男子レースは、波乱の幕開けとなる予感に溢れている。

5000m高校歴代1位と2位の選手が激突する面白さが、まず最初の見所。

東京農大二の石田と佐久長聖の伊藤選手の走りには大いに注目が集まる。

そこに仙台育英の吉居らも加わると言う展開は、誰もが安易に想像できる。

しかし、優勝候補の仙台育英・佐久長聖・世羅よりも他校が先行する可能性がある。

余計なプレッシャーが無い分、伸び伸びと走れる選手が1区を制するだろう。

上り坂への適性、コースとの相性、一発勝負の調整力、本番での爆発力。

それらを”襷をかけている瞬間”に発揮できた選手が快走する。

どの学校も1区から流れに乗りたいのは言うまでもない。

昨年の八千代松陰のように1区で流れに乗ってしまえば、レース後半まで流れてしまう。

その展開にしたいのは、佐久長聖と東農大二、そして、九州勢だ。

九州勢は、後半に強さを発揮する展開が得意。

昨年も最後の最後で宮崎日大と自由ヶ丘が8位入賞に飛び込んだ。

1区で大きな遅れをとらなければ入賞圏内に九州勢が複数入ることもあり得る。

九州勢は、優勝候補に上らない年ほど入賞数が増える傾向があるのも面白い。

1区で上位に位置して流れに乗りたいのは、須磨学園と洛南の近畿勢だろう。

この2校は、留学生を擁していない学校の1位を獲れる潜在能力がある。

佐久長聖や東農大二よりも上位を走っても何ら不思議ではない。

須磨学園と洛南が1区を上位で襷を渡せるかに期待したい。

全ての出場校が経験したコロナ禍での部活動の在り方が勝敗を分ける点にも注目。

休校期間中も気兼ねなく練習が出来た世羅・佐久長聖・仙台育英が有利なのは事実。

やはり、自粛要請が出ている期間でも普段通りに近い練習をしていた学校は強い。

監督官庁からの指示に真面目に従い、一定期間チーム練習が出来なかった学校は不利だ。

その穴を埋めることが出来たかどうかを走りで観れる楽しさが今年の見所でもある。

そして、何よりもナイキ厚底シューズを履き熟したチームが勝利に近づく。

厚底シューズの力を最大限に発揮して、その恩恵を受けたチームが高校最高記録を出す。

見応え満点な男子のレースは、あっという間に2時間が過ぎるだろう。



女子の優勝争いは、神村学園、仙台育英、立命館宇治の3校が競う予想するのが妥当。

しかし、1区で区間賞に近い走りが出来れば、須磨学園にも可能性がある。

須磨学園も3強に引けを取らない強力な布陣で全国優勝を狙っている。

その他、総合力で上位に来る可能性が高いのが北九州市立。

筑紫女学園を破り代表になった力は本物だと言える。

アンカーで大きく順位を上げる可能性があるのが興譲館と大分東明。

5区に留学生を配置する強みは、多少の遅れを挽回できる大きな強みとなる。

「アンカーに襷を繋げばいい」という心的有利な状況は他区間の快走を生むだろう。

今年の女子レース一番の見所は、千葉県代表・成田の走り。

今年の成田は、1区の小坂井が区間賞を獲ることもあり得る。

1区小坂井、2区山﨑と5000m15分40秒台選手を並べた超前半型の采配。

1区と2区の勝負なら、出場校中最も力があるのは、成田である。

それは、優勝候補に挙げられている強豪校の監督も認める。

3区鈴木、4区横澤、5区南の1年生トリオは、全中陸上への出場実績もある。

ここ数年で何度も上位を走るレースを経験しているが、ゴールでは全て入賞圏外だった。

今回は、1区で区間賞を獲得すれば最終5区まで先頭で逃げる可能性も十分にある。

ブレーキさえなければ間違いなく成田は、レースを支配するだろう。

成田の勝負の分かれ目は、アンカー勝負になった時。

仙台育英の米澤、立命館宇治の村松、須磨学園の石松は、実績十分。勝負強い。

そして、神村学園のシンシアなど強力な留学生複数人が高速で飛ばす。

ざっと数えて成田のアンカーよりも強い選手は10人以上いる。

強豪校の選手達に負けない気持ちの強さがあるかどうか。

今年もアンカーで入賞を逃すか、前半の貯金を活かして悲願の入賞なるか。

昨年男子レースを盛り上げた八千代松陰に匹敵する成田の走りにも注目して欲しい。