石田洸介選手が、13分36秒89の高校新記録!

遠藤日向選手が、13分18秒99の日本歴代7位!

吉居大和選手が、13分28秒31のU20日本新記録! 

三浦龍司選手が、8分19秒37のU20日本新記録!日本歴代2位!

こういう素晴らしい結果が出ている背景には、今年ならではの理由がある。

環境の変化と休養期間が与えられたことが、成長期の選手達にはプラスとなった。

まず第一に環境の変化。立場の変化とも言うことが出来る。

大学一年生になり、新天地で練習に取り組んでいる吉居選手と三浦選手。

例年通りの流れなら春先から走り込み合宿が組まれたり、サーキットへ出場する。

その間に大学間の対抗戦があったり、大学の記録会があったりする。

関東インカレに向けてピークを作り、GGNや都道府県選手権も間に入る。

一年生という立場なら新入生歓迎コンパや不必要なイベントに気を遣う。

あるいは、大学生活を満喫することで羽目を外してしまい調子を落とすこともある。

しかし、今年は、例年通りのイベントは出来ず、余計な気を遣わずに済んだ。

東農大二高の石田選手と住友電工の遠藤選手は、気持ちのリセットが出来た。

本来なら、もっと記録と結果に対してプレッシャーを掛けられる立場の選手である。

それが、世界中がリセットしたことで一気に背負っているものから解き放たれた。

日を追うごとに周囲から背負わされる重圧。

期待されればされるほど不必要な責任と使命を背負わされる。

それから解放される機会がないと選手は行き場所を失い自滅してしまう。

石田選手と遠藤選手は、例え一時でも、全ての重荷を肩から下ろすことで出来た。

それが、2人には、大きな成長を遂げるきっかけとなった。

第二の理由は、自粛期間中にしっかりとカラダをリフレッシュできたこと。

自主練習をしながらも体力温存が出来たので調子の波を7月に合わせられた。

溜めて溜めて溜め抜いたエネルギーを一気に爆発させることができた。

動きたがっていたカラダを北海道の気象条件の良い地で一気に解き放った。

それが好記録に結び付いている要因となっているのは安易に想像できる。

昨年も東海大学の飯澤千翔選手が、春先から急成長して一気に記録を更新した。

飯澤選手の場合は、高校三年時に駅伝を走らずに足を休めていたことが功を奏した。

やはり、アスリートには、意図的な休養期間が必要だ。

毎年同じように試合に出て、同じパターンで生活をしていたら記録は息詰まる。

試合があるのに試合に出ないと言う選択をするのは抵抗感があるだろう。

しかし、試合自体がなくなってしまったことで強制的に体力を温存できた。

小さな波さえも立つことがなかった3ヶ月間。

その静寂の期間があるからこそ、今、大きな波となってエネルギーが爆発している。

これは、ホクレンディスタンスだけで起きていることではない。

実際には、全国各地で小さな奇跡が幾つも起きている。

小学生から大人まで、常識ではあり得ないような記録で走っている。

コツコツと努力をしてきた全てのランナーに小さな奇跡が確実に起きている。

これを新時代の幕開けと呼ぶのは、様々な議論があると思う。しかし…

日本の陸上界は、明らかに昨年までとは違う常識の中で新しい時代に入っている。

このまま更なる進化を遂げるであろう日本陸上界の未来に期待をしたい。