駅伝シーズン真っ盛りの年末年始。

どんなチームが勝利を掴むのかを冷静に考えてみる。

有望な選手をスカウトして獲得に成功したチームが強いのは大前提。

スポーツの世界では、勝つ為には指導力以前に選手獲得が大事だと言われている。

「駒(選手)が揃わないと勝負にならない」

「選手獲得がチームの勝利を大きく左右する」

「良い駒(選手)を2年連続で獲得したチームが黄金時代を築く」

中学駅伝でも高校駅伝でも大学駅伝でも実業団駅伝でも全てにおいて同じ。

指導力など殆ど関係ない。すべては有望選手との出会い次第。

長い教員生活の中では、たまたま偶然に能力の高い選手と出会うことはある。

全国レベルの選手を一人でも出すと「あの先生は凄い!」と地元では噂になる。

たまたま偶然に複数の有望選手が同時期にチームに加入すれば全国優勝も近づく。

殆ど何も言わなくても自分達で切磋琢磨しながら強いチームになっていく。

指導力とは関係なく、選手自身が自らの努力で強いチームを作り上げる。

「指導者とはお飾りに過ぎない。選手あっての指導者である。」

そういう自覚がないと自分の力を過信したまま過去の栄光をずっと語り続ける。

本当に指導力があるなら、どんな状況下でも強いチームは作れる。

鉄剤注射の力を借りなくても選手の育成は出来る。

厚底シューズを履かせなくても好記録を出すことが出来る。

過去に大きな実績を残した指導者が、今年、強いチームをつくれなかったとしたら…

それは、ほぼ間違いなく、鉄剤注射の力を借りて手に入れた実績と考えて良い。

2年連続で有望な選手を獲得したのに期待通りの結果が出せていないとしたら…

それは、まず間違いなく、選手を育成する力が足りないと考えて良いだろう。

選手の能力を活かせない指導者は、数多くいる。

選手を潰しておいて責任を取らない指導者は本当に多い。

実績の無い選手をそこそこの選手に育てることは難しくない。

また、実績のある選手を同じレベルで活躍させることも難しくない。

全国トップレベルの中学生をインターハイで活躍させるのは難しくない。

しかし、実績のある選手を更に上のレベルにするのは簡単ではない。

高校トップレベルの選手を五輪選手に育てるのは、ハッキリ言って難しい。

弱い選手を強くするのは簡単。

強い選手をそこそこ強いままにさせるのも難しくない。

しかし、強い選手を更に成長させて超強くするのは本当に難しい。

それが出来るのが指導力に長けた指導者と言える。

中学高校時代に実績がない選手を箱根駅伝で活躍させるのは難しくない。

中学高校時代に大活躍して注目された選手を箱根駅伝でも輝かせるのは難しい。

これから始まる全国高校駅伝。

本来なら全国大会へ出場しているはずなのに予選を勝ち抜けなかった高校もある。

有望選手を複数人獲得しているのに活かすことが出来ないのでは選手が可哀そう。

ニューイヤー駅伝、箱根駅伝なども同じ。

出場メンバーを見れば、どの指導者がどの程度の育成力があるのかが良く分かる。

「故障してしまったからメンバーから外した」

「調子が上がってこないから若手選手を使った」

「本来ならアイツを使いたいけど…苦渋の決断をした」

全ては言い訳に過ぎない。

故障させてしまうのは、指導の管理不足。

調子を上げられないのも指導者の調整力不足。

かつての走りをさせられないのは、指導力不足。

長期計画で育成して来なかったから箱根駅伝や実業団駅伝で輝けない。

使えるだけ使って伸び悩んだら放っておく。

全てを選手の責任にして自分の保身に走る指導者ほど惨めなものはない。

これからは、選手が指導者の見極めをする時代になる。

選手の能力を最大限に活かせる指導者のもとに選手は集まるだろう。

人気先行ではなく育成力があるチームへ加入することが自分の成功に繋がる。

全国高校駅伝、ニューイヤー駅伝、箱根駅伝などの見所は、そこだ。

どんな選手が、どんな成長をしているのかをメモを取りながら観戦する。

選手の能力を最大限に引き出しているチームを良く見て確認して欲しい。

きっと、今まで見えていなかった真実が画面を通じて見えてくるだろう。