14年ぶりに日本記録を更新したことは女子長距離界にとって大きな一歩となる。

ハーフの記録が、これほど長期に渡り破られなかったのは、指導者の怠慢でしかない。

日本記録を破る力のある選手は居たはずだが、選手の可能性を引き出せなかった。

私利私欲の為に選手を使う輩が多いので選手の可能性が潰されている。

それが一番残念なことであり、未だに続いている悪しき組織体質である。

競技から完全に離れた選手が、これほどまでに高いレベルで活躍するのは珍しい。

競技復帰後、そこそこの活躍をして小銭稼ぎをする選手は居る。

”昔の名前で出ています”という選手は、少なくない。

とっくに力は落ちているのに気持ちだけは一線級のままという選手は痛々しい。

しかし、新谷選手は、現役選手と比べても全く違うレベルで活躍をしている。

有言実行の走りをして”プロ意識”を見せてくれる。

「タクシーに乗ってでも勝たなくてはいけない…」

全国女子駅伝で新谷選手がインタビューで語った名セリフである。

そういう気持ちでレースを走っている選手は、新谷選手以外にはいないだろう。

新谷選手が活躍をすればするほど、実業団選手の在り方を見直すきっかけになる。

新谷選手が復帰してくれたおかげでメディアの嘘が通用しなくなった。

大学女子駅伝や実業団女子駅伝で活躍した選手でも新谷選手の前では小さく見える。

解説者が大袈裟に有力選手の紹介をしても新谷選手の前では言葉に説得力がなくなる。

大学女子駅伝や実業団女子駅伝での活躍は、見せかけだけ。

実際には、世界を相手に戦う実力など全くはないことが分かってしまう。

新谷選手の走りがズバ抜けているからこそ、他の選手のレベルが明らかになってしまう。

今の日本には、新谷選手に勝てる選手は一人もいない。それが現実である。

新谷選手がメダルを口にするなら分かるが、他の選手がメダルなど口に出来る筈がない。

東京五輪が近づく今だからこそ、日本陸上界に大きな刺激を入れる役目を担っている。

口先だけで何も現状を変えられない実業団のスタッフは新谷選手から学ぶべき。

新谷選手の日本陸上界への貢献度は極めて高い。数億円の価値があると言って良い。

かつての五輪メダリスト達の血を受け継く新谷選手の活躍は日本の歴史を変えるだろう。

2020年の活躍を応援しながら、未来へのレガシーとなる選手になることを期待したい。