全国各地で試合が開催され始めた。好記録が出ている大会もある。

感染予防措置を取り、大会主催者と運営関係者は選手に為に尽力してくれている。

自分達のことよりも児童生徒の為に大会運営に携わってくれている方々には頭が下がる。

そう考えるとやはり好記録を出すことで感謝の意を伝えるのが一番よい。

児童生徒が一生懸命に競技する姿を観て力を貰える運営関係者もいるだろう。

子供達が夢中になって走ることで少しでも免疫力が高まればそれに越したことはない。

競技する子供も運営者として支える大人も共に免疫力をアップして感染防止に繋げたい。

ひとつ懸念すべき点は、練習不足のまま大会に出場しようとする生徒の多さである。

試合が開催されて好記録が出ている反面、脚を痛めてしまったという声も多い。

練習不足を1〜2週間で慌てて取り戻そうとしてもダメ。

そもそも休んでしまった時間を簡単に取り戻せるはずはない。

やらなかった時間をやったことには出来ない。

落ちてしまった筋力や心肺機能を元に戻すのは休んだ時間の数倍の時間が掛かる。

では、ここからの数週間で何をすれば休校前の状態に近づけられるだろうか。

大事なことは、無理して追い込んだ練習をしないこと。

無理して記録を出そうとしないこと。それに尽きる。

カラダを休めていたのだから、練習を再開して1週間くらいは軽快に走れる。

「あれ?練習不足って関係ないかも…」

「カラダが軽いし、スピードも出る」

「1年ぶりに自己記録が出た!」

そんな風に感じた生徒もいるかもしれない。

カラダを休めていた分だけ慢性疲労は解消されている。

いつになくカラダが軽く感じるのは、フレッシュな状態だから。

筋肉も骨も血液も内臓器官も…春先から連戦して疲れている状態とは違う。

フレッシュな状態だからこそ思わぬ記録が出ることもある。

しかし、それは、2回3回と続かない。

「スピード練習をしたら故障してしまった」

「リレーの練習中に肉離れをしてしまった」

「1試合走っただけで疲労骨折してしまった」

これらの声は、全国のあちこちで聞こえる。

人のカラダは、そんなに強くない。

慢性疲労が無い分、気持ち良く全力疾走できるが、カラダが追い付かない。

たった1試合走っただけで疲労骨折してしまうのはカラダが弱くなっている証拠。

走る練習よりも、サーキットトレーニングなどで1から体を作り直す必要がある。

古いタイプの指導者は「走っているうちに筋力は強くなる」と言う。

それは違う。ただ、漠然と走っているだけでは脚力強化はできない。

「どこの筋肉をどのように動かせば、どんな風に鍛えられる」

それを理解していないと脚力強化は出来ない。

そもそも走ることは脚だけ鍛えれば速くなる訳ではない。

総合的な身体能力の向上が大前提として必要。

全身ムラなくカラダの隅々まで鍛えてこそ力まずに走れるようになる。

小学生や中学生は、脚だけで走る選手が多い。

脚を速く動かすことが出来るという”センス”だけでスピードが出てしまう。

毎日走っていれば、そのセンスは衰えずに一定の年齢になるまで維持できる。

しかし、長期に渡り練習をせずにカラダだけが大きく成長すると感覚は衰える。

衰えるだけなら良いが、疾走する感覚を忘れてしまい以前の走りが出来なくなる。

思うように走れないから力んでしまい無駄な力を使って逆にバランスを崩してしまう。

これが伸び悩みの原因だったり、故障する原因となる。

休校期間中の遅れを取り戻すのに必要なこと。

それは、カラダの隅々までを自由自在に使いこなせる訓練すること。

①スイミング(週2回)※ロングブレス、水中ウォーク、潜水
②他競技(週2回)※器械体操、バスケット、バドミントン、卓球、ダンス
③ドリル運動(毎日)※全身を使ったメリハリのある運動を30種類以上
④フロート走(毎日)※70~80%の力で余裕のある動きを意識する
⑤坂道練習(週3回)※上り坂は腿上げを意識。下り坂は引きつけを意識。

試合があるからと言ってスピードを上げた練習をする必要はない。

一番やってはいけないのは、タイムトライアルをして力試しをすること。

練習不足のカラダで全力疾走をしても力んで走る悪い癖がつくだけだ。

走る以前に必要なことがある。

それは、全力疾走しても壊れないカラダをつくること。

それが3週間後に役立つ。それが今の自分に合った新しい走りに繋がる。

休校期間に入る前の走りに戻そうとするのではない。

休校期間に入る前よりも進化した走りに作り直すことが記録向上に役立つ。

そういう視点で自分の走りを見つめ直せたら新しい発見が出来る筈だ。