恥ずかしいくらいにピントがズレている。

笑えるくらいに視界が狭くなっている。

情けないくらいに勘違いをしている。

冷静に考えれば分かるはずだ。

今の日本に来て観光を楽しみたいという外国人が本当にいるだろうか。

東京都の感染者数が増えているというニュースは、世界中で流れている。

「TOKYO」は、世界的に有名な最先端のBIG CITY。

様々な文化を世界に発信しているオシャレで安全な街であった。

世界中の富裕層や日本文化が好きなコアな人達が安心安全な日本に来ていた。

しかし、今は、新型コロナの感染リスクが高い街として世界中が理解している。

現実的な話をすると世界から見た日本は、アジアの小国でしかない。

余程のことが無い限り、アジアの端っこにある日本に来ることはない。

余程、お金と時間に余裕がある人じゃないと日本を訪れることはない。

興味はあるが、「行くには遠いし物価も高い国」である。

それでも日本を訪れる人が毎年増え続けていた理由は、安全な国だから。

「美しくて、最先端で、安全で、安心して過ごせる国」

そういう認識を持たれていたから多くの外国人が日本を訪れていた。

来年に延期された東京五輪を心待ちにしている外国人が本当にいるのか。

「命を脅かすリスクがあっても俺には日本に行く!」

「何が何でも東京へ行って五輪を観たい!」

そんな気持ちになっている外国人がいるのだろうか。

想像力の欠如。現状認識力不足。当事者意識の欠落。

「妄想に近い願望で突き進んでいるとしか思えない」

友人の海外スポーツジャーナリストは、そう語ってくれた。

明日で五輪開催まで1年だから1年前イベントを開催する。

アスリートからビデオメッセージを集めて世界中に流す。

もう、これ以上、アスリートを道具として使うのはやめて欲しい。

自分達に都合がいいような政治目的でアスリートを利用しないで欲しい。

「五輪は、予定通りにやる!ほら、アスリートたちも待ち望んでいる!」

そんな風に都合よくアスリートを使うJOCや大会組織委員会には憤りを感じる。

「おい!周りを良く見てみろ!誰もついてきてねーだろ!」

「一人だけ張り切っているけど、周囲は、メチャ冷めてんだろ!」

「世界中のどこに、東京五輪開催を待ち望んでいる人がいるんだ!」

「世界中のどこに、今の日本に喜んで行きたいと思っている人がいるんだ!」

そう強く言葉を投げかけても、駄々っ子となっている関係者の耳には入らない。

「やりたい!やりたい!」と駄々をこねている関係者には冷めた視線は届かない。

国のメンツを保つ為に自分達で何かをするなら良い。

しかし、純粋なアスリートたちを利用するのは許せない。

「自国開催の五輪で精一杯の力を発揮したい!」

「東京の舞台で競技人生の集大成を飾りたい!」

純粋に夢を抱いているアスリートの心を惑わすのは絶対に許せない。

今、世界の目が、どんな風に向けられているのかを関係者は理解すべき。

そして、五輪開催ではなく、自分達の退き際を真剣に考えるべきだ。

日本へ向けられた世界の目は、想像以上に冷めていることを自覚して欲しい。