世界記録は、今現在、14分06秒台まで更新している。

14分30秒を切るのが当たり前に思えるレベルになっている。

日本記録は、2005年に福士加代子選手が出した14分53秒22のまま。

先日のレースで新谷仁美選手が日本歴代2位の14分55秒83で走り日本記録に迫った。

今年、14分台で走った選手が2名出たことは日本長距離界にとって大きな収穫となった。

1500mと3000mの日本記録保持者となった田中希実選手にも14分台が期待されている。

新谷選手との直接対決によって日本記録の大幅更新に大きな期待が寄せられている。

世界記録が14分10秒を切っている現状を踏まえて日本記録の到達点を推測すると…

日本人選手が常に見据える目標であって欲しい記録は、世界記録と30秒差以内の記録。

つまりは、最低でも14分40秒切りを2年以内に達成するというビジョンが立てられる。


(5K WORLD RECORD LETESENBET GIDEY 14:06 by FloTrack)

1000m   2:51.10
2000m   5:42.73 (2:51.6)
3000m   8:31.85 (2:47.1)
4000m 11:19.17 (2:47.3)
5000m 14:06.65 (2:47.5)

3000mの通過記録は、現在、田中選手が持つ3000mの日本記録よりも10秒以上速い。

しかし、3000mの日本記録が8分30秒前後まで更新されたら、5000mの歴史も変わる。

田中希実選手が、1500mに比例する力を発揮したら3000mを8分30秒前後で走行可能。

そこが到達できれば、3000mの通過ラップが8分40~45秒になっても難しくなくなる。

8分45秒以内で通過することができれば、14分35秒前後の記録が見えてくる。

新谷選手、田中選手、廣中選手、萩谷楓選手などが”それ”を意識して競り合えば面白い。

他の選手も含めて複数人が競い合えば、2年以内に達成することが期待できる。

更に言うと…将来、14分30秒前後で走れる可能性を秘めた若手選手は沢山いる。

先日行われた日本選手権1500m決勝に残った選手なら、どの選手にもチャンスがある。

それを達成させられるかどうかは、指導者の意識レベル次第。

選手にとっては、「熱意」「経験」「人間味」のある指導者に巡り合えるかどうか。

結局は、指導者の導き方によって選手の可能性は開花される。

視野が狭く、自分の限界を選手の限界に置き換えてしまう指導者には到底できないこと。

余計な壁を作らずに選手の可能性を最大限に広げる指導が到達点を引き上げる。

このまま現状維持で放っておけば世界記録との差は、1分以上に開いてしまう。

それを逆に30秒以内に縮めるには、日本ランキングTOP30のレベルを引き上げたい。

日本ランキング30番目の3000mPBが、8分50秒を切るレベルになることが大前提となる。

将来有望な選手が揃っている今の中高生には、是非、その目線で世界を目指して欲しい。