今年度の陸上界は、新型コロナの影響で組織の在り方に大きな変化が起きた。

感染拡大を防ぐために学校が休校になったことで部活動への依存が無くなった。

中学校では、部活動が機能しなくなったことによって選手のパフォーマンスが落ちた。

駅伝強豪校と言われていた中学校の部活では、生徒との手綱を離した状態になった。

学校へ行って練習をするという当たり前のことが無くなると生徒の気持ちが切れた。

毎日、朝練と放課後練習をするのが当たり前。

週末も遠征に行くのが当たり前だった日常生活が無くなった。

他校よりも練習をして強いチームを作っていた学校が勝てなくなった。

生徒の粘り、集中力、勝利への執着心が薄れてしまったことが原因である。

高校では、中学時代に活躍していた選手が故障を理由に走れなくなることが起きている。

成長期による体型と意識の変化によって力が落ちたまま復調しない状態が起きている。

大学では、自主性に任せていた選手がキレを失くしたままになっている。

また、生徒を厳しく管理することで強さを維持していた大学が低迷している。

一方、活躍している選手の背景を見るとクラブチーム的な環境下で練習をしている。

海外では主流になっている「プロチーム」のようなグループに勢いがある。

来年以降も学校や会社の枠を超えて強くなりたい選手が集まるグループが活躍するだろう。

コロナ禍において学校単位の練習や組織形態には、限界があることを再認識させられた。

もし、来年も新型コロナの感染が収束せず、逆に第4波や第5波が来たらどうなるか。

ウィルスの変異が進み、感染力が増して、更に大きな脅威を振うようになったとしたら…

再び緊急事態宣言が出されたとしたら…学校単位の練習形態は、完全に崩壊する。

生き残れるのは、小グループのチーム。

同じ目的意識を持った仲間が集まるチーム。

干渉されずに自由に集まることが出来るチーム。

それが、今後の陸上界の主流となってくるだろう。

従来通りの学校という枠を超えた新しい形態のチーム。

狙った大会で結果を出す為に集まった意識の高い選手が集まるチーム。

そういうチームの中から将来、世界へ羽ばたく選手が育つ可能性を信じて期待をしたい。