日本のマラソン選手が世界陸上や五輪でメダル争いが出来ない理由、それは…

「日本人は綺麗に舗装された道路に慣れ過ぎている」

「日本は、駅伝が盛んなのでロードを走る筋力が鍛えられている」

「しかし、それは、高校・大学・実業団と同じ筋肉しか鍛えていないとも言える」

「整地されたロードコースに慣れ過ぎていてトレイルなどの不整地では圧倒的に弱い」

「日本の選手に必要なのは、標高の高い山岳をバンバン・ガンガン走れる力を養うこと」

「岩がボコボコしている山の急斜面を駆け上ったり、一気に駆け下ったりする脚力」

「脚力強化に対する認識を根底から覆すトレーニングをしてこそメダルが見える」


(2021 ZAO SKYRACE/蔵王スカイレース by SKYRUNNING JAPAN)

ある実業団チームのスタッフは、かつて高橋尚子選手が走っていたコースを見て呟いた。

「こういうコース(不整地)では捻挫したり股関節や膝や腰を痛めるのが心配」

「脚を痛めてしまったら意味がないので無理はさせられない」

「選手も足場が悪いコースを走るのに抵抗感がある」

そんなことを言っているからメダル争いができないということに気付かない。

考え方が逆である。故障するのが心配なら壊れない脚をつくれば良いだけ。

ゆっくり走ってもロード走や筋トレでは鍛えられない脚力を鍛えられる。

カラダの使い方、接地感覚、重心移動などが次第に研ぎ澄まされる。

慣れてきたら勢い良くバンバン走っても壊れない脚になっている。

多くの日本人選手は、普段使っていない筋肉が沢山あることに気付いていない。

同じ筋肉を酷使するから故障する。使っていない筋肉を使えば脚力は格段に高まる。

それに気付いたのが小出義雄監督であり、鈴木秀夫監督である。好んで山を走らせた。

アメリカのマグノリアやガニソンやフラッグスタッフに行かなくても国内にコースはある。

本気でマラソンでメダル争いをしたい気持ちがあるなら迷わずに山岳コースを走ること。

自由自在に走れる心とカラダのタフさを養ってこそ五輪でのメダルが見えてくる。

今からやれることは沢山ある。トレーニングに対する発想の転換と意識改革。

それが出来てこそ、日本人選手がメダル争いをする姿を見られるだろう。