自粛要請期間に一気に増えたのが、ランニングをする人。

公立公園や河川敷などの場所で走る人が日に日に増している。

普段から走り慣れている人が、最近の様子を話してくれた。

「なんだか最近は、やたら人が多くて走りにくい」

「普段走っていないと思われる人が一気に増えた感じがする」

「そういう人は、一目瞭然、すぐに分かる」

「暗黙の了解的な”流れ”に乗って走れないから、こちらが気を遣う」

「でも、そういう人に限って、自分のことがまったく見えていない」

「自分はどうあれ、他人のことが気になるみたいで粗探しをする」

「悪者捜しをしていると言うか、弱い者いじめをしていると言うか」

「特に中学生や高校生に対する当たりは強い」

「子供が大人に感染させるという思い込みがあるからだろうか」

「中高生を見つけたら『コラ!部活ダメだろ!』と声を荒げる」

「大人が数人で一緒に走っていても注意しないのに中高生には厳しい」

「『おい!部活か!』とか『どこの学校だ!』と怒鳴って道をふさぐ」

「中高生が困った顔をしたり、泣き出しそうになるのを見て立ち去る」

「ワザと中学生や高校生がいる公園を走り「部活狩り」をしている」

「あれでは、一生懸命に走っている生徒がかわいそうだ」

そんな話をしてくれた。

”自粛警察”と言われる輩だろうか。正義感をかざして「部活狩り」をする。

大人のジョギングは許されて、中高生の自主練習はダメ。

その理由は、子供が大人に感染させる可能性があるからという思い込み。

そんな理不尽な状態が、いたるところで見受けられる。

ランニング上級者や運動部に所属している生徒が肩身の狭い思いをする現実。

そんなのは間違っている。運動慣れしていない大人の偏見だ。

走っている人が飛沫感染させるというなら、街で人がすれ違うだけでも危険だ。

スーパーで買い物をしている人々などは、もっと飛沫感染の恐れがある。

ランニング中の飛沫感染を問題視するなら、町中いたるところが危険地帯となる。

リスク回避を求めるのは良いが、自主規制によるものであるのが大前提。

他人からとやかく言われる筋合いはない。それこそマナーに反する行為だ。

ランニングの上級者は、それなりのマナーを心得ている。

部活動で専門的に運動している生徒は、他人に迷惑を掛ける行為はしない。

今更、初心者相手に力を鼓舞したりしない。それをする意味がない。

「密室・密閉・密集」とは、全く関係ないところで「嫌がらせ」は起きている。

「集団で走るな!」

「速いスピードを出すな!」

「数メートルの距離を取らずに横をすれ違うな!」

大人が強い言葉で詰め寄ったら中高生は委縮して屋外を走れなくなってしまう。

屁理屈はいくらでも並べられる。声の大きさで純粋な子供をねじ伏せられる。

もう、そんなことはやめて欲しい。

こんな時だからこそ、優しい振る舞いをして欲しい。

未来を背負って立つ子供達のやることを温かい目で見守って欲しい。

そういう社会になることが「今だからできること」なのだと思う。