の自己満足」ではないか。すべては「指導者の名誉」の為ではないか。

それを解決してこそ、今から数年後の将来に世界の舞台で活躍できる可能性が広がる。

世界のトップレベルで活躍をしたければ”その世界”を知っている者のところに行くべき。

夢を語るだけでなく「今のままではダメだよ」と言ってくれる環境に身を置くべき。

都合の良い話ばかりではなく「この程度の努力では無理」と言ってくれる指導者。

本気で世界のトップレベルを目指したいならそういう指導者の元へ行くべき。

今の日本陸上界には本気で世界のトップを狙う方法を知る者はいない。

日本陸連にも大学指導者にも高校指導者にも、ひとりもいない。

もし、居るとしたら陸上界の内側ではなく外側にいる。

陸上界の外側から客観的に現状分析して数年後の未来を描いている人物。

そういう人物が近い将来、日本の中長距離界を世界トップレベルへと導くだろう。