今から31年前の日本選手権女子10000m決勝。当時の日本記録は31分54秒0。

その時代に活躍した選手は、陸上ファンには馴染みが深い選手が数多くいる。

増田明美さん、山下佐知子さん、朝比奈三代子さん、松野明美さん、安倍友恵さん。

高校・大学時代にインターハイやインカレで活躍した石坂雅美さん、秋山幸恵さん。

(1990年 陸上日本選手権 女子10000m決勝 by TAKE1500)

   1000m   3分23秒
   2000m   6分33秒
   5000m 16分07秒
   6000m 19分18秒
   8000m 25分48秒
   9000m 29分06秒
 10000m 32分18秒 松野明美(ニコニコ堂)

当時の女子長距離界のレベルを見れば30年間という月日が経過したことを感じる。

それ以上にレースを実況解説している言葉からは30年という時代の流れを感じる。

今の時代なら完全にアウトの言葉や表現を平然と使っていることにも違和感がある。

しかしながら、この翌年の1991年に日本女子長距離界の歴史が大きく変わる。

1991年は東京世界陸上が開催されて山下佐知子さんが女子マラソンで銀メダルを獲得。

翌年の1992年バルセロナ五輪では有森裕子さんが女子マラソンで銀メダルを獲得。

有森裕子さんは、1996年アトランタ五輪女子マラソンでも銅メダルを獲得。

更に2000年シドニー五輪女子マラソンでは高橋尚子さんが女子長距離界初の金メダル獲得。

そして、2004年のアテネ五輪女子マラソンでは野口みずきさんも金メダルを獲得した。

停滞していた時期が嘘のように歴史が動く時には一気に動き始めることを感じた時代だった。