昨年は、仙台育英が男女アベック優勝。

今年は、世羅が男女アベック優勝を果たした。

同じ男女アベック優勝でも、観て感じた印象は、まるで違う。

テレビ観戦した駅伝ファンに感動を与える走りをしたのは、昨年の仙台育英。

正直に言ってしまえば、今年は、素直に感動できないレースだった。

<女子レース解説>
まず、女子のレースを観て多くの方が感じたことは、留学生の強さだろう。「結局は、留学生が快走することによって勝敗が決まるのか」。そう痛感した方は正しい目を持っている。世羅は、高校駅伝の歴史において誰もが知る名門中の名門。その名門校が、男女共に留学生の力を借りて伝統を守っている。特に女子のレースは、アンカーが7人抜きして逆転優勝。日本人選手との力の差を分かりやすく説明すると…

世羅のアンカーのテレシア選手の区間記録は、14分37秒
区間3位の米澤奈々香選手(仙台育英)の記録は、15分37秒。(1分差
区間11位の藤田あい選手(小林)の記録は、16分38秒。(約2分差
区間29位の南梨花選手(成田)の記録は、17分18秒。(約2分40秒差
区間37位の高橋花和選手(旭川龍谷)の記録は、17分37秒。(3分差
区間47位の平井玲選手(高松工芸)の記録は、19分58秒。(約5分20秒差

これだけの力の差があるのは、どう考えてもフェアではない。学校教育の一環として行われている全国高校駅伝。そこに五輪選手を連れてきて走らせている。まさに勝利至上主義だ。そう言われても仕方がないくらい大きな差がある。アンカー5㎞区間を区間10位前後で走る選手は、素晴らしい選手である。力があるし実績もある選手だ。その選手と2分もの差があるのでは、もはや正当なレースとは言えない。駅伝ファンが素直に喜べない理由は、まさにアンフェアなレースだったからだ。4区を終えた時点で完全に優勝争いから遅れていたのに「よもやよもやの大逆転」。普通なら最後まで目が離せない展開に盛り上がるところだが、今回は、逆にしらけてしまった。仕方ないとは言え、余りの力の差に高校駅伝本来の面白さが薄れてしまった。残念でしかない。留学生の扱いについて論議するつもりはないが、今回ばかりは、歯がゆい気持ちでレースを見終えた。留学生の力を借りずに優勝争いを展開した仙台育英、北九州市立、立命館宇治、須磨学園の健闘を心から讃えたい。

〜男子編に続く〜