小学生の時に大活躍してスーパキッズと呼ばれた子供の90%は姿を消していく。

中学校でも同じ。全中チャンピオンが、なぜ、五輪までたどり着けないのか。

もっと身近なことで言うと分かりやすい。

小中学校の時に足が速かった子供は、箱根駅伝までたどり着けない。

全中陸上で活躍しても箱根駅伝に出場できない選手は数多くいる。

短距離選手は、もっと残酷な現実が待っている。

ズバ抜けて足が速かった子供は、インカレまでたどり着けずに競技をやめていく。

高校から伸びてきた選手が、インカレや日本選手権で活躍をする。

肉体的な限界?早熟だった?元々、陸上は好きではなかった?

笑わせないで欲しい。そんな言い訳は通用しない。

早熟だったなどと言って競技生活を終える時代ではない。

これだけ世界中のトップアスリートの情報が手に入る時代である。

トップアスリートが、どんな風に育ったか。どんな練習をしてきたのか。

それらは、ネット上で全て知ることができる。

分からなければSNSを通じて訊けば良いだけである。

必要であれば英語でもドイツ語でもフランス語でも覚えればよい。

翻訳ツールもある。動画を送ることも出来る。世界との壁はない。

トップアスリートと直接、繋ることができる時代である。

その努力をせずに、親の狭い枠の中で育てようとする。特に母親。

「娘のことは、私が一番理解をしている」

「息子は私がつくる食事が一番合っている」

「私が世話をしなければ精神的に不安定になる」

「誰よりも私が一番力になれる」

本気でそう考えている親が世の中には溢れている。

どんなに良い知識を専門家から与えて貰う機会があっても、それを活かさない。

自分の知識を超えるアドバイスは、一切受け付けずに拒絶する。

子供が、自分以外の人から影響を受けるのを嫌う。

自分の元から離したくない。離れて欲しくない。

その一心で子供の為に必要な取り組みを敢えて避ける。

他のモノを受け入れると自分がしてきたことを否定された気持ちになる。

自分を超える存在がいることを子供に気付かれることを恐れて拒絶する。

こういう親の元で育つ子供は、確実に伸び悩み、数年後にいなくなる。

親が潰しているという現状が、今の日本には沢山ある。

特に陸上王国と呼ばれている県に多い。

親の自己満足の為に子供を利用する。

親が抱え込んでしまい他者を受け付けない。

目先の勝ち負けにこだわり勝てるレースしかさせない。

県外の学校に行きたいと言っても絶対にそれを認めずに家から出さない。

だからと言って、自分は他者から学ぼうとしない。

こうして能力のある子供が、親のエゴの犠牲となって姿を消していく。

この現状を変えるには、陸上界にも親の不安を取り除く仕組み作りが必要。

親が殻を破り腹をくくれるような安心して預けられる育成システムが必要。

大事なのは、3つ。

・人材発掘システム
・情報共有システム
・保護者用教育システム

親が変わらなければ、子供は育たない。

もうこれ以上、能力ある子供が、潰れていく姿は見たくない。

かつての輝きを失い、自信を失い、夢を失う姿を見たくない。

今だからこそ、オンライを利用したシステム構築が必要。

リモート人材発掘・育成・教育システムを日本陸連には強く求めていきたい。