ランナーズ・ジャーナル JAPAN (Runners-Journal.Jp)

事実に基づいた「真実のコラム」を掲載しています。今だからこそ伝えたい「本当のこと」をありのまま伝えたいと思います。

以前から言ってきたように日本の選手が目指すのはアフリカ勢ではない。

ケニアへ合宿に行っても強い選手にはならない。ハングリー精神など身に付かない。

「ケニアへ行って一緒に練習をした」、「良い経験ができた」という思い出が残るだけ。

日本の選手が目指すべき舞台は、アメリカにある。競い合うべき相手も、アメリカにいる。

アメリカの大学生21歳のNico Young は、10000mを26分52秒04で走破!

日本の実業団選手や駒澤大学の選手が弱々しく見えた。

まったく歯が立たなかった。日本と米国のレベルの差を感じた。

アメリカの女子高校生17歳のSadie Engelhardt は、1500mを4分09秒70で快走!

日本の高校2年生世代で1500mを4分一桁で走れる選手は、今現在、ひとりもいない。

ただ、Nico Young Sadie Engelhardtに負けない逸材は今の中高生世代には揃っている。

高校指導者が駅伝主体の指導ではなく世界を目指した「意識付け」をすれば選手は育つ。

中学・高校・大学の指導者の意識改革なくしてアメリカの選手に勝てる選手は育たない。

実業団の指導者にも世界レベルの選手を育てられる指導者は残念ながら見当たらない。

だからこそ、選手自らがアメリカの選手を追いかける意識と覚悟と意気込みが欲しい。

アメリカの選手に勝つには何が必要かを日本の選手自らが真剣に考えて欲しい。


(Grant Fisher Wins, Nico Grabs Collegiate All-Time Best & Eight Man Go Under 27:00 For 10k At The TEN 2024 by FloTrack)

  1.26:52.04 Grant Fisher             (NIKE)
  2.26:52.04 Nico Young               (Northern Arizona)    ※大学3年生!!
  3.26:52.04 Andreas Almgren      (NIKE)
  4.26:52.04 Mohammed Ahmed  (NIKE, BowermanTC)
  5.26:52.04 Habtom Samuel        (University of New Mexico)
  6.26:52.04 Adriaan Wildschutt    (HOKA NAZ ELITE)
  7.26:52.04 Woody Kincaid          (NIKE)
  8.26:52.04 Edwin Kurgat             (Under Armour Dark Sky)
17.27:26.41 太田智樹   (トヨタ自動車)
20.27:34.66 佐藤圭汰   (駒澤大学)
25.27:49.09 田村和希   (住友電工)
29.28:03.93 鈴木芽吹   (駒澤大学)
31.28:05.70 篠原倖太朗  (駒澤大学)
  28:13.34 石原翔太郎  (東海大学)
  28:23.04 鈴木塁人   (SGホールディングス)
  28:59.95 長谷川柊   (Kao)


(High School Junior Sadie Engelhardt Beats The Pro In Women's 1,500m At The TEN 2024 by FloTrack)

1.4:09.70 Sadie Engelhardt   (Ventura High School Junior) ※17歳!高校2年生!!
2.4:10.03 Lauren Gregory      (NIKE)
3.4:11.49 Jenn Randall          (TrackSmith)

2016年6月。インターハイ出場目指していた高校生ランナー。

あれから8年の月日が過ぎようとしている。

それぞれに夢を持ち、それぞれの人生がある。

必ずしも陸上を続けるのが最優先事項でなくてもいい。

自分の夢を見つけて人生を謳歌してくれていればそれでいい。

あの日、あの時、あの瞬間、君たちが輝いていたことは変わらない。

今の中学生、高校生にも同じことがいえる。

様々な挫折や運命のいたずらに翻弄されたとしても…

今を精一杯生きればそれでいい。今、この瞬間を大切にすること。

もし、その先に陸上人生が続くなら、続けられるチャンスがあるなら…

過去の自分に縛られることなく、今の自分にできることを精一杯やればいい。

せっかくの人生。一度きりの人生。10年後、20年後に後悔しなくていいように…

今の生活を楽しみながら「自分らしさ」を忘れずに笑顔で思いきり走って欲しい。


(南関東高校総体陸上 女子1500m決勝 2016/06/18 by nobuyoshi390)


(北関東高校総体陸上 女子1500m決勝 2016/06/18 by nobuyoshi390)


(小笠原朱里 9:11.46 優勝 / 2016関東高校陸上 南関東女子3000m決勝 by toyosina2008)

日本では、大学対抗男女混合駅伝や冬季合宿を行っている一方…

世界では、シーズン開幕時から室内外のトラック競技会で好記録が出ている。

「青学も箱根駅伝優勝やマラソン挑戦などと言って盛り上がっている場合ではない」

「箱根駅伝が終わり一部のエリート選手以外は多くの学生が休憩モードに入っている」

「実力があり、海外志向の学生以外は、殆どの学生が世界の舞台で戦おうとしていない」

「学生の本分は社会性を身に付けること。世界を目指すのは大学を卒業してからでいい」

「そんなことを原監督は言わないで青学に在籍しながら世界を目指す個性派を育てるべき」

「青学の学生も国内需要のある箱根駅伝のみに特化せず、どんどん世界を目指して欲しい」

そういう声もあることを大学関係者は勿論、学生選手達にも意識して欲しい。

目指すべきは世界の舞台であり、世界で戦う意識を中学・高校・大学で養って欲しい。

青山学院大学の学生!名城大学の学生!今こそ世界のトップレベルの走りを確認しよう!


(Josh Kerr SMASHES world record in men's 2 mile at the Millrose Games NBC Sports)


(Elle St. Pierre breaks American record to win Wanamaker Mile at 2024 Millrose Games NBC Sports)


(Claudia Hollingsworth breaks Austrarian 800m U20 record | Continental Tour Gold 2024 by World Athletics)


(McSweyn beats Wightman in Melbourne Continental Tour Gold 2024 by World Athletics)

こんなに上半身の筋肉にキレがある桐生選手は久しぶりである。

昨年のアジア大会の時とは「まったく別人」のようなオーラがある。

山縣選手が日本一の座に君臨していた頃のカラダと同じくらいキレキレの体。

スタート位置についた時には「絶対に快走する」と確信を持って観ていられた。

もし、この雰囲気、この佇まい、このオーラ、このカラダのキレを維持出来たら…

100mの日本記録を再び塗り替えるシーズンになるのではないかと期待感が高まる。


(桐生祥秀2024 60m 6.53 日本記録で優勝!!by T&F K ROYAL)

若くして芽が出たが、高校、大学、実業団と進むにつれて輝きを失っている長距離選手。

彼ら(彼女ら)にも、まずは、このカラダのキレと雰囲気を見て思い出して欲しい。

自分が一番輝いていた時の雰囲気と今現在の雰囲気との違いを冷静に見て欲しい。

走れなくなるのには必ず理由がある。練習内容ではない。精神論でもない。

意外な盲点となっているのが「雰囲気つくり」。周囲の目を引くオーラ。

自信がないからオーラが出ないのではない。出そうとしないだけ。

誰もが目を引く雰囲気つくりを普段の生活から意識すること。

結果なんて関係ない。周囲がアッと驚く雰囲気が大事。

それさえあれば、必ず”輝き”を取り戻せるだろう。

19年ぶりの日本記録更新に沸いた大阪国際女子マラソン。

またしても天満屋の選手が五輪代表選手に入る可能性が高まった。

故小出監督曰く「天満屋は五輪代表選考会に強い。必ず合わせてくる」。

豊富な練習量に裏付けされた足の強さと絶妙なピーキング力が武器となっている。

貧血対策も抜かりはない。血液の状態も専門家によって上手くコントロールされている。

そして何よりも「余計な雑念」がなく「走ることに没頭できる無名選手」を育成している。

中学や高校時代に大活躍した選手や大学駅伝で活躍した選手は「武富流」には合わない。

実績のある選手に猛練習は乗り越えられない。実績があればあるほどついていけない。

実績のない選手は「無名」だからこそガムシャラになって走ることだけに打ち込める。

例えば、有森裕子、高橋尚子、野口みずきは、いずれも全中チャンピオンではない。

3人は、いずれも、インターハイチャンピオンでも中学歴代記録保持者でもない。

しかし、中学時代から活躍してきたエリート選手にはない「心の強さ」があった。

前田穂南の姿を見て天満屋の先輩であり現在コーチをしている山口衛里の姿と重なった。

1999年の東京国際女子マラソンで優勝した山口衛里。あの時の独走劇と内容が同じだった。

後半の強さは他を圧倒していた。レース後半にある四谷の坂道も難なく駆け上っていった。

山口衛里の走りを23年後の今、前田穂南が再現して見せた。今回も天満屋は強かった。

だが、世界は遥か彼方先をいっている。2時間11分台。7分差。2㎞先を走っている。

メダルを獲得するには2時間15分切の力が求められることは周知の事実である。

<男子マラソン歴代記録>
 世界  1位 2:00:35 ケルヴィンキプタム
 世界10位 2:03:04 ローレンスチェロノ
 日本  1位 2:04:56 鈴木健吾
 日本10位 2:06:45 高久 龍
            西山和弥
    
<女子マラソン歴代記録>
 世界  1位 2:11:53 ティギストアセファ
 世界10位 2:16:28 ローズマリーワンジル
 日本  1位 2:18:59 前田穂南
 日本10位 2:21:45 千葉真子

ここからが大事なのは言うまでもない。後に続く選手が3~5人出てきて欲しい。

2時間15分~16分台の記録を当たり前に出せる選手が複数人出てきて欲しい。

このまま「世界を追いかける流れ」が途切れることなく続くことを期待したい。

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