この時代の陸上競技は、まだ世界と戦う意識が薄かったかもしれない。

いや、世界を目指す意識は高かった。

男子マラソンは、世界と戦う時代に入っていた。

日本男子マラソン界の黄金期と言っても良い時代であった。

しかし、トラック種目については、世界と戦うレベルとは言えなかった。

終始スローペースで走り、勝つことだけを目標にしていた。

32年前の日本選手権は、28分42秒が優勝タイムであった。


(1988年 陸上日本選手権 男子10000m決勝 by TAKE1500)

1位 28分42秒43 浦田春生 (Honda)
2位 28分42秒61 遠藤 司 (SB食品)
3位 28分42秒64 米重修一 (旭化成)

あれから32年が経過した現在、記録は大きく進化している。

<高校歴代TOP10>
  1.28:07.39 佐藤悠基 (佐久長聖)2004年11月27日
  2.28:10.32 佐藤秀和 (仙台育英)2004年11月27日
  3.28:23.18 村山謙太 (明成)  2010年12月  4日
  4.28:27.39 上野裕一郎(佐久長聖)2003年11月29日
  5.28:35.65 吉居大和 (仙台育英)2020年  3月  8日
  6.28:35.8   渡辺康幸 (市立船橋)1991年11月21日
  7.28:39.04 西池和人 (須磨学園)2009年10月  2日
  8.28:43.9   古田哲弘 (浜松商業)1995年11月26日
  9.28:45.75 林田洋翔 (瓊浦)  2018年10月12日
10.28:48.08 中山卓也 (須磨学園)2007年10月20日

<学生歴代TOP10>※日本人学生
  1.27:38.31 大迫 傑 (早稲田大)2013年  4月29日
  2.27:44.30 鎧坂哲哉 (明治大) 2011年  7月29日
  3.27:45.59 竹澤健介 (早稲田大)2007年  4月29日
  4.27:47.87 塩尻和也 (順天堂大)2017年11月25日
  5.27:48.55 渡辺康幸 (早稲田大)1995年  8月  5日
  6.27:49.94 村山謙太 (駒澤大) 2014年  4月20日
  7.27:50.59 村澤明伸 (東海大) 2012年  4月29日
  8.27:51.54 設楽啓太 (東洋大) 2013年  5月11日
  9.27:51.61 瀬古利彦 (早稲田大)1978年  7  月3日
10.27:51.65 佐藤悠基 (東海大) 2007年10月14日

高校歴代記録で最も古いのは、1991年、渡辺康幸の記録。

学生歴代記録で最も古いのは、1978年、瀬古利彦の記録。

奇しくも二人は早稲田大学OBで師弟関係になる。

時代の移り変わりと共に記録は進化していく。

今から30年後は、どんな記録が歴代記録に並ぶのだろうか。

大学生が、26分台で走る時代になっているかもしれない。

高校生が、27分台で走る時代になっているかもしれない。

現在、活躍している選手の子供が活躍しているかもしれない。

かつて活躍していた選手の孫が活躍しているかもしれない。

何よりも世界との差が縮まるレベルになっているかもしれない。

30年後の日本陸上長距離界の姿を考えると期待と不安が募る。

世界歴代TOP10 に入るような怪物ランナーの出現に期待をしたい。